こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
明日からの本会議に先立ちまして、今日は総務委員会が開催されました。議案の説明に加えて本日の目玉は、あの「舛添問題」集中審議の際に要求していた資料についての質疑時間が設けられていたこと。
6月13日の「舛添問題」集中審議の際、私たち総務委員会所属の議員たちは委員会の権利として
「これまでの公用車利用のスケジュールすべて」
「舛添知事が政治資金で購入した美術品の目録」
「ホテル三日月の明細」
等など合計で100点以上の資料を請求しており、公式に返ってきたのが本日。それに対する質疑を行うのが、今日の委員会だったというわけですね。
マスコミの注目度は高く、地上波のほぼすべてのカメラと新聞各社が取材に入っており、早速記事にもなっていました。
舛添氏、資料提出拒む…政治資金使い道(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160928/k00/00m/040/083000c
総務委は舛添氏の辞職直前の6月に資料143件(重複や取り下げも含む)を出すよう請求したが、政治資金の使い道に関する資料に関しては舛添氏が協力を拒み、提出は33件にとどまった。
(中略)
一方、舛添氏の政治資金の使い道や購入した美術品に関する資料は一切提出されなかった。舛添氏側が「市民団体に刑事告発されており、捜査に支障を来す恐れがある」と提供を断ったという。(後略)
(上記記事より引用、強調筆者)
しかしながらこの通り、舛添前知事個人が関わるものについてはことごとく資料提出が拒否され、残念ながら本日の委員会では「海外視察」「公用車の利用ルール」など、都の事務的な手続きに関することが主なテーマとなりました。
こうした状況から始まった各会派の質疑では、最大会派の自民党が
「この問題を受けて今後どのように再発防止や改善に努めるか、建設的な提案をしていきたい(要約)」
というスタンスを取ったのに対し、前知事を支えてきたもう一方の公明党は
「資料要求がことごとく拒否されたことについては、とうてい納得できない」
「都はどのように舛添前知事に資料提出を要請したのか。要請文章などの記録は残っているのか」
(いずれも発言要旨)
など、厳しい姿勢で「この問題は未解決である」という姿勢を滲ませ、対応が分かれたことが個人的には印象的でした。
私としても勿論、この問題は「未提出」で済ませられる話であるはずがなく、舛添前知事にかかる疑惑については今後も議会として究明していく機会の担保を求めたところです。
■
さて、私が本日の質疑で中心的に取り上げたのは、やはり個人的にも当初からずっと追及していた海外視察経費について。
この資料要求で「黒塗り部分を取ったもの」が開示され、その予算立てがあまりにもずさんだったことは、以前にもブログでお伝えした通りです。
東京都と舛添要一氏がひた隠しにした「黒塗り資料」がついに一部公開!海外出張予算、その驚愕の内容とは…
http://otokitashun.com/blog/daily/12500/
当然、この点について質問をさせていただいたわけですが、いくつか象徴的な答弁が返ってきました。
ずさんな見積もり(契約予定価格)の積算根拠と、高止まりをしていた理由については、
「契約不調といった事態を避け、確実な手配をするために設定した」
…不足の事態に備えて、予算を多めに確保・設定しておきたかったという意図が透けて見えるところです。
また、ガイドの人数が多く、ときには4人も同時に稼働していた状態については、
「(随行員が多数のため)複数車両が並行して運行する中、各車両への同乗や事務局作業部屋での連絡調整など、複数の業務が同時に派生したため」
ゾロゾロと随行員を連れて行きまくって仕事を増やした結果、連絡調整のためのガイドが増えてコストが増大するという…。
そしてガイドに関連しては、知事が深夜まで会食をしている日に時間外稼働があり、こちらの理由は
「車両トラブルなどの緊急時対応等も想定し、会食中は車両内で待機していたため」
…いや、マジっすか。会食には通訳も同席していて、さらに車の中にガイドまで待機させていたんですね。。
一時が万事こんな有様で、費用が高止まりしたのはとにかく「念のため」「円滑な運営をするため」という徹底した保身と、都知事ファーストな意識が最優先した結果と言えるのではないでしょうか。
しかしながら、そのために投資される原資はすべて、言うまでもなく都民の税金です。
基本的にはすべての答弁で「批判は真摯に受け止める」「適正な価格になるよう、今後は厳しく精査していく」といった内容でしたので、これを機にぜひとも都庁全体で仕事に対する意識を変革してもらいたいと強く思います。
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なお、前回のブログで公開した資料以外にも、ロンドン・パリ出張の費用面で黒塗りが取れたものに関しては、以下にすべてアップロードしておきます。ごちゃっとしていて整理されていませんが(計3ファイル)、ご自由に閲覧・お使いくださいませ。
海外視察(ロンドン・パリ)経費・黒塗りなし(Dropbox)
目新しい情報としては、通訳単価が判明したこと。日仏で1日15万円、日英で1日18万円でした。日仏通訳は、2名稼働していた日もあったようですね。
なお、通訳費用が旅行会社への支払いに入っておらず別立てになっているのは、大使館などのコネクションを使って直接手配したことによるそうです。
また、舛添前知事が現地で行なった講演会の費用も判明。約260万円。うーん、相場がわからないので、費用対効果はなんとも測りかねるところですが…。
こうした点についての検証も、情報公開によって行われていくことが期待されます。もちろん私自身も本件については引き続き調査研究を続け、決算や予算編成の折に触れてさらなる合理化の提言をしていきたいと思います。
また本日の質疑では、都有地の韓国人学校貸与の件が白紙にしっかりと戻っていること、またその件は韓国大使館に都庁職員が直接説明に訪れ伝わっていることなども確認できました。
以下に私の質問要点を掲載しておきますので、お時間のある方はお目通しいただけますと幸いです。
本日の委員会も長丁場でしたが、いよいよ明日は本会議初日!引き続き、しっかりと自分の職責を果たしていきたいと思います。
それでは、また明日。
以下、質問要旨
総務委員会質疑(9/27)
1.韓国人学校
Q1
資料を見ると、韓国大使館とのやり取りが記録されている。内容については、外交機密に関わることなので黒塗りになることも理解できるが、差し支えない範囲でどのようなやり取りが行われたのか、要旨を伺う。
(A 財務局)
韓国大使館との関係があるため、詳細をつまびらかにすることは差し控えさせていただくが、平成27年11月、韓国大使館より都に対して、新たに定住する韓国人が増加傾向であること、関東地域では東京韓国学校が唯一であることなどが述べられ、都立市ヶ谷商業高等学校を利用したいとの要望が寄せられた。
都はこれを受け平成28年3月に大韓民国と具体的な協議に入る旨、お知らせした。
Q2
小池知事は韓国人学校への都有地貸与の撤回を表明したが、現在はどのような状況だと認識しているか、伺う。
(A 財務局)
旧都立市ヶ谷商業高等学校跡地については、白紙に戻し、地元区の意向などを十分把握し、有効活用策を検討することとしている。
今後、庁内での検討とともに、地元区とも緊密に連携し、跡地利用について検討していく。
Q3
この資料のやり取りが行われた後、韓国大使館とのコンタクトはあるか。
韓国大使館に白紙撤回の意図は伝わっているのか、伺う。
(A 財務局)
韓国大使館との関係があるため、詳細をつまびらかにすることは差し控えさせていただくが、これまでも丁寧に都民の反応などを説明
直接大使館を訪れ伝えており、その意図は十分伝わっていると認識している。
2.都市外交
Q4 改めて、この資料の金額部分の一部を非公開にしていた理由と、この海外視察費用に関する非公開対応がいつから行われていたのかを伺う。
(A 外務部長)
〇 これまで、都の契約予定価格が推測されると、適正な競争が阻害されるおそれがあるという考えに基づき、単価、数量等、契約予定価格が推測され得る部分は非開示としてきた。
○ 海外出張経費に関しては、現在、確認できる範囲では、6月20日以前に開示したものについては、契約予定価格が推測され得る部分は全て非開示となっている。
〇 文書保存年限が経過しているものについては、現時点では確認ができない。
Q5 黒塗り部分を公開にした理由は何か。公開にすることで、不都合は生じないのか。不都合が生じないとすれば、なぜいままで非公開にしてきたのか。
(A 外務部長)
〇 舛添知事の海外出張に対し、高額であるという指摘がなされ、透明性向上に対する社会的要請が高まるなか、情報公開の有り方について改めて検討を行った。
○ 知事の海外出張経費については、契約予定価格を公表することで、適正な競争が阻害される可能性は排除できないものの、出張先ごとに物価水準が大きく異なることや、出張時期等により為替相場も変動することなどから、その可能性は他の契約案件に比べて小さいと判断するに至った。
〇 こうしたことから、知事の海外出張経費については、これまでの取扱いを改め、単価、数量等について、原則公開とすることにした。
Q6 すでに多くの指摘があるように、契約予定価格と実績の乖離が激しい。なぜこのようなことが起こったのか?契約予定価格の積算根拠はなにか?
(A 外務部長)
〇 海外出張にかかる契約予定価格については、工事契約と違い積算単価表がなく、都度単価が異なることから、旅行代理店からの下見積りを取るとともに、過去の実績等も参考にしたうえで算出している。
〇 今回のパリロンドン出張において、指摘のような乖離が発生したのは、競争見積りの結果ではあるが、契約不調といった事態を避け確実な手配をするために設定した契約予定価格が、品目により違いはあるが高めであったことも要因であったと考える。
〇 今後はできるだけ多くの材料を収集・精査した上で、適正な予定価格になるよう、努めていく。
Q7 契約予定価格がずさんだったことで、場合によっては見積り参加者に付け込まれて費用が高止まりしていた場合もあったのではないか。見解を伺う。
(A 外務部長)
〇 出張ごとに事情が異なり、費用が高止まりしていたかどうかの判断は困難であるが、予定価格の設定によっては実際の支払額に影響が生じるのではないかという疑念を招きかねないことについては、真摯に受け止める必要がある。
○ 今後は、下見積り段階から厳しく精査し、より適切な契約予定価格の設定に努めていく。
Q8 「ガイド」とは通訳も兼ねているものか?4人が同時に稼働している日もあるようだが、必要性を伺う。
(A 外務部長)
○ 現地案内人については、現地事情に精通し、配車管理や、過密な日程での予定変更、予期せぬ交通渋滞等の突発的な事象への対応サポートなど、職員の補助業務を担っている。
○ 通訳を兼ねるものではないが、ドライバーとのコミュニケーション、訪問先との連絡の補助など、現地の言語を要する業務に従事している。
○ 訪問先に先着して直前の調整を行う先乗り職員用、知事及び同行職員用、プレスの動きに合わせて移動する報道担当用など、複数の車両が並行して運行する中、各車両への同乗や事務局作業部屋での連絡調整など、複数の業務が同時に発生したため、ご指摘のように1日の中で4人手配した日もあった。
○ 今後は、出張業務の効率化に努め、可能な限り手配人数の削減に努める。
Q9 ガイドが深夜まで勤務している日があり、知事スケジュールと照らし合わせると要人との会食となっている。ガイドが深夜まで勤務する必要性はなにか?
(A 外務部長)
○ 現地案内人は、配車管理等を行っている。
○ 車両トラブルなどの緊急時対応等も想定し、会食中は車両内で待機をし、会食終了後は知事がホテルに帰着するまで車両に同乗している。
Q10 パソコンや複合機、プリンターなどまるでホテルにミニオフィスを設置するかのような装備である。いったい海外視察に行って、どんな業務を行っているのか?そもそもの業務内容の見直しが必要ではないのか?
(A 外務部長)
○ 出張時には、知事や都庁からの指示、報告等に対し、危機管理の観点からも、24時間、即時対応可能な機能を確保するため、事務局作業部屋に必要な備品を手配してきた。
○ これらのものは日々のスケジュール変更や知事の発言内容の更新等の作業を行うために使用してきた。
○ しかし、今後は、出張中の業務内容の見直しを図るとともに、備品に係る費用の節減に努めていく。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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