こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
いつも冷静なご意見を下さるフォロワーさんから下記のような指摘を受け、自分の考えも整理してお伝えしたかったところなので、今日は「政治理念と政治判断(仮題)」について書きたいと思います。
はっきりとモノを言うのがおときたさんの良さなのに、「他人の選挙」で自分の良さをスポイルしちゃだめだぜ、「幹事長になったから、会派の将来(選挙)を見据えて、この判断をしている」でもいい、もっと具体的に説明しないと。 https://t.co/ZoKGXZRjYy
— またたびおーら (@mataroviola) 2017年1月31日
政党所属(みんなの党)
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無所属
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政党所属(日本を元気にする会)
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無所属
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政党所属(地域政党・都民ファーストの会)
という変遷を辿ってきた私のキャリアですが(3年半にしては多い…)、やはり組織(政党)に所属しているときと、無所属で個人で活動しているときでは、情報発信や政治活動そのものの質が変わらざる得ないのは正直なところです。
まず大前提として、自分の政治理念・信条・政策と100%すべてが合致する政党はありません。
あるとすれば、それはほぼ独裁体制を敷いて自分が代表を務める場合だけでしょう。
政党に所属する場合、自分の政治活動や情報発信はその政党の「枠内」に収める必要があり、それが「許容範囲内」であるか否かを自分自身にも、また支援者にも問わなければいけません。
さらに政党でポジションを得るようなことになれば、自分の発言=その政党の考え方そのものということになりかねませんから、どうしても発言は慎重になりますし、また時にこれまでのスタンスを軌道修正する必要に迫られることも考えられます。
一方で無所属を選択し続ければ、どこまでの自分の信念を貫いて活動することができる反面、議会や地域で影響力を持ち、政策実現をすることは困難になります(不可能ではありません)。
自分の中で折り合いをつけて、政党所属になるか。(制限がかかる一方、政策実現力などが向上する)
己の信念を貫き、無所属を選ぶか。(自由な反面、社会や議会への影響力は限定的)
「政治とは妥協の産物であり、可能性の芸術である」
私の政治家としての座右の銘の一つであり、プロイセン宰相ビスマルクが残した名言です。何を選ぶことで、より社会を良くすることができるのか。どうすれば、自分が政治家になった意義を最大化できるのか。
信念を持ってこの世界に飛び込んできた政治家たちは例外なく、こうしたある種の「ジレンマ」の中で迷いながら選択を続けているのだと思います。
そして選択を続ける中で、いつしか政治家を続けることが目的となり、その「許容範囲内」から滑り落ちたときに、人は政治家から政治屋になるのでしょう。
ここまではほぼ一般論。
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今回、私は都民ファーストの会として活動していくことを選び、また幹事長という分不相応の役職を拝命しました。
都政を変革する最大のチャンスであり、そのためには都民ファーストの会の党勢を拡大し、都議会を変えることが必要だという点には確信があります。
しかしその過程で行ったいくつかの政治判断が、「矛盾だ」「ダブルスタンダードだ」という指摘をいただいています。
例えばこちら。
音喜多氏は4つの嘘をついている
http://agora-web.jp/archives/2024186-2.html
どこかの野党党首は、遥か昔の週刊誌などを遡ってファクトチェック(事実確認、政治宣伝の真摯を確認すること)が行われていましたが、私ほどブログに日々自分の意見を書き綴っていれば、こうしたファクトチェックをすることは比較的容易ではないかと思います。
良いんだか悪いんだか。いや、良いのでしょう。
とはいえ、自分自身では一つ一つを検証する機会もなかなかないため、こうした分析・指摘をいただけることは大変ありがたいことで、まずもってこちらの筆者に対して感謝の意を述べたいと思います。ありがとうございます。
記事中の指摘のすべてを首肯するわけではありませんが、高齢多選や天下り批判などについて率直に申し上げれば、今でもそれが望ましいとは思わないけれど、その点を差し引いても総合的に資質が上であり、組織として彼を支援することがプラスだと判断しました。
有力対立陣営の背後にいる方も高齢多選の議員ですし、長い行政経験は利点にもなりえますから、これら2つの要素だけでペケをつけることはできません。
それでもこの判断を妥協・変節という方がでるのは理解していますが、都民ファーストの会として東京大改革を進めることの重要性が、今は大きく上回っています。
こうした理由付けを一度はじめると、すべての事象に対して毎回同じようなことを言ってブレまくっていくんじゃないかという疑念をお持ちになる方は多くいらっしゃるでしょうし、何よりそれは私自身も大いに懸念しているところです。
だからといって、
「高齢多選で天下り経験者の候補者なんて応援できるか!離党だ!」
「若くてフレッシュな候補者を区長にするためには、東京大改革がストップするのもやむなし」
という判断をすることが総合的にプラスだとは、現段階で私にはどうしても思えません。何より都民・区民にとっても、今回の選択肢の中であれば、都政と連携できる石川まさみ候補が当選することがもっとも利益に叶うとも思います。
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なお、もう一点に触れておきますと、
「都知事選の際に『都政を国政の代理戦争にするな』と言ったのだから、『区政を都政の代理戦争にするな』と言わないのは矛盾だ」
というご主張については、この指摘は必ずしも当たらないと思います。
私が都知事選の際にこの言葉を使ったのは、脱原発や憲法改正、あるいは野党共闘という(私から見れば)ほとんど都政に関係ない争点・枠組みを、当時の鳥越氏らが都政に持ち込もうとしたからです。
その点、今回の区長選や区政運営が都政と直結することは、先日のブログで述べた通りです。
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仮に今後、都民ファーストの会が「知事与党」として大きく成長していくことができれば、これまで無所属あるいは少数野党であった時代に自由闊達に主張してきたことが、ますます「ブーメラン」になって返ってくるかもしれません。
たった3年しかない私のキャリアですらそうなのですから、政治家を続けていけば、次々と新しい政治判断を迫られることもあるでしょう。
そこで有権者に「組織の言いなりになる信念のないヤツ」と見放されるか、あるいは自分の心が折れるか、それとも乗り越えて成長できるか…。
政党としての最終決定には従わざる得ないことはあるとしても、そこに至る党内議論において、少なからず自分の影響力を発揮できるという自負はあります。
そしてもう一つ自分にできること・やるべきことは、新しい政治判断を迫られた時、それに向き合って説明を果たすことです。昔のブログを消すような真似は決してしませんし、ファクトチェックや批判については真摯に受け止めます。
その上で、社会に有用な・信頼に足る政治家だと思っていただけるかどうか。有権者にどのような審判を下されるか。それが私が、これから迎える正念場なのだと思います。
以上、長くなった上にまだまだ不十分かと思いますが、さしあたって意見表明とさせていただきます。
引き続き皆さまに、厳しいご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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