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築地再開発≒「食のテーマパーク」の選挙公約は撤回を表明し、謝罪をするべき時がきている

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日は知事の肝いり発足したで「築地再開発検討会議」の第二回会合が行われました。

和食振興や医療観光を=築地再開発で検討会-都:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017112700751&g=pol
「築地ホテル館復活も」 築地再開発で検討会議:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23954660X21C17A1L83000/

第一回目はキックオフということで「自由な発想」で委員が意見を述べていたようですが、第二回目も同様の内容を見てあまりに強い危機感を覚えたので、筆を取らせてもらいます。

上記の報道にもあるように、今回も専門家の方々から「公園として整備するべき」「築地独特の扇形建物は残すべき」などの提案が出されています。

しかしながら築地の再開発は大前提として、

●年160億円の収益(民間企業への貸付料)を発生させなければならない
●2020年東京大会時は輸送拠点(駐車場等)になる

という動かせない条件があります。公共の公園にしたらほとんど収益は発生しませんし、建物を残したら輸送拠点に利用することは困難です。民間企業の借り手にもかなりの制約が出るでしょう。

きちんと収益性を重視した発言をしている委員の方もいらっしゃるものの、最後の20分に遅参をしてきた小池百合子知事が「自由は発想をベースにご議論いただければ」と注文をつける始末。

報道もめっきり少なくなってしまっている本検討会議についてですが、この光景を見て一抹どころか大きな不安を覚えた都民・関係者は少なくないと思います。

そもそもこの検討会議自体、結論が出るのが来年5月頃の予定で、小池知事が常日頃から標榜する「スピード感」とかけ離れたスケジュールになっています。

結論が出るまでの間は、知事は「専門家の議論に任せている」と逃げることができてしまうわけで、結論の先延ばしとも取られかねません。

専門家の知見を活用することは重要ですが、6月20日に築地再開発という「基本方針」を発表したのは知事自身なのですから、大枠の方向性を示す責務は知事にあります。

もっと踏み込んで言えば、「専門家に任せる」というやり方については、それをされていた石原元知事を舌鋒鋭く批判されていたのがまさに小池知事だったのではないでしょうか。

収益や財源などの前提が共有されていない提案・検討に時間をかけるのではなく、知事自ら主導して実務的な視点を加えた「現実的な議論」に早急に舵を切るべきです。

築地跡地「食のテーマパーク」変更の可能性 小池都知事:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASKCS55M1KCSUTIL032.html

加えて知事は直近の記者会見で、都議選前に事実上の選挙公約として掲げた築地跡地の「食のテーマパーク」化を、「考え方の一つ」として変更の可能性を示唆しました。

これは看過することができない、重大な方針転換です。


資料引用元

基本方針を発表した6月20日の知事記者会見の資料には、「一つの考え方」ではなく明確に「食のテーマパーク」が記載されていますし、知事自身も会見の最後に

「築地市場の跡地は当面、五輪用の輸送拠点として活用します。その後、食のテーマパーク機能を有する新たな市場として東京を牽引(けんいん)する一大拠点としてまいりたいと思います」

と断言しています(記者会見議事録)。

都民ファーストの会は「知事の判断を尊重します」という事実上の公約を掲げて都議選に挑み、その代表は小池百合子知事だったのですから、これが揺るがぬ選挙公約であったことは確実です。

何より当時、都民ファーストの会で選挙を闘った私自身が、そのように認識をしていました。

この公約を変更せざる得なくなったというのであれば、なぜできなくなったのか、そしてこれからどのように変更をしていくのかを、お約束をした都民に対して真摯に説明しなければなりません。

逆に公約の変更ではない・変更する気がないというのであれば、都民ファーストの会の都議たちは小池知事に対して

「我々の選挙公約を勝手に撤回しないで欲しい、食のテーマパーク作りは都民との約束だ!」

と、小池知事を議会で追及しなければならないはずです。

もちろんのこと、同じ公約を掲げて選挙を経た私にも同様の責任があります。

お約束をした築地再開発が膠着している事実については、判断ミスを責められて当然であり、心よりお詫びを申し上げる他ありません。

私自身は、豊洲市場の移転開場日がいまだ決定できず、築地再開発検討会議も遅々として進まない現状に鑑みれば、「食のテーマパーク」という構想は変更を余儀なくされたことを率直に認め、謝罪と説明を行うべきだと考えます。

築地市場でも土壌の表層から環境基準値を超える汚染物質が検出され、「形質変更時要届出区域」になるのが確実視されていることから、築地再開発を「5年以内に着工」というのも極めて困難になりつつあります。

市場移転についての方針を転換するのであれば、次年度の平成31年度予算が成立する前のタイミングしかありません。

この問題を前に進めて決着をつけるためにも、知事が英断を下されるよう働きかけを続け、私自身も責任を果たして参りたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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