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デジタル防御の要はサイバー技術だけではない。台湾はディスインフォメーション対策の先進国

日々のこと

台湾日程二日目の本日は副総統への表敬訪問→台湾立法院主催のランチ・ブリーフィング→台湾ハイテク企業(Advantech)視察→レセプションディナーと盛りだくさんでした。

立法院主催のブリーフィングで聞いたディスインフォメーション(フェイクニュース等)対策の話が興味深かったので、ブログではそちらの話をば。

台湾は実はディスインフォメーション対策の先進国です。理由はもちろん、中国から具体的な脅威に晒され続けているから

こうした脅威に対抗するため、市民団体の発案でダブルシンク・ラボという専門の研究機関が設立されており、本日はその方々からデジタル防御・ディスインフォ対策の最新情報を伺う貴重な機会を得ました。

彼らは「何を発信しているかではなく、誰が・いつ発信しているかを見て、見抜く」と言います。

ディスインフォを発信しているアカウントを分析すると、ほとんどが中国のビジネスアワー内の発信になっているそうです。こうした分析を端緒として、情報を精査していく。

最近ではAI作成による動画などはもちろんのこと、それだけではすぐに「作り物」であることがバレるため、写真やプロフィールなどをセットにして「その人の人生」を情報パッケージで売るというビジネスまで成立している。

また加えて昨今、ディスインフォ戦略で中国・ロシア間の連携が強化されており、「海外メディアがこのように報じている、確かな情報だ」ということをソースして偽情報が広がっていくケースも多いようです。

そしてあまりにも溢れるディスインフォの量が多いため、対策にも優先順位をつけると。ざっくり「影響力と認知度」の2つの基準を使い、「影響力が強くて認知度・浸透度も高い」偽情報から優先的に対策を打っていく。

「みんな知っているフェイクニュースだけど、(都市伝説みたいなやつで)そこまで悪影響はない」みたいなディスインフォだったら、害が少ないので対策も後回しになっていくということですね。

なるほど合理的。

こうした海外勢力が明確な敵意をもって仕掛けてくる戦略に対して、民間レベルの活動だけで太刀打ちすることはすでに日本でも困難でしょう。

もちろん政府としても一定の対策は試みているのでしょうが、台湾のように専門家集団をもっと集めてより具体的な事例を研究し、常にアップデートしていくことも検討していかなければなりません。

何より「SNSの世界には、海外勢力が意図的に流している偽情報があるのだ」という認識をもっと広めていかなければならないのだろうと改めて痛感しました。

なお、台湾は日本やアメリカのようにTikTokの人気はないので、そこについてはあまり脅威になっていないそうです。不思議…。

明日30日はいよいよIPAC総会の本番、夕方には記者会見が行われ、日本のリーダーである中谷元議員が登壇します。

残すところ2日間、学べることをすべて学んで帰りたいと思います。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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