どんなところにも政治問題というのは転がっているもので、
今日は引き続き山に関連したお話しです。
昨日まで滞在していた穂高岳にて、
山小屋の若旦那&若女将に
「山小屋は行政区分上、何に分類されているのか?」
「税務署とのやり取りは、どんな具合で進められるのか?」
「山小屋スタッフの勤務環境や、労働基準監督署との関係は?」
などなど、マニアックな質問を投げかけていたのですが(苦笑)、
そんな話をしながらふと気づきました。
山小屋スタッフって、シーズン中に選挙があったらどうするのだ?!
穂高岳の場合、山小屋が開いているのは5月~11月の約半年間。
(地域によって、山小屋のオープン期間は異なります)
標高3000メートル級の山小屋への往来は容易ではありませんから、
山荘スタッフ(正社員)たちはシーズン中はほとんど山に籠りっぱなし。
中には、一度も下山せずに過ごす方もいらっしゃるようです。
夏といえば、3年に一度は参院選挙が行われます。
んでその投票の実態はというと、
「…あー。選挙(投票)にはまず、行けないですねえ。。」
やっぱり。。
そういう職業に好きでついてるんだから、公民権が行使できなくても我慢しろ!
というのも一つの考え方としてアリかと思いますが(私はナシだと思うけど)、
同じような環境でも投票が特殊な方法で認められている人々がいます。
そう、それが「海の民」。
遠洋漁業などに長期間で出かける方々です。
参考:船員の公民権行使 洋上投票制度の充実に向けて
http://www.jsu.or.jp/member/support/youjou.html
平成11年に公職選挙法が改正され、
長期間の洋上生活を余儀なくされる船員たちには、
ファックスでの投票が認められる「洋上投票」の制度が成立しました。
しかしながら現在、洋上投票制度はあっても、
「山頂投票制度(仮)」は存在しません…。
おそらく管理する側の立場から見れば、
「海は戻ってこれないけど、山はその気になれば下山できるでしょ」
ということなんだと思いますが、
3000m級の山小屋となればそう簡単にも行きません。
不在者投票期間が数日間~数週間あったとしても、
天候次第では物理的にまったく動けなくなることもあります。
そしてそういう時こそ、山小屋は登山客のケアに努めなければいけません。
確かに山小屋の場合は「線引き」が難しく、例えば往来が比較的容易な
1000m級の山小屋にも特例を認めるのか?などの検討課題は多いかと思いますが、
一人でも多くの方が公民権(選挙権)を行使できるよう最大限の努力をするべきです。
■
ちなみに海外居住者の不在者投票と同様に、
上記の「洋上投票」も今現在は国政選挙のみの運用となっています。
海外居住者は、基礎自治体に住んでいないから国政選挙のみ…
という理屈はわかるものの、洋上生活者はそうではないのだから、
これは各種の地方選挙にも適用するのが筋ですよね。
こうした制限は主に行政コストが主な理由かと推察されますが、
それもこれも含めて、ネット投票が導入されればほぼ解決するんですけどね!
山で働く人々の公民権行使にについて、
皆さまはどのようにお感じになりますか?
私も身近な国会議員に、意見を届けてみようと思います。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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