こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
従業員を雇う飲食店では店の規模にかかわらず、屋内を原則禁煙にするなどとした東京都の受動喫煙防止条例が都議会で、都民ファーストの会や公明党、共産党などの賛成多数で可決・成立。都は条例を段階的に施行し、東京大会を前にした再来年4月に全面的に施行する方針。https://t.co/EVH9QRTScy
— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) 2018年6月27日
本日は都議会本会議の最終日。受動喫煙防止条例を始めとする知事提出の全議案が可決され、無事に閉会いたしました。
受動喫煙防止条例に関する過去ログはこちら。
http://otokitashun.com/tag/%E5%8F%97%E5%8B%95%E5%96%AB%E7%85%99%E9%98%B2%E6%AD%A2%E6%9D%A1%E4%BE%8B/
ここまでも度々取り上げてきた受動喫煙防止条例については自民党以外の会派が賛成。自民党は最後まで反対する姿勢を貫いたようです。
採決前の「討論(各会派の意見表明)」はかなりヒートアップ。自民党と公明党が大きな声でヤジりあうという、前期だったら考えられないような光景も見られました。
知事提案の受動喫煙防止条例を引っ張った都民ファースト・公明党のロジックはだいたい一緒だったのですが、「人(従業員の有無)に着目した独自の規制基準を評価」としながらも「加熱式タバコの取り扱いは、混乱を避けるために国の法案に準拠することが妥当」という主張に対して、
「矛盾してるじゃないかっ!!」
と自民党サイドから大きなヤジが飛んでいました。
これは確かにそのとおりで、もはや「従業員の有無」という法案とまったく違う切り口で規制をするのであれば、加熱式タバコの取り扱いだけ国に合わせる必要はほとんどないはずです。
結局のところ加熱式タバコの取り扱いが緩和されたのは、業界団体との利害調整・政治的妥協の結果に過ぎず、この壁が突破できなかったのはやはり残念ではあります。
また、国の法案にほぼ合わせた都議会自民党案の内容を批判する公明党に対して、
「(国の法案は)誰が作ってるんだよ!!」
と自民党議員が大声で言い返していたのも印象的でした。
確かに国の「骨抜き法案」に加担しているのは、国政では政府与党である公明党ですからね…。
この東京都の条例制定を契機に、国政での対応にも大きな変化が起こることを願ってやみません。
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本条例案の可決に伴い、都内の飲食店は一部の例外を除き2020年4月から禁煙となります。
喫煙環境の整備や条例内容の周知徹底のため、施行まであと2年弱が必要となりますが、政治家になる以前からこの問題に着目してきた身としては非常に感慨深いものがあります。
とはいえ、これまで何度も繰り返し指摘してきた通り、この条例はまだまだ理想的なものとは言えません。
加熱式タバコの取り扱いを始めとして、この内容をさらに完成形に近づけていかなければなりません。
一方で喫煙者の権利を守るため、屋外喫煙所の整備などをしっかりと支援し、加速していく必要もあります。
双方の面から受動喫煙防止施策が速やかに進むよう、引き続き都議という立場から尽力して参ります。
それでは、また明日。
■以下、閉会にあたっての幹事長談話■
平成30年 第二回定例会を終えて【幹事長談話】
かがやけTokyo幹事長
おときた 駿
本定例会では受動喫煙防止条例を始め、都政の重要課題に対する活発な議論が行われました。
「人を守る」という観点から、従業員がいる飲食店の原則屋内禁煙を柱とした受動喫煙防止条例は、国の法案が著しく後退する中で、禁煙対象を八割以上にまで適用する画期的なものと評価いたします。一方、加熱式タバコの取扱については知事が当初示した案より後退し、規制対象外となった点は極めて遺憾であり、健康影響に対する迅速な調査と、遠くない時期の条例改正を強く望むものです。
本条例案の審議にあたっては参考人招致が行われ、また修正案の提出に伴い議員間での質疑応答が活発に行われるなど、議会のあるべき姿・あたらしい議会の息吹が感じられました。しかしながら、議員提出された修正案は否決され、最終的には修正も付帯決議もされずに、知事提案に追随する結果となりました。都民の関心が高く、知事提案が後退した本条例案こそ、とりわけ加熱式タバコの規制強化などにおいて、議会側が民意と政策立案能力を示すべき案件であったのではないかと思えてなりません。知事提案の条例内容を、国に先駆けたものとして一定の評価・賛成をすると同時に、今後の条例改正に向けては、議会側も主導的な役割を担うべきであることを申し述べるものです。
虐待防止については、知事が「通常の査定と切り離した優先措置による児相体制強化、副知事をトップに据えたプロジェクトチーム設置、都独自の虐待防止条例制定」を決めたことは評価する一方で、警察との虐待事案の全件共有に踏み込まなかったことは残念です。かがやけ東京は本年3月に発生した目黒区・5歳女児虐待死事件の直後から、その重大性に気づき、第一定例会から問題提起をしていた唯一の会派です、虐待死ゼロに向けては、情報全件共有を含めた抜本的な対策が速やかになされるよう、引き続き知事及び関係各局に要望していきます。
障害者差別解消条例の制定も大きな前進であり、「障害の社会モデル」という概念を明記している点を評価いたします。一方で、規制対象を行政と事業者に限定している点、差別や権利侵害の定義や例示をしていない点、あっせんの対象となる事案について、「都民への影響が大きい事案」でなければならないという障壁を設けている点が懸念されます。また一般質問における手話言語の普及に関する答弁においては、小池知事が「言語としての日本手話」と「日本語対応手話」の違いを正しく理解していない様子が見られました。情報保障の進展を含む本条例の運用については、今後も厳しく注視して参る次第です。
定例会直前に大きな動きがあった豊洲市場移転問題・千客万来施設の着工については、いまだ全容が明らかになっておらず、地元自治体の理解も得られていない状態です。あやふやな状態で暫定事業が成功するとは到底思えず、新たな追加支出が発生することも看過はできません。知事の政治判断によって都民負担が発生した明確な失政については厳しく追及しつつ、暫定事業の全容と築地再開発の計画を早期に明らかにされることを強く求めます。
かがやけTokyoは少数会派ながら、積極的な情報発信と迅速な問題提起で世論を喚起し、問題解決の先鞭をつけてきたと自負しております。引き続き、小池知事および都議会各会派に是々非々の立場で対峙し、東京大改革と議会改革の実現に向けて尽力して参ります。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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