こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
本日も都議会最終日について報告をば。今回の定例会では、共産党都議団から2本の議員提出議案が出されていました。そのうちの一つが「マタニティパス条例」。※条例名は略称です
子育て世代・妊産婦を支援するため、現在都内の基礎自治体のいくつかが実施している「マタニティパス」に東京都が財政支援を行い、その普及を行うというものです。
23区では例えば、葛飾区などですでに実施されています。
マタニティパスを交付します。(葛飾区HP)
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000050/1001803/1015907.html
確かに子育て世帯はいくらお金があっても足りませんし、特に病院などに通うことになる妊産婦に対して、何らかの支援を行いたいという気持ちは誰しもあると思います。
しかしながら、ここは立ち止まって「果たしてその支援方法は、マタニティパスなのか?」ということを考えなければなりません。
上記の葛飾区の事例を調べたところ、「交通費」の支給方法はICカードに5500円分の金額をチャージするというもの。
このため、果たしてその支援金が「交通費」に充てられているのかどうか確認することはできず、制度的欠陥があることがわかりました。
これでは支給された方々は喜びますが、その政策効果を計ることができません。こうした福祉政策のことを、一般に「バラマキ」と言います。
こうした政策に安易に都が助成金を出す条例案には賛成することはできず、「若年層・妊産婦を支援したい」という考えには敬意を払いながらも、反対の議決をしたものです。
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同様のことが、やはり共産党都議団が頻繁に提出してくる「給食無償化」条例案にも言えます。
財源の裏付けある政策提言を行うことこそ、責任ある政党の務め https://t.co/veoVOFm042 #amebaownd
— 斉藤れいな(都民ファースト南多摩)事務局 (@saitoreina_info) 2018年10月7日
都民ファの斉藤都議なども指摘されていることですが、「給食無償化」は聞こえこそ良いものの、その費用対効果には大きな疑問があります。
私自身も給食を無償化するより、低所得層に限って「教育バウチャー」を支給した方がはるかに政策効果が高いと考えておりますので、典型的な「バラマキ」である給食無償化には反対の立場です。
こうしたバラマキ政策を掲げる候補者を品川区長選において都議会第一会派・都民ファーストの会が積極的に応援し、実際に所属都議が給食無償化賛成を明言したときは大きな危惧を覚えましたが、同じ会派内に良識的な考えを持つ議員がいたことには安堵するものです。
第一会派主導で東京都が「バラマキ」政策に手を出してしまったら、その影響は計り知れないものになりますからね…。
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ただ、共産党都議団の毎定例会、しっかりと自分たちの主張を「条例案」として提案してくる姿勢は素晴らしいなと思っています。議員提案に必要な議席数を持っていることは、率直に羨ましくもあり。
私がかつて所属していた会派も、都議選では「議員提出条例」を積極的に提出することを公約し、公約達成のためにはほぼ毎定例会のペースで条例案を提出しなければならないはずですが、未だに提案したのは1つのみに留まります。
様々な会派がそれぞれの立場から「議員提出条例案」を出すことで、今後も都議会における政策論議が活性化されることを望むものです。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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