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平成27年6月24日 平成27年第2回定例会 最終日討論

本会議, 議会活動

◯十一番(おときた駿君) 
 私は、かがやけTokyoを代表し、知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第九号に反対の立場から討論を行います。
 初めに、東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 せんだって、ことし一月に策定された安全安心TOKYO戦略において、地域における犯罪抑止機能の低下が指摘され、本条例改正はそれを受けての安全・安心のまちづくりの推進、人材育成を改正事項とした重点施策であると理解をしております。
 この安全・安心のまちづくり分野は、全ての犯罪を抑制する原点であることから、特に防犯カメラ設置事業並びに見守り活動事業について、事務事業などの質疑を通じて、我が会派は注視を続けてまいりました。
 その中で、町会、自治会に補助をする地域における防犯設備についてのみが青少年治安対策本部の直接事業であり、商店街における防犯設備整備は産業労働局、通学路における防犯設備整備は教育委員会へ執行委任という形になっている点を指摘してまいりました。
 執行委任については、予算上の事務手続の便宜から、同種の事業を実施しているところに委任しているとのことでしたが、同じような事業が三種類に分かれ、担当部署が違うということに統一感を持った見守り活動ができるのかという懸念があります。
 本定例会の総務委員会でも、この点につきまして重ねて質疑をさせていただきましたが、青少年治安対策本部で行う見守り活動と、教育委員会、警視庁、産業労働局へ執行委任して行っている見守り啓発事業と、どうしても責任の所在や情報共有が曖昧になり、そのはざまに地域住民がこぼれ落ちることへの懸念は完全に払拭できません。
 かがやけTokyoとしては、将来的には条例にも登場します区市町村に安全・安心まちづくり事業は委ねていき、東京都は区市町村の事業をサポートする側を担っていくことを要望いたします。
 重ねて、他局や国、区市町村等の関係機関との業務の重複を回避し、効率性を重視するとともに、組織間で都民が決してこぼれ落ちぬことを望むものであります。
 そして、本条例案が目指す規範意識についても申し上げます。
 既存事業と新規事業で目指す規範意識の醸成について、指導者、殊に教員への意識醸成、涵養は大いに期待したいところでありますが、一方、東京都という行政機関に、都民、保護者が手取り足取り規範意識を押しつけられることには違和感が残ります。
 税金の適正配分のためにも、限られた資源は大切にし、ターゲットを定めて事業の展開をされることを希望します。
 あわせて既存事業の温存、あるいは、こころの東京革命、規範意識の継承のための手段の目的化とならないことを強く求めます。
 次に、議員提出議案第九号、東京都歯科衛生士修学資金貸付条例について申し上げます。
 歯科衛生士不足に対する課題に真摯に向き合い、条例案を提出して議論を喚起する姿勢には、我が会派も強く共感するところであります。
 しかしながら、委員会質疑でも触れられていたように、果たしてこの課題に対する解決策が修学資金の貸し付けなのかどうかは慎重な検討が求められるところです。
 休眠歯科衛生士の活用など、都の財政への負担が少ないあらゆる方法論を模索するために、本条例案には現時点では賛成しかねることを申し上げさせていただきます。
 次に、議員提出議案第四号、都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 第一定例会で上程された本条例案ですが、前回に引き続き今回も継続審議になろうとしています。これでは、東京都議会は議会改革の議論に正面から向き合わない、先送り体質なのだと捉えられかねません。
 費用弁償の問題については、しかるべき時期に都議会のあり方検討会が設置され、議会改革全体の議論の中で討議をしていくとのことですが、その再開時期や議題などの全容は現時点では正式には決定しておりません。
 また、都議会のあり方検討会は、前回、前々回と原則非公開で行われており、都民に広く公開された場とはいえません。議案として提出されたものである以上、議場でそれぞれの会派、議員が費用弁償に対する態度を明らかにし、開かれた場で議論を行うべきと考えます。
 以上の理由から、本条例案の継続審議については反対をするものです。
 最後に、本定例会で議論になった新国立競技場問題を初めとする都政運営について、一言申し上げます。
 新国立競技場の費用負担については、根拠薄弱な状態で都民の税金を拠出することができないという舛添知事の姿勢はうなずけるものであり、我々かがやけTokyoとしても、今回の一連の対応では、知事の意見を強く支持するものです。
 しかしながら、かつての特別委員会での副知事答弁や文科省側の証言を鑑みるに、事務方同士、あるいは東京都内部での情報共有体制には疑問が残ります。
 事業者が撤退し議論となっている豊洲新市場の千客万来施設についても、事業者との曖昧模糊としたやりとりがその遠因となりましたし、さきに災害備蓄用の燃料がストックされていなかった問題でも、ずさんな情報共有、情報伝達がその原因でありました。特に千客万来施設については、東京都側の落ち度も大きく、都民の信頼を回復するためには、なお一層の努力が必要です。
 新国立競技場問題を初めとする都民の関心事については、特に徹底した情報共有と情報公開がされることを強く要望するとともに、我々かがやけTokyoは今後も情報公開を重視し、都民に開かれた都政を実現し、都民益を守るために全力で活動していくことをお約束いたしまして、討論を終わります。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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