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「男女候補者均等法」だけでは変わらない。本丸は日本の選挙事情・政治的風土そのものだ

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

「男女候補者均等法」成立 選挙で政党など自主的取り組み
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180516/k10011440341000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_005

モリカケ問題で明後日の方向に突っ走っている国会審議ですが、その最中に「男女候補者均等法」が全会一致で成立したようです。

あくまで選挙における政党の「努力義務」に留まるものの、女性議員を増やそうという意思が明確に示されたことにはそれなりの意味があると思います。

一方で私としては、この法律制定だけに留まるならば残念ながら効果は極めて薄いだろうとも感じています。

いくつか上記に抜粋させていただきましたが、自民党の小野田衆議院議員も、

「政党の公募において女性候補が不利ということはない」
むしろその勤務環境から、やりたい人(できる人)がいないことが問題

と指摘しています。

私としてはこの問題のほとんどは、すべての入り口である「選挙」に集約されると思っています。

まさしく選挙は、24時間どれだけの肉体的・精神的リソースをつぎ込めるかが勝負です。

公職選挙法では選挙期間は◯◯日(選挙種別によって異なる)、選挙活動の時間は8時から20時までと定められているものの、それを守っている人はほとんどいません。

朝8時以前や夜20時以降も「あいさつ活動」と称して駅立ちが可能ですし、そもそも選挙が始まる前に事前にどれだけ「政治活動」を行えるかが事実上の勝負の分かれ目です。

始発から終電まで駅に立ち続ける長時間駅頭キャンペーンや、数万件にも及ぶ足を使った戸別訪問。

こうした体力勝負・根性論の選挙戦略が「定石」とされている政治の世界に、どうやって子どもを持つ女性が挑戦しろというのでしょうか?

もちろん女性やママ候補は、その希少性から選挙で浮動票を獲得しやすい面があり、勝てないというわけではありません。

しかしながら当選後も、政治家の仕事は夜の会合に土日の催事出席。それらもほぼすべて「次の選挙」のため

家庭や育児を理由に欠席すれば、「地元活動が足りない」「あいつに次はない」と酷評され、心が折れそうになっている女性議員も少なくありません。

なので、この究極の消耗戦ともなっている「日本型選挙」の問題に切り込まない限り、どれだけ法律で努力を促して政党が頑張っても、自ずと限界があることは間違いありません。

形骸化している公職選挙法の内容や運用を改めていくのは勿論のこと、そもそも露出量ではなく、政策論争が投票基準となるような政治的土壌を醸成していく必要があります。

有権者側の意識にまで踏み込むこの改革は容易なことではありませんが、選挙においても公開討論会を制度的に増やしていくなど、まだまだテクニカルにすぐできることはあるはずです。

今回、「男女候補者均等法」が単純にジェンダーの話に留まるのではなく、こうした我が国の「選挙事情」「政治的風土」改善の話しにまで広がり、議論が喚起されることを願ってやみません。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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