こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
慌ただしい二泊三日の弾丸スケジュールから帰国して参りました。今回の台湾出張は若者政党「時代力量」に招かれて、先日取り上げた立法間近のLGBT問題とともに、若者の政治参加について意見交換をすることが目的でした。
初日は立法院の中に設定された、立派な会場で記者会見とシンポジウム。台湾でも若年層を中心に、インターネットによって政治参加や政治意識について変化が起こりつつあるらしく、私からは
「日本における若年層の政治参加について」
「インターネットの活用によって、日本の政治と選挙がどう変わりつつあるか」
を講演させていただきました。手前味噌ですが、まさに私の得意テーマだったので、それなりに現地の方々にも興味をお持ちいただける内容が提供できたのではないでしょうか。
そしてその日の夕方には、複数の新聞や一部のテレビでもニュースになっていたようで、驚きました。
日本と正式な国交のない台湾では、国会議員のみならず地方議員でもその来訪にかなりのニュースバリューがあるそうです。
以前に新潟の県議会議員が視察に来た際も、「地方」という部分が省かれて「日本の議員が訪台!」とニュースになったとか…。
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中国と間で複雑な歴史を持ち、統一と独立の間で政治が動き続ける台湾は、一見するとその危機感から多くの人が政治参加に積極的なように思えます。
実際に2014年に起きた若年層を中心とした政治ムーブメントである「ひまわり学生運動」は、世界的にも大きな話題になり、日本の市民運動にも大きな影響を与えました(もっともひまわり学生運動の当事者たちも、「日本の市民運動を参考にした」と述べており、良い意味での循環影響が起こっているようです)。
しかしながらやはり、台湾でも若年層の「政治離れ(低投票率)」「政治不信」は、日本同様に深刻な課題であるそうです。
そこで彼らも、インターネットによる情報公開・政治活動の透明化に非常に大きな期待を寄せています。印象的だったのは、
「台湾の政治家は、選挙前になるとどこからともなく現れてくる」
「普段は何をしているのか、ほとんどわからない」
という話でした。まったく日本と同じ状況です。
むしろ日本の政治家の場合、冠婚葬祭や地域行事にこまめに顔を出して、地元に密着しているだけマシなのかもしれません(台湾は日本以上に、選挙区を変更する「落下傘」候補が多いとのこと)。
そして台湾の場合、あまりにも政治=中国との関係というのが強すぎるために、選挙前になると
「あの政治家は統一派か、独立派か」
という点にばかり注目が集まり、その他の政治家個人の政策や政治信条・人格などがあまり考慮されないそうです。
こうした「政治家個人の顔が見えない」「メイン争点以外の政策がわからない」という状況を打破するために、時代力量を始めとした若年層はインターネットによる情報発信にその活路を見出そうとしているわけですね。
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二日目は時代力量の党本部を訪問し、党主席である黄国昌氏と直接の意見交換。30分の予定が1時間を大幅に上回る時間を割いていただけました。
黄国昌主席はアメリカや日本などに留学経験のある台湾知識層で、彼の人となりについてはこちらの東洋経済のインタビュー記事が詳しいです。
台湾政界の風雲児「時代力量」トップを直撃
http://toyokeizai.net/articles/-/102530
話題は多岐に渡りましたが、印象的だったのは
「台湾政治は変わりつつある。しかし、本格的な変革には、世代交代のためにあと10年はかかるだろう」
という見解でした。台湾では「外省人」と言われる、蒋介石ともに中国本土からやってきた勢力がいまだに隠然たる力を固辞しており、その中心世代が60代~80代に数多く残っているようです。
その世代がいなくなれば政治のパワーバランスが変わって、一気に台湾政治が動き始めるだろう、と。
…これもなんだか「団塊の世代がいなくなれば、劇的に変わるのでは」と言われている日本政治の状況に酷似しているように感じました。
確かに待っているだけでも、世代交代によって価値観とともに社会は変わっていくかもしれない。しかし、それだけで良いのだろうか。もっとポジティブに、能動的に、社会をより良い方向へと加速度的に変えていきたい…。
そうした強い想いが、時代力量や私たち若手政治家のエネルギーの原点であるように思います。
「これまで日本との政治関係とは、すなわち自民党との関係を意味していた。でも、時代は変わりつつある。次世代の、自民党ではない新しい政治勢力と関係を持っておくことが重要だと考えた。それが今回、あなた達を招いた理由の一つだ」
そのように語ってくれた黄国昌主席。
「私は20年以内に総理大臣になりますので、期待していて下さい」
と大見得を切っておきました。まあ、私は本当にそう思っていますので?!
これまでの既成概念に囚われない、新世代の政治家同士が外交関係を結べた時、また台湾と日本は新たなステージに立てるような気がしています。
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その他にも台湾の歴史に触れ、現地事情を学び、本当に実りある二泊三日の台湾滞在でした。今後もさらに台湾に対する知識を深め、その外交関係についてはしっかりと注視していきたいと思います。
なお完全に余談ですが、日本の某野党党首に対して、台湾人の方々の評価は最悪に近かったです(苦笑)。
今回の台湾訪問をアレンジしてくれた高崎商科大学の萩原豪先生、ご一緒したLGBT当事者議員の石坂わたる区議、そして時代力量と台湾で出会ったすべての皆さま、本当にありがとうございました!
本当に皆さま親切・親日的で、初日に1万円両替したお金、半分しか使わなかったです(笑)。
また近い将来必ず、この残りのお金を使うためにも台湾を訪れたいものですね。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 2016台湾訪問