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「60分ずっと質問をしゃべって、90分で答える」都議会本会議の質問形式に、驚く人も多いのでは?

都議会の話

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

2016-3

いよいよ明日は都議会本会議、「代表質問」と言われる日です。なんどかこちらのブログでは説明している通り、地方議会には一般的に「代表質問」「一般質問」と2つの種類の質問日が設けられています。

「代表質問」は大きな会派のみができる質問で、文字通り各会派の代表者がその会派すべての代弁者となり、知事や執行機関側に質問をぶつけます。各会派の理念や政策がもっとも色濃く出る日と言えるでしょう。

なお、都議会において代表質問に立てる会派は(「交渉会派」といいます)自民党・公明党・共産党・民進党の4つのみです。3名しかいないかがやけTokyoは残念ながら、明日の出番はありません…。

これに対して一般質問は、各会派の所属人数によって割り振られた時間の中で、所属議員が個人として発言・質問をする日です。

都議会の場合、一人あたりの持ち時間はだいたい10分前後(!)という短さの上、1年に1度しか登壇の出番がありません…。私は「舛添問題」が起こった初夏の定例会で登壇したので、今回のバッターは上田都議になります。

非常に注目度が高いので、明日の代表質問の傍聴席もたくさんの人が来ると思います。が、初めて来る人で面食らう人は多いんじゃないかと思います。

普通の方々が「議会」と言われて想像するのは、国会中継の様子。ここでは一問一答形式で質疑が行われていて、質問者と答弁者が入れ代わり立ち代わりしゃべっています。これが普通です。

ところが都議会の本会議は、いまだに「一括質問・一括答弁」というシステムを採用しています。例えば代表質問だと最大会派の都議会自民党は1時間以上、その他の会派も30分~40分くらい持ち時間があります。

この時間をまず、ずーっと一方的に質問者が朗々と喋る。ぶっ続けで。それに対して今度は知事や各局長たちが、これまたその1.5倍くらいの時間をかけてぶっ続けて丁寧に回答していく(質問者は議員一人ですが、答弁者は知事・局長たちが入れ替わりに行います)。

よってオーディエンスとして聞いている方としては、回答が返ってくる頃には質問内容を忘れているなんて自体になるわけですね…。

質問者と回答者が入れ替わる時間をセーブできるというメリットがあるとはいえ、これはあまりにも見ている側に対する配慮が欠けたやり方ではないでしょうか。都議会の場合、委員会質問はきちんと一問一答形式になっていますが、この本会議の部分がなかなか変わりません。

なお地方議会によっては、本会議の質問も含めて一問一答形式にするところも増えています。「開かれた議会」を目指すのであれば、当然に検討していかなければならない改革事項だと思います。

ちなみにこの一括質問・一括答弁が招いた都議会珍事件として、「答弁者が、まだ聞かれてもいない未来の質問を答えてしまって時空が歪む」という事態が発生したことがあります。

いつも無風の都議会本会議で、ハプニング発生!「儀式化」の虚しさよ…
http://otokitashun.com/blog/togikai/3591/

まさにシナリオ議会・儀式化した議会が起こした弊害と言えるでしょう。

この都議会への注目を機に、「ここがヘンだよ、東京都議会」的な部分にもスポットライトがあたり、改革が促されていくことを期待したいと思います(もちろん、中からもしつこく提案しています!)。

明日の代表質問、どんな切り口の発言が飛び出すでしょうか。ご注目ください。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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