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労働組合書記長から公開討論の申し込み→一方的なキャンセル…。都立病院について開かれた議論を!

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

先月の決算特別委員会では、都立病院の独立行政法人化について重点的に質問し、ブログでもその旨を取り上げました。

大阪市民病院の改革に続け!毎年約400億円赤字の都立病院は、速やかに独立行政法人化を
https://otokitashun.com/blog/daily/19109/

基本的に公立病院の独法化に強く反対するのは、「公務員」という身分を失う可能性がある労働組合の方々です。大阪の事例でも、労働組合との折衝が一つの山場であったと聞きました。

よって当然、労働組合の関係者からの反発が出ることは予測していたのですが、予想以上に熱烈な反応がありました。

「都庁職病院支部」とは都庁職員で構成される労働組合の一つで、上記は彼らが発行している機関紙です。「おときた都議はフェイクニュースを拡散するな!」と、激しい文言が踊っています。

病院支部声明(2018年11月6日)
http://www.t-byoinsibu.jp/statement/statement181106.html

現在も彼らの公式HPトップに、上記バナーと声明文が大きく掲載されています。

さらには、都庁職病院支部の書記長・大利英昭氏の名義で、公開討論の実施を求める内容証明便が事務所に届きました。

都庁の労働組合書記長から、現職都議会議員が公開討論会を申し込まれる日が来るとは…!これは都政史に輝くエポックではないでしょうか。

大利書記長、Twitter上でも複数回に渡って宣戦布告(現在は討論会に関わる書き込みはすべて削除されてしまったようなので、たまたま残していたスクショにて)。

もちろん私はフェイクニュースを拡散したつもりは毛頭ありませんし、異論反論を戦わせて公の場で議論することは大歓迎です。

書面を確認した直後、Twitter上で公開討論会の実施を快諾いたしました。

数日して「手紙が返ってこない!」と投稿していた大利書記長に対しても、引用RTとリプライできちんとご連絡。

そして内容証明に同封されていた返信用封筒にて、要望通りの反論文と討論会詳細の提案を返送するべく着々と準備を進めていたところ…

昨日26日に急展開!

下記の内容証明便が再び事務所に届きました(連休前は不在で受け取れず)。

うーん…。あれだけ強気一辺倒だった大利書記長に、一体なにがあったのでしょうか??

公開討論会を申し込みことが「失礼」にあたるはずがありませんし、むしろ機関紙で激しく攻撃した後、反論・討論の機会を与えていただけるのはとてもありがたいことだと思っています。

公式ホームページに未だに声明文が掲載されていることから考えて、特に自分たちの主張を取り下げるわけではなさそうですから、公開討論会の申し入れだけを取り下げるというのは腑に落ちない対応です。

大利書記長らがフェイクニュースと糾弾された「赤字400億円」については、後段で一通りの反論をしておきますけれど、お互いがブログと機関紙で一方的な主張を展開するより、公開の場で面と向かって議論をした方が、都民にとっても非常にわかりやすく有益な機会になるのではないでしょうか。

「執行委員会として決定した」と大利書記長は述べておられますから、この対応は機関決定であって、個人の独断だったということもないはずです。

改めまして東京都庁職員労働組合病院支部・大利書記長には、従前の通り公開討論を実施されることを求めたいと思います。

残念ながらこれほど大体的に展開した申し入れを取り下げるということであれば、この短期間にいかなる理由・事情でお考えが変節されたのか、都庁職員や都民にもわかるようにご説明いただくことを強く要望いたします。

下記に「赤字400億円」がフェイクニュースとする大利書記長らの主張への反論を記載するとともに、公開討論会実施についての回答をお待ちしております(本件は後日、郵送でもお送りします。都庁内の事務所にも行こうかな?!)。

それでは、また明日。

都庁職病院支部
大利英昭書記長

「400億円赤字」は事実無根であり、私の言動は都議にふさわしくないとする都庁職病院支部の執行委員会声明、とりわけ

①一般会計からの繰入金は赤字ではない
②都立病院の運営で生じた赤字を埋め合わせるために一般会計から補填が行われているわけではない

とする主張に対して、以下のように反論いたします。

【1】

平成30年1月の都立病院経営委員会報告のP5において、

「不採算となる行政的医療にかかる経費について、地方公営企業法に基づき、一定の基準を定め、一般会計からの繰入れを実施している。」

との記載があります。「不採算」であるから「一般会計からの繰入れ」が起こると、病院経営本部が委託した委員会は説明しているわけです。

「不採算」とは日本語の意義上「赤字」のことであることは自明であり、よって「一般会計からの繰入金は赤字ではない」という主張は成立しないと考えます。

【2】

平成29年8月1日の第3回都立病院経営委員会「今後の都立病院の経営力向上に向けた取組」に関する検討部会において、大道部会長は、

「一般会計からの繰り入れ、繰り出し、その上で法に基づいてしっかりと会計的にも処理をして今日があるわけで、その部分のところを外から見ると赤字だと。都立病院は400億の赤字だと、こういうふうに見られざるを得ないような側面もなお今の段階であるということの認識は共有したいと思います。」

と発言されています。

私は都民に選ばれた都議会議員という、まさしく「外から」の立場で、一般会計からの繰り入れは赤字であるという認識をもっています。

それについて病院経営委員会の部会長も認めるところであり、ここからも「一般会計からの繰入金は赤字ではない」という主張は成立しないと考えます。

【3】

〈一般会計からの繰入金は「地方公営企業法及び総務省通知『地方公営企業繰出金について(通知)』に基づき」繰り入れられている。〉

とされる主張はごもっともです。そこで総務省通知を見ると、例えば高度医療に要する経費の繰出しの基準につき、

「高度な医療の実施に要する経費のうち、これに伴う収入をもって充てることができないと認められるものに相当する額

とされています。「収入をもって充てることができない」とは日本語の意義上、赤字のことであることは自明ではないでしょうか。

よって、「都立病院の運営で生じた赤字を埋め合わせるために一般会計から補填が行われているわけではない」という主張は成立しないと考えます。

【4】

そもそも黒字・赤字というのは、決まった定義があるわけではなく、「一般会計の繰り入れを除いた医療収支で判定する」という定義で表現することに何ら問題はないはずです。

「一般会計からの繰入金を除いた黒字・赤字」という存在があることについては、病院経営本部が設置した研究会においても表現されてきたものです(例:2016年 10月東京自治体病院経営研究会)。

加えて厚生労働省も長年、病院経営収支調査などにおいて、医業収支をベースとして黒字・赤字の判定をしています。

以上のことからも「都立病院400億円赤字」という表記は、都民代表である都議のブログ上の表現として何ら問題のある表現ではないと考えます。

上記4点を、貴職らの主張に対する差し当たっての反論とさせていただきますが、ぜひとも直接意見を交わす公開討論会を実現していただくことを重ねて要望いたします。

以上

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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