こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
本日は任期最後となる常任委員会が行われました。委員会質疑に立つのはこれが最後かと思うと、感慨深いですね!
…などという感慨に浸るヒマもなく、直前まで相変わらず準備はバタバタでした。
私が最後に取り上げたのは、正式な「緊急答申」がでた、青少年問題協議会の「自画撮り被害」対策について。
東京都青少年問題協議会
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/singi/seisyokyo/
まだWebに答申そのものがアップされていないのですが、確認したのは以前から追及している点です。
参考:
東京都の「自画撮り規制」は、児童ポルノの二次元規制(表現規制)とは無関係です!
http://otokitashun.com/blog/daily/14228/
「児童ポルノ」対策だけど、二次元や表現規制につながるものではない。表現の自由を守る細かな確認作業
http://otokitashun.com/blog/daily/14475/
今回、答申の本体をベースに質疑をして、明らかになったのは主に3点です。
●対策アプリなどの選択意思はあくまで、選択側が持つ
●相手が青年を語った青少年(未成年)で、認識が違っていた場合は、取締の対象になるとは限らない
●「自画撮り」の定義の中に、アニメやマンガは含まれない
ということで、表現の自由・創作活動に携わる方々から寄せられていた懸念について、ある程度払拭&釘をさせたかなと思います。
表現の自由というフィールドに関しては、「コミケ2020問題の解決」というのも、都民ファーストの会の公約に入れることができました。
もちろんこれには、「コミケ」だけに限らず、大規模展示場を利用するすべてのイベント・事業者の問題解決の意味合いが含まれます。コミケはその象徴です。
来期も引き続き、表現や創作活動の自由が守られるよう、注意深く行政を注視し、活動を続けていきます(来期があれば!)。
最後に質問と答弁の骨子を掲載。それでは、また明日。
■
1.
自画撮り被害に関する一連の対策について、協議会より答申された内容にいくつか確認の質問を行います。社会問題化している自画撮り被害を抑制し、子どもたちを守ることの重要性に議論の余地はなく、都が対策を行うことは重要です。一方で、コミュニケーションや表現の課題もあり、表現の自由や権利が侵されるのではないかとの懸念の声があがっていることも事実です。
そこまでまず、前段の確認ですが、これまでの刑法ではどこが不十分だったのか、答申の内容で条例が制定されると、どのようなケースが新たに対応が可能になるのか、具体的に教えてください。
(答弁)
・ 自画撮り被害に繋がる画像の要求が、青少年の判断能力の未成熟さに付け込み、刑法上の「脅迫」や「強要」に該当しないやり方で行われることも多く、また、児童ポルノ禁止法では、画像が加害者に送信・提供されるまでは規制できないため、現行法令では、青少年の画像提供を未然に防止することができない状況
・ 答申においては、このような現行法令上の課題を踏まえ、条例において、子供の判断能力の未熟さに付け込み、他者になりすましたり、執拗に要求するなどの悪質な働きかけ行為自体を罰則をもって禁止することを規定し、これらの行為の防止を図ることが提言
2.
次に、やり取りの相手が成人を自称しており、撮影・送信の働きかけを行ったものが、相手が未成年だと認識していなかった場合、どのような対応が想定されるのか、伺います。
(答弁)
・ 条例改正にあたっては、青少年の「自画撮り被害」を防止するため、青少年に対する悪質な勧誘行為を禁止することから、勧誘者において、相手が青少年であると認識していることが重要な要素
・ 具体的な事例への適用については、司法において、それぞれの事情を踏まえながら判断されるもの。
3.
次にフィルタリング設定や働きかけ対策などを目的とするアプリケーションの推奨を行っていくとのことですが、強制力の度合いを心配する声もあります。これは具体的にどのようなレベルで、どのように働きかけを行っていくのか、確認のため伺います。
(答弁)
・ 悪意のある者と青少年との遭遇・やりとり開始の可能性を低減させるためには、青少年のフィルタリング設定を進めることが効果的であることから、これまでも青少年や保護者等に対して、これに資する普及啓発を実施してきたが、今後は、更に充実
・ ネット上の有害な働きかけから青少年を守るためのアプリケーションも被害防止に有効、このようなアプリケーションを推奨するための条例改正を行い、民間における開発を促進し、広く青少年に利用してもらうよう取り組み。
4.
選択の自由を尊重しながら、普及啓発が実行力を持つ運用がなされることを期待したいと思います。最後に、創作活動をしている方々がもっとも懸念されている点になりますが、児童ポルノ等の作成・提供となっていますが、この「児童ポルノ等」としては、実写ではないマンガやアニメは含まれないのか、この点を確認のため伺います。
(答弁)
・ 答申においては、脅されたり、だまされたりするなどして、青少年が自分の裸体等をスマートフォン等で撮影させられた上、メール等で送らされる、いわゆる「自画撮り被害」を防止するために、条例において、青少年に児童ポルノ等の作成・提供を不当に勧誘する行為を罰則をもって禁止することが提言
・ ご指摘の「児童ポルノ等」には、実在しない児童の姿態を描いたマンガやアニメは、含まれない。
(意見)
マンガやアニメなどの、非実在の創作物は対象外ということがしっかりと確認できました。今後、本答申に基いて対策の具体化、条例化の検討が進められていくものと思います。引き続き、子どもたちを守ることを第一におきながらも、表現の自由などの諸権利に慎重な配慮をしていただけるようお願いいたしまして、私の質問を終わります。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 表現の自由