こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
都民のみならず全国民が注目する、舛添知事の所信表明演説が行われました。
結果は、各種報道でご存知の方が多いと思います。
舛添氏が謝罪“ファーストクラス使わない”
http://www.news24.jp/articles/2016/06/01/07331583.html
「海外出張の際に、ファーストクラス・スイートルームは使わない」
って、まだ海外出張するつもりなんですか?
という突っ込みどころ満載の謎の謝罪から始まり、
自身の疑惑については何も語ることなく、ペーパーの読み上げに終始。
挙句の果てに
>信頼の回復は一朝一夕にできることではないことは十分承知しています。
>一歩一歩、地道に都政の発展に努力し、都民の皆様にお応えしていきたいと思います。
などと、事実上の続投を高らかに宣言したのですから、
空いた口がふさがらないとはまさにこのことです。
塩村都議もすでに自身のブログで指摘していますが、
この時点での「続投宣言」は極めて不誠実な態度です。
舛添知事は以前から記者会見などで何度も、
「第三者の目で厳しい審判をしていただく」
「私は信頼を失っているから、自分の言葉での説明は避けたい」
などと繰り返しており、その調査結果はまだ出ていない状態です。
出ていないからこそ、自らの言葉でまったく説明ができないわけですし、
結果として真っ黒という可能性だってあります。
そういった自らの立場が確定しない状況で、
早々に「続投宣言」だけはちゃっかり行ってしまう。
これは自ら
「第三者の調査など、茶番の時間稼ぎでした」
「自分の言葉で説明できないから、弁護士に丸投げして逃げました」
と馬脚をあらわすようなもので、
都民や都議会を馬鹿にしきった態度と断言して良いと思います。
■
さて、これを受けて都議会の行方を握る
自公両党も、
「とうてい納得していない」
「全く不十分で言語道断」
などと強い口調のコメントを発していますが、
果たしてどこまで本気なのか、こちらも極めて疑問と言わざる得ません。
そもそも猪瀬前知事などの前例を考えてみても、
所信表明演説でたいした説明が出てこないことなど、
想定の範囲内として考えておくべきことでした。
そして別途、厳しい追及の場を早期に設置しておくというのが、
本来都議会の責任政党がおこなうべき行動だったはずです。
さらにもう一つ、自公の本気度を疑う理由として、
今日の議場での異常な雰囲気が挙げられます。
一部報道では
「強いヤジが飛んだ」
「議場は騒然としていた」
などというものもありましたが、これは正しくありません。
ヤジを飛ばしていたのはほぼ共産党議員のみであり、あれだけ猪瀬前知事に対しては
強い言葉を議場でぶつけていた、自公の都議たちは完全に沈黙。
そればかりか、自民党議長が共産党サイドからのヤジに対して
「静かにしてください!」
「これ以上続けると、退場になりますよ」
と強い口調で注意をするなど、
これもヤジが常態化している都議会では異例の光景です。
議長に対していつも以上に深々と頭を下げていた知事の姿とも相まって、
これらはなんらかの結びつきを感じるに十分な材料です。
■
では、ここから予測される展開は何か。
実は今日の所信表明演説で、舛添知事が切れるカードが一枚だけありました。
それは
「全面的に非を認め、給与返上などのペナルティ受託を宣言する」
ことです。
これをやられると、野党サイドとしては追及をしづらくなったことは間違いありません。
「もうココらへんでやめよう」という、世論の揺り戻しが起きる可能性もあったからです。
これを今日あえて切らなかったのは、
来週の代表質問で自公両党からの追及に対して使うためではないでしょうか。
自公両党は、「所信表明は不十分、厳しく追及する」という姿勢を見せる。
代表質問までに調査結果を出した舛添知事は、自公からの指摘に対して
「調査では道義的に誤解を招きかねない点があった。
ついては皆さまからの指摘を受け入れ、給与を一部返還する」
などと謝罪・答弁を行う。
これによって自公両党は
「厳しい追及で舛添知事を謝罪させ、ペナルティを与えた!」
というお墨付きを得て、世間に対して面目躍如をする。
舛添知事はレームダック化・減給されながらも任期をまっとうできる…。
この予測シナリオを裏付けるかのようにさらに先ほど、
一般質問終了後の8日夜で検討されていた総務委員会の理事会が、
翌日9日の午前中にさらに先延ばしされました。もちろん、多数派の意向でしょう。
どんどん話し合いの日程がタイトになっていき、
これは総務委員会への知事招聘すら行わない腹積もりなのかもしれません…。
■
様々な思惑が飛び交う都議会が開幕。
ここから一週間は世論の状況を見ながら、
目まぐるしく知事や各政党の行動も変わってくるかもしれません。
上記はあくまで現時点の私の予想でありますが、
こんな中途半端な決着は許されないと思っています。
それを決めるのは都民の声・有権者の世論です。
今回は議会質問はもちろんのこと、
情報発信で世論に働きかけていくことが重要です。
引き続き、議会の「中」から誰よりも詳しい考察をお伝えしていきたいと思います。
思うところが多すぎて、長くなりました。。
それでは、また明日。
舛添知事に関する過去ログはこちらから↓
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おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 舛添知事