世界を席巻する感染症、エボラ出血熱ですが、
来週には東京都でも大規模な対応訓練が行われることになりました。
エボラ出血熱対応訓練の実施について
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/houdou/26year/261106_kunren.html
>エボラ出血熱患者が都内で発生した際に、
>実際にどのように患者に対応していくのか、実践的な訓練を行います。
とのことで、大いに実行していただきたいと思います。
なんですが、その想定というのに目を進めていくと、
うーん…。
-リベリアで医療支援に従事していた江戸太郎さん(30歳♂、医師)が、
「もしかして、エボラかな?」と思って保健所に連絡した。-
という場面から訓練がスタートするわけですが、
これってかなり、お膳立てされた状況だと思うんですよ。
そもそも皆さま、エボラなどの重度な感染症の疑いがある場合、
病院には行かずに保健所に連絡しなければいけないなんて、知ってますか??
エボラ出血熱について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola.html
>もし流行国に渡航し帰国した後、1か月程度の間に、発熱した場合には、万一の場合を疑い、
>地域の医療機関を受診することは控えていただき、まず、保健所に連絡をし、その指示に従ってください。
感染症指定医療機関以外に患者が訪ねてきても、その医療機関では対応できないばかりか、
体力の弱っている周囲の患者に感染してパンデミックを招く恐れがあるからです。
確かに空港などにそういう警告は書いてあるのですが、
私がバックパッカーを繰り返していた20代の頃は、
そんなことはまったく知りませんでした。
なので、いかにもありそうで、そしてより最悪の事態というのは、
こうしたケースではないでしょうか。
-アフリカにバックパッカー旅行に行っていたオトキタさん(31歳♂、独身)は、
帰国後に発熱などの症状に見舞われ、近所のかかりつけ医を尋ねたところ、
エボラ出血熱の可能性を指摘された。-
こうした状況から訓練がスタートすれば、
・地域のかかりつけ医から、保健所、感染症指定医院(都立病院)までの連携
・いかに周囲の医療関係者や患者に影響を与えず、感染症指定医院まで移送するか
・そのかかりつけ医近辺の風評被害などのパニックをいかに防ぐか
等、より高度な訓練を行うことができます。
もちろん、こうしたケースも想定の中にはあるはずですけど、
せっかく「実践的な訓練」をうたってコストをかけて行うのですから、
より可能性の高い、最悪なケースで実施してもらいたいものです。
■
…と、まさにここまで書き上げたところで、
Yahooをみたらこんなニュースが!
エボラ熱 都内の60代男性、発熱で検査へ リベリアから帰国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141107-00000542-san-soci
>男性は都内に住む60代の男性で、4日にリベリアから帰国していた。
>7日、町田市内の病院を受診し、念のため検査を受けることになった。
ほら、やっぱり地元の病院に行きますよね…。
このように様々なケース想定や訓練の実施、都民への周知徹底活動などについても
厚生委員会で取り上げようかと思い、この訓練を発表した部署にまず相談したところ、
「○○までは病院経営本部ですが、××からは福祉保健局。
患者の搬送となると、東京消防庁の管轄になります」
縦割り爆発っ
いかにも質問して欲しくなさそうでしたが(苦笑)、
質問持ち時間に余裕が作れれば、こちらについても言及したいと考えています。
週末は様々な式典にリーダー塾、
質問づくりと時間に追われそうです。
皆さまは、よい週末をお過ごしくださいませ。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 厚生委員会