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米国がベネズエラ大統領を拘束――民主主義と力のはざまで

日々のこと

■ 何が起きたのか?まとめ

  • ベネズエラでは2024年大統領選で反政府派が勝利したにもかかわらず、ニコラス・マドゥロ政権が結果を否定し、権力を維持
  • 抗議運動は弾圧され、多数の逮捕者・死者が出ている。
  • 反政府派を率いるマリア・コリナ・マチャドは民主化闘争が評価され、ノーベル平和賞を受賞。
  • 米国は、マドゥロ政権が麻薬組織や国際犯罪と深く結びついているとして、これを「国際テロ組織」と認定。
  • ドナルド・トランプ政権は大規模な軍事圧力を加え、ついに軍事作戦を実行し、マドゥロ大統領を拘束した。

■ なぜ米国は軍事行動に踏み切ったのか

米国側の論理は一貫しています。

これは「国家への戦争」ではなく、選挙を盗み、麻薬と暴力で国際社会を脅かす犯罪組織への摘発だ

という立場です。マドゥロ政権は、

  • 政府・軍の中枢が麻薬取引に関与
  • 国際犯罪組織を通じて治安悪化と不法移民を拡大
  • イランやキューバ、テロ組織とも連携

こうした点から、米国の安全保障上の直接的脅威とみなされてきました。

今回の作戦は、長年積み上げてきた情報と圧力の「最終局面」と言えます。


私はこの出来事を、「単純な善悪」でも「単純な内政干渉」でも語るべきではないと考えています。

第一に、民主主義が踏みにじられ続けてきた事実は、否定しようがありません。

選挙結果をねじ曲げ、反対派を投獄し、国民を貧困と恐怖に追い込む体制は、もはや「主権国家の正当な統治」とは言えない段階に達していました。

第二に、それでもなお、軍事力による体制転換は常に危うさを伴う

「犯罪組織への摘発」という理屈が、将来、別の国や別の政権にも安易に適用されるなら、国際秩序は不安定化します。

しかし第三に、平和的手段が20年以上すべて封じられてきた現実も直視しなければなりません。

選挙も、対話も、非暴力の抗議も通じない独裁に対し、国際社会はどこまで「不介入」でいられるのか。

マチャド氏が米国の行動を支持するのは、「好み」ではなく生き残るための選択だったのでしょう。


■ 日本に生きる私たちへの問い

この出来事は、決して遠い国の話ではありません。

  • 民主主義は、一度壊れれば簡単には戻らない
  • 権力の私物化は、国内問題にとどまらず、国際的な不安定要因になる
  • そして最終的に、力が力を呼ぶ局面に追い込まれる

だからこそ、日本でも「選挙の軽視」「説明責任の形骸化」「権力の集中」こうした兆候を、早い段階で止めなければなりません。

民主主義は、軍艦ではなく、日常の政治参加で守るものです。

その重みを、ベネズエラの悲劇は私たちに突きつけています。

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 42歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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