日本維新の会の苦境が続いていますが、維新のレーゾンデートル(存在意義)の一つについて、私なりに筆を取りたいと思います。
※私の進退に関する報道については、正式に決定してから皆様にご報告を致します
維新が「敬老パス(シルバーパス)」を有料化したことを覚えていらっしゃるでしょうか。

なにぶん10年以上前(!)のことなので、忘れてしまった方も多いかもしれません。
全国の大都市と同様、大阪でも無料で市営バスに乗れる「敬老パス」が普及し、高齢者の方々にとっては大変ありがたい制度であると同時に、市バス事業に携わる労働組合の既得権益になっていました。
ところがその市バス事業は大赤字で、それでも敬老パスには百億円単位の財源が毎年注ぎ込まれている。大阪の財政は傾くばかりで、子どもたちに投資をする余力は一片もない。
そこで当時の維新は、この敬老パス制度に果敢に切り込んだ。もちろん、マスコミも含めて世論は大反発。
「高齢者を見殺しにするのか」
「弱者切り捨てだ、とてもじゃないけど生活できない」
「他にもやるべきことがあるだろう」
その反発たるや、遠く東京から見ている私にすらヒシヒシと感じられるほどでした。
それでも維新は
「今の財政にそんな余裕は、残念ながらもうない」
「子どもたちのため、未来のために財源を使いたい」
「子どもですら半額負担している」
と怯むことなく立ち向かった。
当初予定していた半額負担・3割負担という目標にまでは至らなかったけれど、1回50円+更新手数料3,000円の導入という、これまでのフリーライドに比べれば格段の変革を成し遂げたのです。
「50円ばかりだけでも、本当にご負担いただくことはできませんか?その一人ひとりの1回50円が、子どもたちの未来を創るんです」
正面からお願いを続け、財政危機から子どもたちへの徹底投資を実現し、また選挙でなお生き残った維新の姿に、心の底から感動したことを私は今でも鮮明に覚えています。
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この姿勢こそまさに、いま維新が社会保障制度・社会保険料に対して発揮すべきものではないでしょうか。
敬老パス負担にあたるものが、まさに医療費の窓口負担です。無料ではないけれど、日本全国で高齢者の多くは8割~9割引き状態が続いています。
しかし「割引」にフリーライド(タダ乗り)があるはずもなく、その割引分の負担を背負っているのが、未来を担うはずの現役世代とその子どもたちです。
だからこそ高齢者の皆様に「一人ひとりが1回あたりもう1割、あるいは2割、本当にご負担いただくことはできないのでしょうか?」と正面からお願いをする。
もちろん、生活が苦しくて医療を受診できない人には救済措置が必要不可欠です。
一方で、1回あたり1~2割の負担増であれば、感情的には嫌でも実際のところは引き受けられる人も多くいるはずで、その方々に真摯に向き合う・腹を割ってお願いすることから政治は逃げてはいけません。
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「バラ色のことだけを約束できません。少しばかり医療費の負担は増えます。でもその負担は必ず、現役世代と子どもたちを支えることに繋がります」
「一人ひとりの1回あたりわずか1割・2割。その皆様からの支援が、現役世代の社会保険料負担を大きく引き下げ、日本の未来を劇的に変えるんです」
「そしてそれは、巡り巡って社会全体を、高齢者の皆さまを支えることにもなります」
と、選挙を恐れず、批判を恐れず正面から有権者に語りかける政治家が集う政策集団であることこそ、維新の存在意義であると私は考えます。
今は苦しくて、苦しくて、苦しくとも、そのぶれない・曲げない・崩れない姿勢が死中に活路を切り拓き、現役世代とその子どもたちから期待を集め、日本の未来を変えていくと私は信じています。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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