〇おときた委員 かがやけTokyoを代表いたしまして、当委員会に付託された平成二十七年度予算関係議案についての意見開陳を行います。
平成二十七年度東京都予算案について都税収入は、法人二税の占める割合は約三三・一%と高いため、景気変動の影響を受けやすく、極めて不安定な形で増減を繰り返しています。この十年間、都の起債依存度は一〇%以下を推移しておりますが、一般会計部分の都債残高は平成二十七年度で約六・二兆円となり、微減をしているだけです。そのため、今後の税収動向を慎重に見きわめながら、適切な財政運営に努めていく必要があります。
戦後一貫して人口がふえ続けてきた東京都も、いよいよ二〇二〇年ごろには人口減少の局面に突入すると予想されています。また、団塊の世代が後期高齢者になる二〇二五年ごろには生産年齢人口が占める割合が著しく低下し、税収もかなりの減少が見込まれます。
社会保障の充実はもちろん重要ですが、史上類を見ない超少子化、高齢化社会に直面するに当たり、これからの財政運営には過剰な社会保障、不要不急の投資的経費は削減していく努力が不可欠となります。高度経済成長期やバブル経済期につくられ、いまだに一部に残るいわゆるばらまきともいえる制度には、厳しくメスを入れていかなければなりません。
官僚や行政機構は何かの事業を始めて拡大することは得意でも、事業を縮小したり撤退することは極めて苦手である、これはドラッカーなどの多くの有識者が指摘をするところです。また、民主主義国家においては、有権者の信託を受けた政治家の多くもまた、現在の有権者をおもんばかる余り、今ある行政サービスの縮小に踏み出すことができません。
我々かがやけTokyoは、こうした従来の価値観、慣習を断ち切り、真に次の世代に輝かしい東京を残すため、受益と負担の一致した厳格な財政運営を引き続き求めるものです。
それでは、次に、各局に係る事項について申し述べます。
まず、福祉保健局関連についてです。
一、人口減少社会も見据え、機動的な家庭的、小規模保育にてゼロから一歳児の受け入れを強化するなど、中長期的な視点を持って待機児童問題に引き続き取り組むこと。
一、自治体を通じた事業者への助成だけではなく、利用者助成、保育バウチャーについても検討し、株式会社やNPO等が保育事業に参入しやすい状態をつくること。
一、休眠保育士の活用や、学生への修学資金の貸し付けなど保育士資格取得の支援を行い、保育人材の確保に努め、また、特区を活用した保育士の年二回試験を実施すること。
一、病児、病後児保育に関して、都のアクションプログラム事業にのっとり、区市町村や事業者とともに実施しやすい制度設計とすること。
一、障害児、特に重症心身障害児や医療的ケア必要児について、療育、保育の垣根を超えて多様なニーズに応える体制を構築すること。
一、ふえ続ける児童虐待相談に対応するための人的資源の確保に努めるとともに質の向上を図り、児童相談所の区市町村への移管を早急に推進すること。
一、社会的養護については国際的基準に基づき里親措置へと全面的に切りかえ、愛知方式などを積極的に検討すること。
一、民間養子縁組団体とも協力し、養子縁組の取り組みをさらに進め、海外で行われている養子縁組における利用者助成の仕組み等も積極的に検討すること。
一、ひとり親世帯における父子、母子間の支援格差を是正し、制度の充実を図ること。
一、都と区市町村の福祉資源の情報共有を徹底すること。
一、子供から大人までを対象とした発達障害者対策を進めること。
一、障害者の地域における自立、就労支援施策を講じ、障害者福祉の増進を図ること。
一、二〇二〇年のパラリンピック開催に向け、バリアフリー化の一層の推進を通じてノーマライゼーションを実現すること。
一、多様なニーズに対応できる民間障害者支援施設に対し、推進費補助を行い福祉サービスの確保に努めること。
一、介護施設の入所待ちを解消するよう実情に合った介護福祉計画を策定し、予算措置を講じること。
一、高齢者の貧困の実態を把握し、自立支援を促進し、過度な社会保障については必要に応じて利用者負担についても検討を行うこと。
一、セクシャルマイノリティー等の社会的少数者のための相談ダイヤル充実など、誰もが暮らしやすい生活環境を整備するよう努めること。
一、動物愛護、福祉を世界標準にまで向上させ、動物殺処分のない成熟都市を目指すよう努めること。
次に、病院経営本部についてです。
一、都立及び東京都所管の病院を中心として、かかりつけ医との役割分担を通じて地域医療との連携強化を図ること。
一、公的医療機関の将来的な民営化を積極的に検討すること。
一、都立病院においては安定した行政医療を提供し、入院患者の誤嚥による事故等を未然に防ぐため、適切な人員配置のもと、都立病院の医療事故防止策を着実に進めること。
一、難病を含めた小児医療、高度周産期医療の量的、質的充実を図り、新生児数に応じたNICU床の適正配置の推進とドクターカーの増設を行うこと。
一、災害時における迅速な医療救護活動、薬事コーディネートの実現を図ること。
一、医療療養病床と在宅医療を組み合わせ、病院難民を解消すること。
一、健康づくり、予防医療、重症化予防対策への取り組みを強化すること。
一、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、外国人患者の受け入れ体制を整えること。
一、病院間の転院、転送の一層の最適化を目指し、DMATカーや庁有車などの活用を図ること。
以上をもちまして、かがやけTokyoの意見開陳を終わります。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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