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都議会議員たちのリオ五輪視察は、やっぱり遊びだったことが判明。「批判されたし、選挙が怖いので行くのやめます!」

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
私のブログ記事でも大きな反響があった都議会議員の「大量リオ視察」について、
昨晩~今朝にかけて中止という報道が先行して流れておりました。

こんなつぶやきをしたら速攻でネットニュースにもなったわけですが、
その後に議会運営委員長(自民党)の事務方から当会派幹事長の上田都議宛に連絡が入り、
あれよあれよというまに「白紙撤回(派遣人数ゼロ!)」が正式に決定されました。

正規の議会運営理事会・委員会すら開かれることなく、
議論の余地のない唐突で強引な「中止決定」です。

呆れてものが言えないとはこのことです…!(怒)

この人たちは本当に、何を考えているんでしょうか?
(目先の選挙のことだろうけど、後述)

念のため言っておきますと、私は視察計画の見直し自体には大賛成です。
儀礼的な意味も含めて、次期開催都市の議員が現地に行くことには意味があると思う反面、
28人という数字の根拠を誰も説明できませんし、大会派の大物議員を始めとして

「行きたかったから(都民の税金で)」

この計画が作られたことは、辞退枠を山分けした事実からも明らかです。
メディア報道や世論がなければ、何ら気にすることなく旅立っていたことでしょう。

世論を受け止めて自らの過ちを認め、必要最小限な人数を検討する。
場合によっては議員は議長・副議長のみに止め、残りは実務家に枠を与える。
そして、これまでと今後の海外視察のあり方自体も検証していく。

こういった議論が本来、いま都議会がやるべきことのはずです。

しかし…批判を浴びたからいきなり「ゼロ」にするって、一体どういうことでしょうか?
私自身は都議会の海外視察に行ったことはありませんが、これでは自分たちの海外視察は
もともと「遊びだった」と自ら認めるようなものですし、実際にそうだったんでしょう。

都議会の海外視察は、毎年行われています。いくつかの報道にある通り、
昨年はラグビーワールドカップを見にロンドンに11名の都議が行ってますし、
概ね毎年10名~15名程度が、その時折に必要だと思われる国に視察に訪れています。

だったら今後、これらの海外視察もすべて中止にするべきです。
だって自ら、「議会の視察は無駄でした」って認めたんですから。

ちなみにこの昨秋のラグビーワールドカップ視察の調査報告書は、
半年以上経った今でも完成・提出されていません。これが都議会海外視察の実態です。

こうした海外視察の本質をなんら議論せず、
とりあえず目先の視察だけ

「費用が高騰し、世論の理解が得られないから」

と中止にするようでは、単なる責任逃れのパフォーマンスです。
しかもこれほど拙速に、正式な理事会・委員会すら開かずに決めたあたり、
よほど参院選挙(と翌年の都議会議員選挙)における悪影響を気にしたのでしょう。

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こうした批判をかわすためか、都議会自民党は素早く

「視察自体は必要なので、今回は自費で議員を派遣する」

という発表を打ち出しました。
この危機対応の素早さは流石だとある種の感心はしますけど、
だったら今後の視察もすべてそうすれば良いと思います。

あと上記の本文の中で、「中止するに至りました」って他人事のように書いてありますが、
実質的にその主導権を持っているのは都議会自民党なんですけどね!

しかも理由を「経費高騰」の一言に押しとどめて、
増員や辞退枠の山分けといった批判の多いプロセスについては、なんら釈明なし。
舛添前知事にあれほど求めた「説明責任」は、一体どこにいったのでしょうか…?

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(画像は先日放送されたゴゴスマより)

自民党だけでなく、辞退枠を山分けした民進党・民進党都議団(旧維新の一部)にも、
同じくこの点については説明責任があると思います。経費が高騰するなんて、
4月の時点では明らかにわかっていたことですから。

「やめたら終わり」が済まされるなら、
舛添前知事の最後の去り際を批判することはできません。

舛添知事の高額海外出張経費を激しく糾弾する一方で、
自分たちは増員や辞退枠の山分けをしてまで、リオ五輪大名出張を企画する。
批判を浴びれば選挙を恐れて手のひらを返して、誰一人(議長すら!)行かないと白紙撤回する。

この一連のプロセスは稚拙極まりないもので、
都民の批判を免れることはできない
と思います。
私自身、このような組織の一員であることが本当に不甲斐ないです。

今回、これでこの問題を終わらせてしまっては、
腐敗しきった都議会の体質を変えることはできません。

私の所属会派「かがやけTokyo」は、まず今後の海外視察のあり方について、
改善要望書を議会運営委員長宛に提出したところです。

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都議団による「リオ五輪視察中止」決定に対する見解について
http://your-party-tokyo.jp/activity/673/

なお熟慮の末に4月の時点で辞退をした私たちですが、
1月の予算案の段階では6200万円という予算組み立てや内訳について把握できておらず、
その時点で問題提起をしていれば、もっと早くに改善することができたかもしれません。

これはわれわれ自身の不徳の致すところとして、
大いに反省しなければならないと思っています。誠に申し訳ありませんでした。
今後は議会運営費についても、厳しくチェックの目を光らせていかねばなりません。

そして、一部の報道に「全会一致で白紙撤回が決まった」と流れていますが、
私どもかがやけTokyoは、この拙速な結論にも意思決定プロセスにも反対しています。
(選挙がなければ、それこそあと1週間くらい検討して委員会を開いたはずですから)

こうした誤報が起きてしまうように、一連の議論や意思決定が
ほとんど「非公開」で行われる都議会の情報隠蔽体質に、
私はすべての問題の根幹があるのではないかと睨んでいます。

このような都議会の体質を改めるために、
私は今後も情報発信を続け、中から声を上げていきたいと思います。
ぜひ皆さまからも、引き続き厳しい目でご意見をいただければ幸いです。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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