次の世代に希望をつくる

石破前首相インタビューに思う、「去り際」の美学

日々のこと

戦後80年談話が思ったよりもバランスの取れた内容で、「有終の美を飾った」と感じていた矢先。石破前首相がメディアのインタビューで再び持論を展開されました。

内容の是非はともかく、「ああ、またか」と思った方も少なくないのではないでしょうか。

自民党のさらなる保守路線への「違和感」、コメ増産方針への「不愉快な話」、そして核兵器禁止条約会議に「オブザーバーでも参加すべきだった」との指摘。

いずれも一理あるものの、現職を離れ、総理経験者としての「言葉の重み」をどう使うのか。そこに慎重さが求められるはずです。

政治の世界には「去り際の美学」という言葉があります。批判でも提言でも、タイミングと立ち位置を誤れば、せっかくの実績が霞んでしまう。これはどんな政治家にも当てはまる普遍的なテーマです。


そう考えると、岸田文雄前総理のいまの姿勢はむしろ立派だと感じます。退任後は余計な発言を控え、静かに後進に任せている。その背中は、「政治家としての成熟」を感じさせるものがあります。

もちろん、石破氏の知見や経験は貴重ですし、政治に対する真摯さも疑う余地はありません。だからこそ、節目の談話で有終の美を飾った後は、しばらく表舞台から距離を置き、次の世代が自由に議論できる空気をつくってほしかった。


「去り際」こそが、その政治家の本当の評価を決める——そう感じさせられるニュースでした。

個人献金のお願い
ボランティアスタッフご登録のお願い
音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 42歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

友だち追加
twitter @otokita
Facebook おときた駿
Instagram @otokitashun

ページトップへ