支援するはずの現役世代に新たな負担を押し付ける「支援金」の議論が迷走しています。
この財源について、昨日まで岸田総理は「賃上げと歳出改革で捻出する」と答弁していたのに、今日の衆議院予算委員会では新藤大臣が「歳出改革で生まれた分でカバーするから、賃上げは関係ない」と答弁。
閣内ですら理解が一致していないのではないかと、不安が募るばかりです(政府見解については明日以降の予算委員会等で追及してきます)。
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「『実質的な』追加負担は生じない」と主張したいがために、図のようにとにかく複雑な仕組みになっている支援金制度ですが、そもそもこんなことをしなければならない理由は、医療制度改革が遅々として進まないからです。
受益者や医師会などの業界団体の声があまりにも強く、医療においてはDXなど反対があまり出ない分野での細々とした歳出改革しかできないのが実情です。
しかしここに聖域なく切り込めば、新たな支援金制度などに頼らずとも一定の財源は出てくるはずです。
その象徴が高齢者医療における窓口負担の見直しで、一応、政府もこれについてはやる気を見せており、
「医療・介護の3割負担(「現役並み所得」)の適切な判断基準設定等」
という文章が厚労省資料の中に明記されています。ただ、
・3割負担に引き上げるまで、緩和措置期間を含めて相当な時間を要すること
・現役並みの資力を持つ人に限定されることが想定され、結局は3割負担の対象が限られること
が想定され、今の政府・厚労省に任せていては現役世代が先に負担で潰されます。
高齢者や医師会からの強い反発は予想されますが、やはりここは高齢者医療制度において「一律窓口3割負担」をまずは決断するべきです。
これは資力に応じた対応を否定するものではなく、低所得者・生活困窮者には窓口負担額を事後に「還付」する制度を設けることが望ましいでしょう。
対象者を選別して3割負担とするより、まずは一律3割と定めて払ってもらい、対象者には事後に(マイナンバー口座・マイナ保険証を徹底活用して迅速に・ほぼリアルタイムに)還付する。
こうした制度設計の方が、歳出抑制・行動変容効果が遥かに望めるはずです。
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言うは易く行うは難しで、この医療制度改革を突き通すのは並大抵のことではありません。総選挙があれば、傷だらけになることも想定されます。
しかし、繰り返しになりますが現役世代の負担はすでに限界であり、残された時間は限られています。
日本維新の会は「医療制度改革タスクフォース」がこうした窓口負担改革案を含む社会保障制度における包括的な改革案を年末に報告書として取りまとめ、現在、政務調査会および厚労部会で最終的なブラッシュアップを行っている最中です。
今月中には成案となった医療制度改革案を政府の「支援金」創設に対する対案としても提示し、選挙を恐れず、批判を恐れず、本来やるべき社会保障制度改革に挑んでいきたいと考えています。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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