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8ヶ月間も休業している食堂を、「特命随意契約」でお願いしなければいけない理由って…?!

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日は公営企業委員会にて交通局に対して予算案質疑が行なわれました。

私からは

・「満員電車ゼロ」混雑緩和対策について(時間差運賃の導入を!)
・2020年オリパラ開催時の都営交通夜間運転(24時間運行)について
・都営交通協力会との関係見直しについて

を質問いたしました。Tweetの通り時間差運賃の件でも興味深い展開があったのですが、本日のブログでは3点目の「都営交通協力会(TKK)」についてを取り上げたいと思います。

一般財団法人 都営交通協力会
https://www.tkk.or.jp/

この団体はその名の通り、都営交通にかかわる事業に協力することを目的として設立された団体で、その多くの事業を東京都交通局から受注しています。

平成28年度における交通局からの支出額は総額で約68億円、件数は33件でほぼ全てが特命随意契約です。

しかしながら、資本関係がないためにいわゆる外郭団体(監理団体)には当たらず、あくまでいち民間事業者として扱われています。

東京都が外郭団体ではないTKKと、これだけの事業で競争性のない「特命随意契約」をしている理由として、

「地下鉄等の駅業務や車両等の清掃業務などを委託しており、これらについては、業務に精通し、交通局に準じた履行能力が求められるとともに、安全やセキュリティーを確保するため、特命随意契約としている」

などと述べています。

確かに安全面などに関わる駅業務であれば、決め打ちでTKKを指名する理由もわからなくありません。

しかしながらTKKは駅ナカの購買所や飲食店運営なども特命随意契約で受注しており、その妥当性にはかねてから多くの疑義が示されてきました。

ちなみに東京メトロでは駅の購買所はコンビニチェーンになっているところが増えていますし、大阪市でも市営地下鉄の購買所は外郭団体の運営からコンビニチェーンに切り替える改革を行ったことで「品揃えが良くなった」「雰囲気が明るくなった」と高評価を得ています。

そして今回、その中でとりわけ私が問題として挙げたのが、都営交通の各事業所・営業所が委託している「給食業務の委託」についてです。

簡単に言うと、都営交通の営業所には運転手さんなどが使う食堂が併設されており、そこの運営を誰かにやってもらう必要があると。

そこで、東京都はその給食業務をすべてTKKに特命随意契約しているわけですね。

給食業務(食堂運営)であれば、学食などを手がけている民間事業者でいくらでもできそうなところがあるにもかかわらず、なぜTKKに決め打ちなのでしょうか??

これに対して都は答弁で、

「受託者には、職員の不規則勤務に対応して、早朝から長時間、不定期な食事時間にあっても、食事を提供できるよう調理人を確保することや、災害時等に局の指示に基づき食事を提供できること、などが求められる」

等と答えています。つまり「いついかなる時でも、安定して食事を提供できるから」がその最大の特命理由というわけでですね。

と こ ろ が !

なんと都内19ヵ所ある事業所のうち、4ヵ所が休業状態となっており、長いところでは8ヶ月間も食堂運営がなされていません

TKKのホームページを見ると、もうずー-っと長い間、この給食業務責任者の募集が掲載されています。。

そう、TKK自身には食堂を運営する能力がないので、結局はTKKが給食業務責任者(個人事業主)を募集して、さらに外注するだけなんですね。

そしてその給食業務責任者が、4つもの事業所でずっと見つからない状態が続いていると。これは明らかに問題です。

安定した業務が目的で特命随意契約をしているのに、こんな状態は矛盾しているではないか。特命随意契約の相手としてふさわしくないのではないか(=競争入札で民間企業に切り替えるべきだ!)との私の指摘に対して、交通局は

「仮に、競争性のある契約方式により他の事業者に委託することとした場合、不採算等による契約解除により、全事業所における食事の供給に支障が生じ、また、局施設の安全の確保が出来ない恐れがある」

などと、あたかも民間事業では安定運営ができないかのように答弁しておりますが、すでに食事の供給に支障が生じている状態で言われてもまったく説得力がありません

いや、本当に。

さらに、施設に精通していないと安全の確保ができない云々については、私、実際に営業所の食堂を見てきました。

当たり前ですが、何か専門知識や都との強い結びつきがなければ安全の確保ができないような、複雑な施設ではありません

食堂ですからね。

加えて、数ヶ月以上も求人しているにもかかわらず給食業務責任者に応募がないという実態についても、TKKの管理運営・個人事業主とのやり取りに何らかの不具合がある可能性が指摘されており、いまいちど抜本的に見直す必要があります。

このように、少なくとも給食事業についてTKKは明確に特命随意契約の相手としての資格を満たしておりません

また同様に、都営駅内の購買店や飲食店なども民間企業に切り替えることは十分に可能な上、サービスレベルの向上に間違いなくつながると思います。

この問題については、しつこく議会内外で追及していきます。というか少なくとも、トラブルを解決して食堂は早く再開してください。。

「これはおかしい!」と思った方は、ぜひ民意の後押しをいただければ幸いです。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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