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映画「宮本から君へ」助成金の不交付問題、まず決定プロセスの会議録を公開すべし

日々のこと

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

明日22日の祝日を挟むため営業日が少ない今週、本日は党部会主催の合同レクチャーに加えて、文化庁から映画「宮本から君へ」助成金不交付問題についてヒアリングを行いました。

映画「宮本から君へ」に内定の助成金、出演者の不祥事を理由に不交付
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20191018-OYT1T50288/

これは助成金の交付が内定していた映画に、覚醒剤使用で逮捕されたピエール瀧氏が出演していたことから、「国が薬物を容認するようなメッセージを発信する恐れがある」との謎理由で不交付を決定したものです。

さらにはこれを契機に今後、「公益性の観点から不適当と認められる場合」は内定を取り消せるように交付要綱を改正したというのですから、恣意的な判断で交付・不交付を左右し、表現の自由を萎縮させるのではないかとの懸念が関係者に広まっています。

私自身の所感からまず申し上げれば、今回の不交付決定は明らかにやりすぎだと思いますし、表現の自由という観点から現時点では到底納得できません。

今回に日本芸術文化振興会(文化庁所管の独立行政法人)の決定について、文化庁からは

・助成が内定していたものが「交付に至らなかった」だけで、交付を取り消したわけではない
・要項の改定については、「重大な違法行為があった場合」等とも追記したので、恣意的な濫用はない

等の説明がありました。

しかし、まず前者は「内定していたのに不公布が決定された」前例はないとのことで、交付取り消しではないとはいえ、今回の対応が異例かつ踏み込んだ対応であることがわかります。

後者については、じゃあ何をもって「重大な違法行為」とするのかが、結局のところ不明瞭です。懲役刑なら重大なのか、執行猶予なら許容範囲なのか。

例えば製作者サイドが出演者を覚せい剤常習者と知った上で、覚せい剤を広めるような作品を撮ったのであれば、かなり悪質な違法行為であると思います。

でもそうでない(知らなかったし、内容も関係ない)なら、助成金の交付を取りやめるほど重大な違法行為だとは「私は」思いません。

このように、結局は判断する人の恣意性が介入することになり、際限なく広がっていく恐れがあります。

出演者の行為によってそれができるなら、叩けば埃が出ない人は少ないわけですから、理由をこじつけて内容が気に食わない作品への助成金を差配できる可能性が否定できません。

よって本日のところは、日本芸術文化振興会を所管する文化庁に対して、今回の決定がなされた会議の議事録を要求させていただきました。

前例がないことに踏み込んだわけですから、さすがに日本芸術文化振興会の中でも賛否の議論があったはずです(推測)。

外部専門家の意見も含めて、議論が行われた会議の内容・出席者などを詳らかにしていただき、なぜこうした判断が行われたのか・今後にどのような影響があるのかを、しっかりと検証したいと思います。

そして将来的には、天下り人事などを排した、単なる助成団体ではない諸外国並の「アーツカウンシル」を、日本にも整えていくべきだと思います。

このあたりはまた、続報とともにお知らせしていきます。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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