こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
本日でいよいよ都議会本会議も終了となりまして、賛否が別れた一般会計予算案や迷惑防止条例改正案などが議決されました。
『都の新年度予算 賛成多数で可決』(NHK)首都圏ニュース。https://t.co/Icj4QtLRPm → 待機児童・超高齢社会対策など、「人」に焦点を当てた新年度予算が成立しました。賛成された会派の皆様に感謝です。残念ながら、自民は2020大会予算を含め、都民のための予算案に反対されました。
— 小池百合子 (@ecoyuri) 2018年3月29日
予算案反対の自民に小池都知事「大義なく表明残念」(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201803290000709.html
小池知事や知事与党は、予算案に反対した会派に対して「大義がない」というレッテルを貼ることに躍起になっているように見えます。
一般会計予算案には、五輪や防災、福祉など都民のために必要な予算が組まれている。それを全否定するとは何事だ!と。
大前提として、それを判断するのは都民であって、予算を編成した知事自身が声を大にして言うことではありません。
その上で、私はこの予算案に入っている必要不可欠な項目を「人質」かのように賛成を迫るスタンスは、2つの意味で間違っている思います。
まずそもそもの構造として、一般会計はその規模約7兆円の中に広範なものが含まれ、それを一括審議・一括採決される仕組みになっています。
(都議会自民党・記者会見資料より)
例えば都議会自民党は、あくまで反対しているのはこの中の部分的なものだ、というロジックを取っています。
知事はこれを敢えて捻じ曲げようとしているわけで、「反対理由から意図的に目をそむけようとしている」というのが一点。
加えて私は(ここは我々と自民党との違いだと思いますが)、「都民生活に必要不可欠な予算案が入っているから反対するべきではない」という考え自体に違和感を覚えます。
その理屈を突き詰めて「賛成」が前提になると、議会で審議を尽くして賛否を明らかにする意味がなくなってしまいます。
1300万都民を代表して、127名(1名欠員中)の都議がいるのですから、様々な考えがあるのは当然のこと。
組まれた予算案の方向性や中身に懸念があれば、強い警鐘を鳴らす意味で反対することもありえるはずです。
そうした緊張感の中で、いかに全会一致に近づけていくのか。あるいはゴリゴリの改革予算を出して、過半数が取れれば良いと割り切って突き進むのか。
そのギリギリのせめぎ合いの中でこそ、予算や議案が洗練化されていくのではないでしょうか。
それを「反対のための反対だ」「政局だ」「都民の敵」とレッテル貼りをするだけでは、建設的な前進はなかなか難しいように思います。
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私自身は小池知事が、対話チャネルを開いて全会一致を目指すのでもなく、鋭い改革予算を出すのでもなく、「とりあえず過半数を確保する」ためだけに改革姿勢がブレており、キャスティングボートを握る政治勢力の影響力だけが増していることを強く危惧しています。
知事与党が議席で単独過半数を割っている以上、様々な政治勢力と対話できるチャネルをもっているか、強引にでも議案を通せる高い支持率をキープしていない限り、知事及び知事与党の交渉力は極めて低いものにならざるを得ません。
今回、賛否が別れて議会が活性化したこと自体は、決して後ろ向きなことではないと思います。
そして予算案に反対した我々も、未来永劫、小池知事の姿勢に反対姿勢を貫くわけではありません。
複数の政治勢力と駆け引きを行うことで、改革を前に進める方法もあるはずです。
小池都政の後半戦は、様々な思惑が交差するものになりそうですが、都民に約束をした真の東京大改革が実現されるよう、引き続き全力を尽くして活動して参ります。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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