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特別支援学校の式典には、議員の数が少ないという現実に…

日々のこと, 都議会の話

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本日は快晴の卒業式日和の中、
王子第二特別支援学校の卒業式に参加をさせていただきました。

「特別支援学校」とは、主に障がい者・児のための教育機関で、
かつては養護学校・ろう学校・盲学校などと呼ばれていましたが、
学校教育法の改正により特別支援学校という名称に変更されています。
(学校名には旧称が残っている場合もあります)

東京都内には公立の特別支援学校が都立56校・区立5校ありまして、
都立学校の式典にはその選挙区に関連する
都議会議員たちが招待される運びとなります。

北区選出の私の場合、

・都立北特別支援学校(文京区全域、豊島区全域、北区・板橋区・荒川区の一部)
・都立王子特別支援学校(文京区全域、豊島区全域、北区全域、荒川区の一部)
・都立王子第二特別支援学校(文京区全域、豊島区全域、北区全域、荒川区の一部)

の3つの式典から招待状をいただき、
4回の卒業式に出席させてもらいました。
(北特別が小中・高と分けて式典を行うため)

そこで少し気になったのが…
特別支援学校の卒業式に、ほぼ議員の姿がない
4回の式典中、3回までもが議員の姿は私一人だけでした。

商業高校や普通科高校の卒業式ではいつもズラリと政治家たちが
並んでいるのに、です。かなりの違和感を感じてある先輩議員に
「なんでですかね?」と聞いてみたところ、

「そりゃ、人数が少ないところに行っても効率が悪いからだろうね」

やっぱり、そういうことか…。
そういえば、全日制に比べて卒業生が3分の1以下の
都立定時制高校の卒業式も、議員で出席しているのは私だけでした。

特別支援学校の卒業生は、多くても20人前後。
全日制の都立高校に比べれば10分の1以下の生徒・保護者しか出席しません。
だからと言って…

もちろん、議会中ということもありますし、
公務とたまたま重なることが今年は続いたのかもしれません。
他の区の仲間に聞くと、特別支援学校の式典にもきちんと出席される議員も勿論おられます。

でももし、出席者の人数で判断して、自分の知名度を上げるために、
選挙のために恣意的に出席する式典を選ぶ議員が多いのだとしたら…

「来賓」「議員」というものは一体なんなのか。
新人議員として深く考え込まざる得ません。

ところで、この特別支援学校の卒業式は
私にとって忘れられない経験になりました。

特に、肢体不自由で重度の障がい者が通う北特別支援学校。

介助者なしではほとんど行動できず、感情も表せない生徒さんたちだけど、
なんとか、少しでも意思表示をさせてあげようとする教職員と保護者の方々。

「卒業生の言葉」では、お父さんやお母さんが影マイクになって後ろからしゃべったり、
なんとかスイッチを押させてあげて、それを押すと事前にテープに録音されている
(おそらく両親の)言葉が生徒さんのセリフのように流れてくる仕組みを作ったり…。

先生方からの卒業生へのメッセージは、

「大きな瞳をめいいっぱい動かして、自分の意思が周りに伝えられるようになりましたね」
「得意の右手の動きで、いつも周囲を楽しませてくれるムードメーカーでした」

なんてメッセージが並んで、歌や演奏のときは
カーテンに鈴を結び付けてそれを生徒さんに握らせてあげて、
上下になんとか振らせてあげることで演奏に少しでも参加させる…

文字通り、教職員と保護者の方々が涙ぐましい努力で
生徒たちの卒業を祝う姿に、私の涙腺は終始緩みっぱなしで、
またこうした光景を初めて目の当たりにした複雑な感情でいっぱいでした。

議員や政治家を目指して色々なことを勉強してきたつもりだったけれど、
障がい者政策についてはほとんど門外漢。そしてこれまでの人生の中で、
障がいを持つ方と触れあう機会は、お恥ずかしながら皆無と言っていいほどでした。

日本の社会では、障がい者の存在は徹底的に「見えない」ものになっています

もちろん、街を歩いていれば見かけることはありますが、ほとんどの人にとって
障がい者というのは自分の人生の中で触れ合うことも、関わることのない存在ではないでしょうか。

本来、福祉や社会保障というのは、こうした分野でこそ力を発揮するべきです。
私は自由主義者なので、保育や介護といったものについては民間(市場原理)でも
解決できる部分があると考えていますが、障がい者政策はその限りではありません。

「重度障害のお子さんを持った保護者の方々は、誰もが一度は心中を考えるんです。
 それを乗り越えてきたからこそ、今日という日は特別なものなんです」

式典が終わった後、特別支援学校の
校長先生がそっと話してくださいました。

教職員と保護者の方々の並々ならぬ努力があるからこそ、障がいを持つ生徒たちが
今日という日を迎えられたという事実を重く受け止めて、政治家としてできることを考え、
障がい者政策を改めて学びたいと強く思います。

写真 (1)

明日からと言わず今日から、勉強開始!

「議員さんはあまり来られないので…いつでも見学にきて下さい!歓迎です!」

とのことだったので、議会のない4月5月を利用して
様々な障がい者福祉施設に視察に出かけようと思っています。
ご興味のある方がいらっしゃれば、ぜひ一緒に勉強しましょう!

それでは、今日はこの辺りで。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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