次の世代に希望をつくる

「9条守れ」と「媚びるな」は両立しない――山尾志桜里さんが見事に整理した”自主防衛か従属か”の本質

日々のこと

■ 鋭い論点整理に膝を打った

元衆議院議員の山尾志桜里さんが、護憲派の論理的矛盾を鋭く整理したポストをされていて、思わず膝を打ちました。

要約するとこういうことです。

「9条を守る=自衛戦力を持たない=他国(アメリカ)に安全保障を依存する」という構造を選んでおきながら、「アメリカに媚びるな」と主張するのは論理的に不可能だ、と。

自分の船のオールを他人に渡しておいて、「その人の漕ぎ方が気に入らない」と文句を言っているようなものです。

■ 「9条で守られた」論の正体

今回、米国の関税攻勢に対する日本政府の外交姿勢をめぐって「9条があったから集団的自衛権の行使を断れた。9条に守られてよかった」という言説が一部に出ています。

でもそれは山尾さんが喝破されたように、「アメリカが引き続き守ってくれるようでよかった!」という話に過ぎません。

自らの意思で「自立した外交」を選び取ったわけではなく、「従属先がたまたま気の利いた判断をしてくれた」だけの話です。それを自国の外交的成果のように語るのは、少し違う。

■ トランプ・ヴァンス政権が突きつけた現実

山尾さんも指摘されていますが、トランプ大統領が「G2(米中二極)」に言及し、ヴァンス副大統領が「西半球に集中」と唱える現在の米国は、かつてのような「無条件に極東を守る守護者」ではありません。

「アメリカが守ってくれる」という前提そのものが、地殻変動を起こしています。

従米から従中への「鞍替え」を余儀なくされる日が来ないとも限らない――。これは荒唐無稽な話ではなく、今まさに現実の地政学リスクとして議論されていることです。

自分のオールを他人に渡したまま、相手が変わったら別の人にまた渡す。それが「戦略」と呼べるのか、私には疑問です。

■ だから私たちは9条改正を訴えてきた

日本維新の会は一貫して、9条改正を訴えてきました。

「戦力不保持」の建前を続けながら実態として自衛隊を保有するという、現在の「解釈の歪み」を解消し、自衛官が誇りと法的根拠を持って職務を全うできる環境を整える。

そして「自分で自分を守り、不足は互いに守り合う」主権国家として、対等な同盟関係を築いていく。

「毅然とした外交」を望むなら、論理的な帰結はこれ一択です。

■ 「哲学」ではなく「戦略」の話をしよう

山尾さんは「9条を盾に生きていく道は、もはや戦略というより哲学だ」と表現されています。

まさにその通りで、信念として護憲を選ぶ自由は誰にでもあります。しかしそれは「合理的な安全保障戦略」とは別の話です。

「媚びるな」「毅然とせよ」と外交姿勢を批判するなら、まず「自分で自分を守れる国」になるための議論を、真正面から受け止めてほしい。その順番を飛ばして感情的な対米批判だけをするのは、建設的な安全保障論議とは言えないでしょう。

山尾さんの論考は、党派を超えて多くの人に読まれてほしいと思います。

個人献金のお願い
ボランティアスタッフご登録のお願い
音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 42歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

友だち追加
twitter @otokita
Facebook おときた駿
Instagram @otokitashun

ページトップへ