先日、小泉進次郎元環境相が自民党総裁選への出馬を表明した際に、注目すべき公約の一つとして「選択的夫婦別姓制度の導入」を掲げました。
この公約は、実にタイムリーであり、議論を巻き起こすこと間違いないと個人的には感じています。
選択的夫婦別姓は、結婚後も仕事を続ける女性が増える中で、改姓に伴う負担を軽減する一つの解決策としても注目されています。
小泉氏も会見で「結婚後も働く女性が増える中で、改姓に伴う負担を軽減したい」と述べ、現代社会のニーズに応える形を強調しました。「選択肢を増やす」ということは極めて重要です。
一方でNHKの世論調査によると、総裁選のテーマとして重視する項目で「選択的夫婦別姓」と答えた方はわずか1%に過ぎないという現実もあります。
これは、他の重要な政治課題に比べて、選択的別姓が有権者『全体』にとってそれほど大きな関心事ではないことを示しているとも言えます。
加えて、ここで問題となるのが自民党内の保守派の反応です。
夫婦同姓は長年の慣習であり、保守的価値観を重んじる層からは受け入れがたい公約と言えます。こうした背景から、小泉氏のこの公約は保守派の議員・党員票を逃すリスクを伴う、まさに”諸刃の剣”と言えるでしょう。
決選投票を行う際に、議員票の行方を左右する要因となるかもしれません。
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われわれ日本維新の会も、選択的夫婦別姓については賛成の立場をとっています。
しかしながら、保守派の反発を受けて具体的な進展がなかなか見られない現状を踏まえて、旧姓に法的効力を付すという「一歩前進」「ハイブリッド案」を提案してきました。
このアプローチは、完全な別姓導入とはいかないまでも、現状の問題を少しでも解消するための現実的な措置と考えてきましたが、小泉進次郎氏の問題提起によって、フルスペックの選択的夫婦別姓を導入することの議論・結論が前に進むことは賛成です。
選択的別姓に賛同する現役世代を中心とする有権者を取り込む一方で、保守層の反発を招く可能性がある、これは非常に難しい挑戦です。
都市部の中道・リベラル層、そして若年層の支持を広げるための大胆な戦略とも言えますが、自民党の党員の多くを占める保守層の支持を維持するためには、さらなる工夫が求められるでしょう。
NHKの調査結果を踏まえると、小泉氏がこの公約を掲げることは、「改革派」としてのイメージを強調するための戦略かもしれませんが、それが総裁選の主要な争点として有権者に響くかどうかは未知数です。
選択的夫婦別姓の導入が前に進むことは私も賛成であり、この一手が小泉氏を総裁選で勝利に導くか、それとも逆風となるのか。今後の動向を注視していきたいと思います。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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