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終戦の日。転落の歴史と現状に何を見るか

日々のこと

終戦の日。靖国神社→千鳥ヶ淵戦没者墓苑と参拝した後に、武道館で行われる追悼式に参加いたしました。

先の大戦で亡くなられた方々に心から祈りを捧げるとともに、今の日本の平和が多大なる犠牲の上に築かれた重みを噛み締め、不戦への誓いを新たにします。

終戦の日の前後は、その時代に関連した書籍を読むことを通例にしているのですが、今年手に取ったのは斉藤建・現経産大臣の「転落の歴史に何を見るか」。

日露戦争から第二次大戦に向けて、日本はどのように没落していったのかを分析された名著なのですが、日本が「大艦巨砲主義」から脱却できなかった理由について、興味深い一説がありました。

真珠湾の奇襲攻撃成功によって、時代は明らかに「航空戦」になったことを誰よりも実感していたはずの日本軍が、どういうわけか大艦巨砲主義にこだわり続けた。

「失敗の本質」著者の1人である野中教授が、その回答を得たシーンの記載がP28にあります。

なぜ、日本は戦略転換ができなかったのか。これが野中教授の疑問であった。

幸いなことに教授は、この疑問をぶつける相手を得る。元航空参謀で真珠湾攻撃に参加し、戦後は参議院議員を務めた源田実氏(真珠湾攻撃当時、37歳)である。教授は、源田氏と対談し、率直にこの疑問をぶつける。

何と、源田氏の答えは、長年苦労をさせてきた水平たちに対して、「もう君らの時代は終わった、これからは飛行機乗りの時代だ」と言えなかったというものであった。

突き詰めれば、水兵の失業問題である。大艦巨砲主義で築かれた組織を変革することは、人情にもろく波風が立つのを嫌う日本人の性格では難しかったというのである。

-「転落の歴史に何を見るか」より抜粋、強調筆者-

これを昭和の時代の精神性だと切り捨てることができるでしょうか。

今の日本でもまったく同じことが起きており、ライドシェア解禁などその典型です

「時代は変わった」と既存産業で働く人々に言えない、既得権を温存してしまう弱さが、今なお日本を転落の道に導いています。

過去の「失敗」「転落」を冷静に見つめる政治家がこれだけいるのに、日本の政治はなお変わらない。戦後79年を経て、我々がたどり着いた到達点がここまでなのかと、忸怩たるに想いに至らざるを得ません。

しかし、諦めるわけにはいきません。

先人たちが残してくれた平和な世の中だからこそ、これ以上の経済敗戦を続け、将来世代に負債を残すわけにはいかない。

変化を受け入れる勇気を、まず政治家が率先して示し、そして大胆な社会保障制度改革や規制改革・統治機構改革を成し遂げていく。

終戦の日に決意を新たにし、きたるべき解散総選挙等に臨んでいく所存です。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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