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地方政治においても、外国人参政権付与には反対。武蔵野市の住民投票条例が危ぶまれる理由

日々のこと

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

東京都武蔵野市で、外国人にも投票権を認める住民投票条例が市議会に上程されるとのことで、にわかに話題が集まっています。

私は同性婚や選択的夫婦別姓など、いわゆる社会的リベラル政策の多くには賛成の立場ですが、外国人参政権の付与は国政・地方政治ともに極めて慎重に対応するべきと考えています。

今日は以下にその理由をまとめておきます。

まず第一に、外国人参政権は違憲の疑いが強いものです。憲法第15条に参政権は「国民固有の権利」と明記されています。

最高裁判例における「傍論」を根拠に、地方自治においては必ずしも憲法違反ではないという主張に一時期注目が集まっていたようですが、判決の主文では明確に否定されており、外国人参政権の合憲説は少数派・異説と言われています。

「外国人だって税金を納めている、代表なくして課税なしだ」

というご意見もありますが、納税の対価は参政権ではなく行政サービスです。納税を参政権の根拠にすると、納税免除されている日本人から投票権を奪う論理も成立してしまいます。

もちろん外国人住民が、自らが享受する行政サービスについて物を言う機会は改善のために重要であるものの、それは参政権とは別の機会で担保されるべきものです。

第二にはやはり、安全保障上の懸念です。

悪意のある国・外国人などいないと信じたいところですが、残念ながらそれは理想論で、私は外交安全保障においてはリアリズムに立ちます。

「外国人が大挙して押し寄せて、自治体を乗っ取るなんて夢物語だ」
「地方政治に国防や安全保障に関わることなどない」

という主張は短絡的です。外国人参政権が離島などの小さな自治体に広がっていけば、かなりの権限を外国人住民が持つことは現実的にありえます。

また地方自治が所管する業務には、警察消防はもちろんのこと、自衛隊との連携事務もあります(周辺事態安全確保法や国民保護法に、地方自治体やその長の役割が明記されている)。

そして沖縄の基地問題を見ても、直接の決定権は地方自治体にないまでも、国政に対して住民投票が一定の影響力を持っていることは明らかではないでしょうか。

これらに加えて今回の武蔵野市のケースでは、外国人参政権が先の市長選挙ではまったく争点・公約になっておらず、市民への告知もずさんだった問題点が繰り返し指摘されています。

最終的には武蔵野市議会が議案に対して結論を出すことになりますが、仮に可決ということになれば、他の自治体へ波及していく可能性もあることから、私もいち政治家として懸念・反対の意見を表明するものです。

一方で、様々なバックグラウンドを持つ方が日本国籍を取得し、多様な意見を参政権を通じて届けていくことには当然賛成であり、複雑すぎる帰化手続きを簡素化・合理化していく改革も同時に進めていかなければなりません。

武蔵野市民の方々はもちろんのこと、多くの皆さまにもこれを機会に参政権や帰化を巡る諸問題に関心を持っていただければ幸いです。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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