同性カップル条例案成立へ 渋谷区議会委可決(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015032702000135.html
先般から話題になっていた渋谷区の「同性カップル条例案」ですが、
委員会で可決されて31日の本会議でも可決が確実視される見込みとなりました。
一体どんなことが問題で、この条例案で何が変わるんでしょうか?
簡単に整理します。
我が国では「同性婚」というのは法律で認められておりませんので、
セクシャル・マイノリティカップルというのは制度面で様々な不利益をこうむります。
一例をあげると、
・アパートやマンションなどが借りづらい
・急病で入院した際、病院などの面会で「家族以外の方はNG」と断られる
・もちろん、夫婦間の財産の権利・相続なども認められない
などです。
特に最初の2つは、普段の生活にも密着する問題と言えます。
自治体が定める条例では、法律を超える越権行為はできないので、
結婚そのものを認めたり相続権を確立させることはできません。
しかし前者の2つに関しては、特に法律で決まりがあるわけではありません。
あくまで事業者や医療機関が、「一般的な対応」として行っています。
そこで渋谷区が考えているような「同性間での結婚相当のお墨付き」があれば、
同性カップルもそうしたサービスや対応から阻害されなくなるのではないかと、こういうわけですね。
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報道ベースで議会で行われた議論を見る限り、
やはりこうした「多様性の受け入れ」は不可逆な流れであると思われます。
反対派は
「時期尚早」
「丁寧な議論が必要で、拙速」
という意見を述べることはできても、
正面からこれを否定することはできかねています。
これだけ価値観が多様化し、権利意識も進化した社会ですから、
どれだけ保守的な政治家といえど
「同性愛などもってのほか!ケシカラン!教育をしなおせ!」
「日本古来の家族間を破壊するな!」
とは、もはや公の場ではなかなか言えないわけです。
こうした「言えない」雰囲気が議会にできているという事実は結構、大事な点です。
要はもう、この流れが「票に影響する」ほど醸成されていることの証左と言えます。
総合的に状況を勘案するとバックラッシュ(揺り戻し)もなさそうですし、
これからどのように他の自治体に拡大していくか、そして国はこの流れを受けて
どのような対応をしていくのかに、注目が集まる流れとなりそうです。
■
なお本件について、ネット上ではどのような意見が出されているのか、
私もソーシャルボイスラボにてビッグデータ解析を行いました。
同姓カップルの権利が広がる第一歩。渋谷区から全国へ広がるか?
http://social-voice.jp/lab/same-sex-marriage/
この解析システムの特性上、「もっとこうした方がいい」「遅すぎるくらい」という意見も
『ネガティブ(否定派)』にカウントされてしまうのですが、実際に抽出された意見を見る限り、
優に過半数を超える多数の人がこの制度・権利の認証に賛成していると言えそうです。
セクシャルマイノリティ当事者と思われる人は制度についてのコメントが多く、
そうでない方は権利や社会性について論じるコメントが多いなどの特徴も興味深いものがありました。
ぜひ、上記のリンクからご確認ください!
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私も本調査結果や渋谷区の同行を受けて、
広域自治体としての東京都の対応・見解を次の定例会で質問したいと思います。
個人的には取り組んでいる里親委託・特別養子縁組に関しても
同性カップルというのは対象外になっている点についても、
議論が進んでいけば良いなと思っています。
…まあ、日本や東京都の里親委託・特別養子縁組は、
それ以前のレベルで止まっていることが多いのですが。。
新しい価値観や流れを、柔軟に受け入れる環境づくりに邁進していきます。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
twitter @otokita
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Tags: ソーシャルボイスラボ