こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
憲法記念日からこの連休中、SNS等で憲法改正を巡る議論が活性化しているようで、これは前向きなことだと思います。
その反動と申しますか、いわゆる「護憲派」の方々の過激な言動も増えてきているようです。
「改憲ありきの議論は慎むべきだ」
という指摘については、私も一理あると思います。同様に、辻元氏の主張は明らかに「護憲ありき」になっており、これはこれで同じ穴のムジナではないでしょうか。
大事なのは国民の命や財産、国を護ることであり、そのために憲法はどうあるべきかを考えるべきで、憲法は決して「不磨の大典」ではありません。
改憲ありきと同じかそれ以上に「まずは憲法を護ることありき」では、冷静な議論に蓋をすることになります。
憲法学者の井上武史先生が指摘するように、国民の命や財産、権利を護るために、時代にあった憲法とはいかなるものかを正面から考えるべき時が来ています。
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そしてその中の一つの論点が「緊急事態条項」の創設です。
>衆院憲法審の事務局によると、海外の憲法のうち9割以上が緊急事態条項を持つ。戦争や内乱を発動要件にするものが多いが、近年は災害も含める例が増えている。
>緊急事態条項を持つ代表的な国にドイツ、フランス、イタリアなどがある。人権問題に敏感とされる欧州諸国でむしろ一般的だ。同事務局は「憲法で最も共通した項目の一つ」と説明する。(中略)
>関西学院大の井上武史教授は「緊急事態条項がないと場当たり的にフリーハンドで権力が行使される可能性がある」と話す。「結果として歯止めがきかなくなり、人権が侵されかねない」と懸念する。
(上記の日経新聞記事より抜粋、強調筆者)
この日経新聞記事が詳しいので、一読をおすすめしたいのですが(限定記事ですが、無料登録でも読めます)。
「緊急事態条項」というと、とかく緊急事態を理由に権力者が意のままに国民の権利・行動を制限するためのものだ!国家の暴走に歯止めがかからなくなるっ!と、恐ろしいもののように言われがちなのですが。
この記事内でも井上先生が指摘するように、それはむしろまったく逆で、緊急事態に権力にきちんと歯止めをかけるのが緊急事態条項の役割なのです。
今回、それがもっともわかりやすく現れたのが、コロナ禍での政府の対応です。
「要請」という名の下で、十分な補償もないままなし崩し的に国民の行動=権利が制限され続ける自体が頻発。これを受けて国民民主党・玉木雄一郎代表は
「緊急事態条項自体が危ないのではなく、まともな緊急事態条項がない中、曖昧なルールの下での行政府による恣意的な権力行使によって、憲法上の権利が制限されうる状態こそが危ない」
と自身のブログ等で指摘していますが、これにはまったく同意するところです。
いかに緊急事態といえど、国家はどこまで国民の権利を制限することができるのか。それを予め定めておき、そしていざという際に時の権力者に歯止めをかけるのは、最高法規である憲法をおいて他にありません。
人権保障、そして法の支配という観点からも、緊急事態条項の創設は望ましい(というより必要不可欠である)と言えます。
そして玉木代表は同ブログで、緊急事態条項を創設する際には2つの統制が必要と論じていますが、一考に値する考え方です。
- 原則国会の事前承認を求めるなどの「手続的統制」
- 絶対に制限してはならない人権制限の限界を明示するなどの「内容的統制」
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維新も馬場共同代表や足立国会議員団政調会長が述べているように、参院選までに緊急事態条項(や憲法9条改正案)のイメージを提示できるよう、精力的に党内議論を重ねている最中です。
改憲ありきでも護憲ありきでもなく、国民の命や権利を護るために何が重要かという論点に立脚し、立法府として必要な行動をしてまいります。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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