こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
注目された本日の小池百合子知事の記者会見では、築地市場の豊洲移転についての結論は出されませんでした。
築地市場の移転時期 小池都知事「近く最終判断」 | NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160826/k10010655171000.html
このことで、まだまだこの築地移転問題については高い注目度が続きそうですし、来週もいくつかの討論番組に呼ばれています。
…なんかすっかり、「築地移転推進派の論客」みたいな扱いになってしまった。。
で、いくつかのメディアの人たちの話を総合すると、どうにも
「移転に賛成派(あるいは容認派)で、出演・コメントしてくれる都議会議員がいない」
ようです。「誰か、出て下さりそうな議員を知りませんか?できれば自民党がいいんですけど…」って、私に聞かれても困りますがな(苦笑)。
周りを見渡してみても、反対派の都議たちが相変わらず熱心に移転反対運動や情報発信をしているのに比べて、移転賛成・容認派の都議たちは「嵐が過ぎ去るのを待とう」とばかりに、この問題には触れず貝のように押し黙っている方が多いように思います。
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もちろんしっかりと立場を表明している議員もいらっしゃいますが、この状況でそうでない方は少々無責任ではないでしょうか。
築地移転が最終的に議決されたのは、2012年3月の都議会本会議です。そこで賛成した自民・公明・民主(現民進)の都議たちは今こそ、
「なぜ豊洲に移転しなければいけないのか」
「それ以外の選択肢が、本当になかったのか」
について、改めて説明をするべきです。討論番組からも声がかかっているはずなので、出演された方がいいと思います。
繰り返しになりますが、私も無批判に移転を賛美しているわけではありません。豊洲新市場にも改善すべき点はあると思いますし、批判や指摘から様々な議論が起こるのは良いことです。
ですが最近のテレビ報道は、あまりにも反対派の意見を無批判に取り上げすぎているように感じます(そうならないために、私や賛成派の仲卸業者に声をかけて下さっている番組には感謝いたします)。
「土壌汚染が未解決!」「マグロが切れない!」などの反対派の声をVTRで流す
↓
スタジオで(専門的知識がなく、経緯を知らない)芸能人たちが、それを前提に感想を述べ合う
という構図が多く、これを見た視聴者は反対派の意見を鵜呑みにしてしまう可能性が非常に高いでしょう。都の主張も両論併記されているのは十分に承知しているのですが、やはり番組の作り的に、どうしても反対派の意見にイメージが引きづられます。
しかし、都の主張が批判されるのと同様に、反対派の主張もしっかりと批判的に検証されなければなりません。
例えば今日の番組(バイキング)でも移転反対を主張される方の、
「従業員の出勤(交通手段)の目処がまったく立っていない。駐車場の数が全然足りない!らしいんです」
というコメントが大きく取り上げられました。豊洲は不便なところにあり、公共交通手段が限られている。だから車通勤が増える見込みなので、駐車場が足りなくなってパンクする!という主張です。
これだけ聞けば、「なんでそんな状態に?!」と思ってしまうでしょう。
しかし、豊洲新市場には都バスの路線・駅が新たに作られることが予定されており、業務用駐車場(含む従業員用)も築地4,700台→豊洲5,200台に拡張されています。有楽町線豊洲駅からも、やや遠いとはいえ徒歩圏内です。
こうした客観的な事実を踏まえれば、「公共交通機関がほとんどない・従業員の通勤手段の目処がまったく立っていない」という主張は明らかにミスリードです(「らしい」とはご自身で言ってますが)。
このような主張に対しては、移転を推し進めてきた経緯を知り、専門的知識を(多少は)持っている議員たちが、きちんと反駁していくべきではないでしょうか。
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前述のとおり、豊洲移転が決定された都議会は2012年3月であり、私はその時にまだ都議会議員ではありませんでした。ですので、既に結論が出ているこの移転問題については、そこまで論陣を張る気はなかったというのが正直なところです。
ですが知事選で再びこの問題が争点化し、わかりやすくメディア受けする反対派の意見ばかりが大きく取り上げられる中で、当時賛成した都議たちからは積極的な説明姿勢が見られない。
こうした状況に非常に強い危機感を覚え、日々のブログや討論番組などで発言をするに至った次第です。
…ぶっちゃけ、知事の姿勢も明確には示されない中で、これは私もある種のリスクを背負ってます。これで知事が「移転は白紙撤回します!」なんて言ったら、自分の立場も非常に苦しくなるわけで(苦笑)。
さらにご存知の通り私は、築地移転を中心的に進めてきた都議会自民党とは対極の立場にあります。「都議会のドン」等にまつわる利権についても、誰よりも強く疑念と問題意識をもっている都議会議員の一人です。
その人間がそれでも、客観的に歴史的経緯や科学的見地に基づけば、
「豊洲移転は避けられず、いかに問題を最小化して移転を進めるかを考えるべき」
(※年度内の延期はありえる)
という結論に至ったという事実は、いま一度議論を冷静に進める上で参考にしていただきたいと思います。
築地移転問題についての過去ログはこちらから↓
http://otokitashun.com/tag/%E7%AF%89%E5%9C%B0%E7%A7%BB%E8%BB%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C/
なお、「利権があるから豊洲移転はするべきではない」という意見には賛同できませんが、移転後も利権の追及についてはきっちりと行うべきだと考えています。
引き続き、都民の皆さまの不安が少しでも解消され、長年にわたる築地・豊洲移転問題が早期に解決されるよう、適切な政策提言と情報発信を続けて参ります。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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