こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
与野党6党で当面の国会議員による被災地入りの自粛を申し合わせたばかりなのに、某党の代表が乗り込んでいるSNS投稿を見て膝から崩れ落ちました。
れいわ新選組の山本太郎代表が5日夜、地震で被災した石川県・能登地方に入ったとX(旧ツイッター)で明らかにしました。被災地の状況を確認するためだとしています。政府や県は救助、救援に支障が生じるとして、能登方面への移動を控えるよう呼び掛けています。https://t.co/ArYQqlbTeL
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) January 6, 2024
能登への一般車両による移動は控えてほしい・人命救助の妨げになると石川県が再三再四呼びかける中、レンタカーを使って長時間かけて(つまり渋滞の一因となりながら)被災地に向かい、炊き出しを一緒に食べたとのことでした。
⚠️能登への不要不急の移動は控えて⚠️
能登へ向かう道路が渋滞し、物資が届かない、患者の輸送回数が減っているなど救援部隊も大変困っています。今日と明日からの三連休について、能登への不要不急の移動はくれぐれも控えてください。
被災者の命に関わります。皆様のご協力を何卒お願いいたします。 https://t.co/dMGZbBe8aS— はせ浩(馳浩)石川県知事 (@hase3655) January 5, 2024
国会の一因としても、また東日本大震災の後にNPOを立ち上げて長らく復興支援に携わっていた当事者としても、本当に残念でなりません。
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誰しも、そして政治家であればなおさら、今すぐ現地に駆けつけて状況を見たい、被災者に寄り添って声を聞きたいという気持ちは持っています。私だって飛んでいきたいし、物理的にはできるでしょう。
現地を訪れて手持ちの物資を渡して話を聞けば、目の前の人には大変な感謝をされるでしょう。
しかし、それは被災地全体を見れば明らかにマイナスの行為で、大勢の方がそれをやろうとした結果が現在の惨状です。緊急車両の到着が遅れた現場では、一刻を争う中で命が失われた可能性だってあります。
そうしたことに想像力が回らず、いやむしろ確信犯かもしれない国会議員が被災地に趣き、一部の方々が称賛を送り現地に行かない政治家を馬鹿にする。
こうした現状が悔しいし、悲しい気持ちでいっぱいです。
冷静な人にめちゃくちゃ叩かれてるけど、「自分で現地まで行って一緒にカレー食べて話を聞いてくれるのが良い政治家」って考えの人も結構いるし、そういう人のためにわざとやってるので永遠にやめないと思う。 https://t.co/YQDjPAreXa
— 手を洗う救急医Taka (@mph_for_doctors) January 6, 2024
山本太郎はアレを止めないよ。
たぶん次の災害ではもっとやる。もっと批判を受ける為に。
批判される事が自分のカリスマ性を高める事をよく知っている。
世の中にはそういう人をこそ崇め奉る人が一定数いる。それを独占するためにやっている。
それを独占出来たら相当な権力になることを知っている。— TJK (@TJK07370425) January 6, 2024
多くの方がすでに指摘をしている通り、残念ながら先鋭化する彼らは批判を受けても迷惑行為をやめることはないし、それが一部に支持されることを知っているので、行動や思想はますます過激化するかもしれません。
それでも、私たちは彼らの非常識な行いに対して、その都度しっかり声をあげて抗議をするべきです。
なぜなら「◯◯国会議員が行っているのだから、俺だって!」という有害無益な誘発を防がねばならないからです。
確信犯でやっている本体の暴走は止められなくても、一縷の迷いを持ちながら見ている人たちに対して、駄目なことは駄目なのだと伝える。
こうした行為の積み重ねでしか社会の良識は守られないし、一定数の暴走が防ぐことができないからといって、私達は決して諦めてはいけないのだと思います。
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明日午前8時から石川県「のと里山海道」の一部区間の通行を災害復旧関係車両に特化する交通規制を行います。一般車は通行できません。
災害復旧関係車両は「のと里山海道」を活用するとともに、一般車については被災地への移動をお控えいただくよう、国民の皆様の御理解と御協力をお願いいたします。— 岸田文雄 (@kishida230) January 6, 2024
呼びかけにもかかわらず減らない一般車両に対して、ついに政府は車両規制に踏み切りました。これは党首会談で維新からも要望したことであり、今回の決断を支持します。
本来であれば、良識によって守られるはずだったこと。
しかしSNSの普及により、いち早く現地に駆けつけて写真を撮り、物資を配り、その様子をあげることがもてはやされてしまったことも相まってか、残念ながら今回は強制力を発揮せざるを得ない状況になりました。
私たち政治家も自戒を込めて。
これまでの早期の被災地入りは、功名心がはやっての「やってる感」のパフォーマンスではなかったか。
何もできない自分に対する歯がゆさや、自身に向けられる批判に負けて、とりあえず被災地に向かって負担を増やしてはいなかったか。
現在も多くの意見・批判が私たち政治家には寄せられています。でも、特に行政権を持たない政治家たちが被災地に入って活動するフェーズは、もう少し先です。
現場を知ることは大事でも、現地の負担を増やしてまでやるべきことではないし、単身や数人で乗り込んでも俯瞰した情報を得ることはできません。「お気持ち」は時にマイナスに働きます。
復興は長期戦です。やるべきでないことを抑えるのも支援、また被災地以外の方は過度に自粛せず、通常の経済活動を回すことも支援の一つだと思います。
私も寄附や情報発信など、自分が今できることに努めて、現地入りできる時を待ちます。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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