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共産党市長、就任わずか3日で主要公約を断念——これは有権者を騙したと言わざるを得ない

日々のこと

「本当に残念だが中央図書館の再開は極めて困難な状況であると判断せざるを得ない」(原田博美・清瀬市長、就任3日後の記者会見にて)

先月行われた東京都清瀬市の市長選挙で、現職市長を破り共産党員の市長が誕生しました。全国でも共産党籍を持つ首長は現在4人程度と言われており、極めて異例の事態です。

私自身、東京都選挙区選出の参議院議員を務めていましたから、清瀬市はかつての選挙区でもあります。今回の件には、正直なところ強い遺憾を感じています。

■ なぜ現職が負けたのか

今回の選挙、私も最初は正直驚きました。2期目を目指す現職というのは、選挙で最も強い立場と言われています。

1期目のフレッシュさと4年間の実績を兼ね備え、スキャンダルでもなければまず盤石——そういう構図のはずでした。

しかし今回は、現職が進めていた図書館の統廃合計画が市民の強い反発を招いていました。

6館あった図書館を実質3館体制に再編するという方針に対し、「図書館を守る」を旗印に共産系候補が支持を集め、僅差での逆転勝利となったわけです。

■ 就任3日で「断念」——前代未聞の公約撤回

問題はここからです。

3月29日の選挙から4月3日の就任まで、わずか5日。そして就任からたった3日後の4月6日、原田市長は記者会見を開き、最大の公約だった中央図書館の再開を断念すると表明しました。

理由は2点です。まず、閉館後に進められていた解体工事を中断したことで、業者の人件費や重機リース料などが1日約100万円発生していること。

そしてもう一点、この建物が都市計画公園内にあり、都市公園法の建蔽率制限によって現状のまま復活させることは不可能だったこと——この2つが「就任後に判明した」というのです。

聞いたことがありません。3日で判明した話を、なぜ公約にできたのか。

■ 「調査不足」では済まされない

一部の支援者からは「前市長が情報を隠蔽していたから」という擁護の声も出ていますが、これは無理筋です。

元大阪市議会議員の飯田哲史さんが的確に指摘していますが、都市公園法の建蔽率制限は技術的な問題であり、専門職員に相談すれば「すぐに見通しが分かる話」です。

担当職員が就任直後に説明すれば、3日で分かって当然——つまり隠蔽でも何でもなく、単なる調査不足なのです。

しかも原田市長は、清瀬市議会議員を6期務め、副議長まで経験されています。この公園整備の予算審議にも関わり、議案にも賛成してきた方です。

行政と長年向き合ってきた議員であれば、建蔽率の制限も、工事中断のコストも、相場感として分かっていて当然でしょう。私も都議を2期、国会議員を5年半やりましたから、これは断言できます。

「知らなかった」が本当なら能力の問題であり、「知っていた」なら有権者を騙したことになる。どちらに転んでも、説明責任から逃げることはできません。

■ 公約は「できること」を掲げるのが大前提

かつて「10万円を配る」と公約して断念した首長の例もありましたが、あのケースでも議会との折衝に何ヶ月もかかりました。今回は3日です。

これは公約の実現可能性を全く検証せずに有権者の支持を集めた、政治的な欺瞞と言うほかありません。

原田市長本人も、そして市長を担いだ共産党も、今後の対応策を含めてしっかりと説明責任を果たしていただく必要があります。清瀬市民の皆さんが、その言葉を待っているはずです。

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 42歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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