こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
徹夜国会でいわゆる「共謀罪」法案が成立し、今朝の街頭活動では地方議員の私に対しても、「とんでもない国会だな!」と感想を述べてくる方が多数いらっしゃいました。
委員会審議を省略するという強引な手法は与党内からも反発を招きましたが、そこまでして国会延長を認めずに強引にクローズしたのは、世間で言われているようにやはり、「加計学園」問題への追及をかわすことが主な目的でしょう。
<加計学園>文書一転「あった」 不自然、苦しい説明
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170615-00000117-mai-soci
以前に駒崎弘樹さんの記事に言及しながらTwitterでも述べた通り、加計学園への獣医学部新設はおおむね妥当なものであったと感じています。
加計学園問題、国家戦略特区が悪いのではない(駒崎弘樹) – Y!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/komazakihiroki/20170606-00071771/
政治家の介入、という点については、岩盤規制打破のために政治的意思を発揮することこそが国会戦略特区の意義であって、そこを問題視するならばそもそも、国家戦略特区自体の否定につながります(実際に、つなげている野党もあるわけですが…)。
しかしながら本件は、政府および自民党がその隠蔽体質をいかんなく発揮し、初動対応を完全に誤ったとしか言いようがありません。
冒頭に引用した新聞記事の通り、「総理のご意向」などが示された文書を「怪文書」であると断じ、「内部調査をしたが、発見できなかった」と言い放っておきながら、世論からの突き上げをくらって再調査を行い、出てきた結論がこれです。
これではいくら国家戦略特区のやり方に「問題がなかった」と主張しても、著しく説得力を欠くのは仕方のないことです。
都政の隠蔽体質と同じ構造ですが、とにかく自民党や官僚たちは、国民・都民・有権者を「信頼していない」のでしょう。
「包み隠さず情報公開なんてしたら、大変なことになる」
「余計な文書なんて出したら、どう受け取られるかわからない」
彼らはそう考え、また自分たちなら「隠し通せる」と過信した。ですがこの情報化により文書もデジタル化する時代に、本当にあったものを最後まで隠し通そうとするなんて不可能です。
一事が万事ですから、こうした隠蔽体質・隠滅行為が政府与党の間で横行していると捉えられるのはやむを得ないでしょう。
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民間企業の消費者対応でもまったく一緒ですが、疑惑を向けられた時に取る最善の一手は、「包み隠さず情報を出すこと」です。これ以外にはあり得ません。
今回、政府・自民党はその対応を誤ったことで、本来であれば情報を開示して、
「どこに不正があるんですか?不正があるなら証明してみせなさい!」
と言っていれば良い立場だったのがすっかり逆転して、隠そうとした理由がないというなら、不正がなかったことを証明しなければならない立場に追い込まれました。
そしてその劣勢を悟っているからこその、強引に国会を閉じるという手段に出ざる得なかったわけです。
しかしながら、民主主義社会にとって最も重要な「情報公開」のあり方を正すためには、本件をこれで終わりにするわけにはいかないと思います。
国政でも都政でもいま、「情報公開」が問われています。為政者が情報を隠そうとすると、有権者との信頼関係は失われ、国や社会が不安定になることは間違いありません。
今回の一連の行為に鑑みながら、引き続き都政で改革勢力の伸長と、さらなる情報公開の徹底を求めていく所存です。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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