本日は第四定例会最終日。
各議案の議決と、それに対する「討論」が行われました。
「討論」とは、定例会で審議されている議案について、
採決の前に各会派が賛成理由、反対理由をそれぞれ述べて、賛同を募るものです。
実際、議決の方針は各会派すでに決めているので、討論を聞いて覆ることはないわけですが…。
厳密に言えば議案の賛否に対する「討論」ですから、
議案に関わることしか述べてはいけないわけですが、実際のところ
・本定例会を振り返っての全体的な総括
・都政全般について、会派や党の指針や要望
なども合わせて述べることが通例となっており、
むしろそちらの方に多くの時間が費やされたりします(苦笑)。
そんなわけで、私は持ち時間約7分の中で
大きく以下の4点について述べさせていただきました。
1.猪瀬都知事の5000万円問題と今後の進退について
2.指定管理者制度において、安易な特命による外郭団体への指定に反対
3.公民格差是正のための、さらなる「身を切る改革」について
4.都議会における「費用弁償」の廃止について
1については、猪瀬都知事を追求する様子が
なんとTBSのNEWS23で放映され、地上波デビューを飾りました!(嬉)
たくさんの方がご連絡くださり、本当にありがとうございます。
二転三転する答弁を繰り返す知事にはすでに求心力はなく、
これ以上都政を滞らせないために自ら「年内に適切な決断」をされることを要望しました。
2の指定管理者については、以前の記事で少し説明させていただきました。
一概に外郭団体だから悪いというわけではありませんが、厳しく精査をした結果、
駒沢オリンピック公園運動場には5年もの長期にわたる特命指定に十分な理由がありません。
なお、今回知事提案の議案に一つでも反対した会派は共産党とみんなの党のみでした。
今後もオール与党体制に与しないよう、政策ごとに是々非々で対応をしてまいります。
3は今回、人事委員会勧告を受けて、12月より職員の給与が
0.2%引き下げられる条例案が提出されたことについてです。
公民格差の是正という観点からひとまずは賛成するものの、
公務員制度改革と総人件費の2割カットをアジェンダに掲げる我が党としては
まだまだ不十分と考え、今後も身を切る改革を続ける必要があると申し述べました。
4の費用弁償は、こちらも以前の記事で取り上げさせていただきました。
今回、これについて廃止を求める陳情が審議され、大会派の反対多数で
この陳情は不採択となりましたが、我が会派は今後も費用弁償の見直しを訴えて参ります。
なお今回、費用弁償の見直しに賛成したのは
・共産党
・生活者ネット
・日本維新の会
・みんなの党×2
で、見直しに反対した(=費用弁償をもらい続けたい)のが
・自民党
・公明党
・民主党(ただし、一部議員が採決で造反)
になります。
ぜひともご留意いただけますと幸いです。
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というわけで、最後に全文を記載いたしますが、
以上の内容をおよそ7分に渡って述べさせていただきました。
いやー、緊張した(苦笑)。
とにかく都議会はヤジが凄いのですが、
特に費用弁償について述べている時は大会派からの声がすごかったですね。
壇上にいると、とてもプレッシャーを感じます。
「おまえらだって(費用弁償を)もらってるだろー!」(供託してますけどね)
「渡辺派と江田派、どっちなんだー!」(前者です)
「高校生かーー!!」(なんですかこのヤジは?)
などなど、その種類も様々です。
早速動画も公開されておりますので、ぜひご確認いただけますと幸いです。
一番下の「12月13日(金曜日)本会議(議案の議決など)」
22:15~あたりから
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/live/2013-t4.html
※IE推奨。クロームなどからはうまく見れません(本当になんとかして欲しい…)
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とにかく今回はまさに「猪瀬5000万円定例会」とも言われるほど、
「政治とカネ」の問題に多くの時間が浪費されてしまいました。
「都議会は、そんなことをする場じゃないだろう!」
「他にやるべきことはたくさんあるはずだ!」
という批判は甘んじて受けなければなりません。
大変申し訳ありません。
しかしながら、都知事のようなリーダーにはどうしても、
目に見えない政治家としての「求心力」が必要です。
虚位の答弁を繰り返し、みずから求心力を低下させている知事のままでは、
もはや都政は一歩たりとも前に進むことができません。
一刻も早くこの問題に決着をつけられるよう、
我々は閉会後も年内一杯、総務委員会での審議を続けて参ります。
※本件では東スポの単独取材を受けて、記事に名前が掲載されました。
長くなりましたが、それでは本日はこの辺りで。
-以下、討論全文-
私おときた駿は、みんなの党を代表して第220号議案に反対、その他議案に賛成の立場から討論を行います。
初めに、本定例会では猪瀬都知事と徳洲会をめぐる「政治とカネ」の問題に多くの時間が浪費されました。改革派でクリーンなイメージの猪瀬都知事と一緒に仕事ができると楽しみにしてきた我々みんなの党にとっても、今回の事件はまさに青天の霹靂でありました。
この事態を受けて、都知事は都民にも都議会にも真摯な説明を尽くすべきでしたが、記者会見・本会議・委員会を通じてその答弁は文字通り二転三転し、まったく明瞭なものではありません。
また、こうした逆境の時こそ、言葉を尽くして都民に語りかけるべきであると思いますが、都民と直接対話のできるツールとして、都知事自身があれほどご執心であったTwitter上においても、11月23日を最後に完全な沈黙をされております。もはやそんな都知事こそがまさに「歌を忘れたカナリヤ」なのではないでしょうか。
この上は、都政にこれ以上の滞りが発生しないよう、早急に、いや年内にご自身の進退について自らご決断をされることを、みんなの党として改めまして強く求めるものであります。
それでは、各議案について申し述べます。本定例会では複数の指定管理者に関わる議案が提出されました。「指定管理者制度」は、民間の力や創意工夫によって公共施設を活性化させようというものでありますが、今回審議された議案では、福祉分野を除きそのほとんどすべてが外郭団体への「特命による指定」でした。
一概に特命による指定や、外郭団体のすべてがいけないわけではありません。実際、福祉関連施設においては全国的にも特命によって信頼のおける事業者を指定するケースが一般的です。
しかしながら、他の分野においても特命ばかり、それも外郭団体ばかりが選ばれていては、選定にあたって適切な競争原理が働いているのか、都民目線から大きな疑問が出るのは当然ともいえます。
こうした観点から各議案を厳しく精査した結果、第220号議案の駒沢オリンピック公園総合運動場の指定管理者につきましては「大規模改修・改築工事にあたる状況の理解」や、「長年培ってきた広域的なネットワークを活用しての利用者調整能力」などは、5年間の長期に渡る特命に充分な理由とは考えられません。
都民が公共施設に求めているものは利用料の安さだけではなく、利便性やより高い運営の質、エンターテイメント性などもあります。様々な民間企業の参入による可能性を妨げるように見える特命には反対し、適切な競争原理を働かせた再選定を望むものです。
次に、第184号議案、東京都の職員給与改正について申し述べます。今回、人事委員会勧告に基づきまして0.2%の引き下げが提案されました。これには公民格差の是正という観点から、まずは賛成いたします。
しかしながら、いささかその下げ幅が小さすぎるのではないかという懸念も拭えません。みんなの党は党是として公務員制度改革を主張し、党のアジェンダの中でも公務員総人件費の2割カットを主張しています。
少子高齢化で社会保障費が増大していく中、今後も都民の皆さまに様々な負担をお願いしていくのであれば、まずは議員や公務員が身を切るのは当然でありますし、平均給与の格差など公務員批判は根強いものがあります。
一概に給与の一律カットだけが正しい方法ではありませんが、今後も一層の官民格差の是正に取り組み、都政を預かる立場にあるものたちの「身を切る改革」求められているのではないでしょうか。
最後に、身を切る改革に関連して、都議会議員の費用弁償についてひとこと申し述べます。本定例会でも議会運営委員会において「都議会議員の報酬二重取りの廃止に関する陳情」が審議されました。
東京都議会の「費用弁償」は、議会や委員会に出席しただけで一律1万円、地区によっては1万2千円が支給されるという甚だしく合理性に欠いたものです。私自身、自らが議員となり、政治活動には多額の費用がかかることを痛感しているところではありますが、それでも国や都の財政状況を鑑みれば到底、世論の許すところではありません。
東京都知事が不透明な金銭をめぐり大きな問題とされている今だからこそ、我々都議会議員が自ら「身を切る姿勢」を示すことで、都民からの都政への信頼を取り戻せるのではないでしょうか。
しかしながら、議員報酬の中に交通費は含まれておらず、実際に遠方から出席する議員がいることなども考慮すると、交通費は実費支給で支払われるのが望ましく、「二重取り」との表現にはいささか不適当な部分があると考え、わが会派は陳情については趣旨採択と致しました。
今回の都知事の徳洲会と5000万円をめぐる問題によって著しく失った都政への信頼を、「車の両輪」である我々都議会が少しでも取り戻すべく、他の多くの会派の皆さまにも「身を切る改革」「身を切る都政」へのご賛同と検討を求めまして、みんなの党を代表しての討論を終わります。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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