こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
舛添知事問題の影に隠れてひっそりと、都議会最終日に通った重要条例案があります。
それが
「都議会議員の定数是正条例」
です。
国政選挙に「一票の格差」があるということをご存知の方は多いと思いますが、
都議会議員選挙の定数割も長い間にわたって変更がなされておらず、
選挙区によって人口逆転などの不均衡が生じています。
参考:
都議選は無効?!東京都にもある「一票の格差」
(これがもう2年前の記事か…)
で、先だって国勢調査の結果が発表され、
選挙管理委員会がこうした不均衡・人口逆転を解消するためには
「6増6減(6選挙区で人数を増やして、別の6選挙区で人数を減らす」
が必要であるとコメントを出しました。
北区も見事に、議員定数を「減らす」側に入っています。
都議12選挙区「6増6減」必要に 議会、条例改正方針(東京新聞)
※画像も同記事中より引用
明白な数値的根拠があるのだから、まずはこれ通りにやるのが大前提。
その上で、127人は多すぎるから減らすとか、そうした「次の議論」に進むべきです。
私たちかがやけTokyoを始めとして、多くのいわゆる野党は「6増6減」を主張しました。
※民進党は「6減のみ」を提案し、議員定数を減らすという主張には大いに賛成なのですが、
残念ながらこれでは人口逆転がまったく解消できません…
に も か か わ ら ず 。
自公が中心となって進めた「都議会のあり方検討会」が出した結論は、
2増2減という根拠薄弱な、とうてい納得しがたいものでした。
都議会検討会の議員定数案「2増2減」 逆転選挙区まだ6通り(東京新聞)
※画像も同記事中より引用
上記の記事にもあるように、これでは人口逆転区がまったく解消されません。
それどころか、是正したはずの北区と新宿区で新たな定数不均衡まで発生しています。
今回は2増2減にとどめた理由を、
本会議場で趣旨説明をした議員(北区選出のK氏)は
「激変による混乱を避けるため」
としましたが、断言しますが議員定数変更で都民に混乱なんか絶対に起きません。
困るのは実際に増やされたり、減らされたりする現職都議会議員たちだけです。
(増えるのも選挙区内のパワーバランスが崩れるので、現職議員は嫌がる)
結局のところ、今のルールで勝ち上がってきている現職議員たちは、
現状維持が最善の選択肢なのだから、本音では定数是正なんて絶対にやりたくない。
でも15年近く定数是正をしていない都議会に対しては、
さすがに世論の風当たりも強くなってきた。何もしないわけにはいかないから、
ここは小手先の変更にとどめて、被害を最小限に食い止めよう…。
自公を除くほぼすべての都議会議員たちが反対したにも関わらず、
こんな愚かな提案が平気で通ってしまうのが、現在の都議会の体たらくなのです。
後日とりあげますが、リオ五輪の高額視察の件といい、
都議会の内情も驚くべき腐敗が蔓延しています…。
■
さて、もう一つ着目すべきは、2増2減の対象区。
増えるのは北多摩第三選挙区(調布市+狛江市)と町田市選挙区。
これは順当なのですが、減らす選挙区が「中野区と北区」になっています。
ですが東京新聞の画像を見るとわかる通り、本来の人口順で計算すれば、
2増2減で削減対象になるのは「中野区と新宿区」のはずです。
これを都議会では、「おときた殺し」だという噂がまことしやかに流れています(苦笑)。
まあ、本当にそうだとしたら、そこまで思われるのは光栄ですね。。
という冗談(?)はさておくとしても、
中野区で最下位当選は共産党、そして北区はわたくしです。
一方で、新宿区の最下位当選は自民党。
…もうおわかりですね?
彼らがいったい、どういう意図でこうした操作を行ったか。
この事実を正当化するために、自民党は
「新宿区は、日中人口(働きに出てきている人)が多いから」
という驚きの独自理論を持ち出しました。
住人は確かに少ないけれど、新宿区で働いている人は非常に多い。
そういう人たちの「民意」を汲み取るために、都議会議員は減らしちゃダメだそうです。
言うまでもないことですが、選挙は「住民」の意思で行われます。
日中人口、つまり昼間に働いている人の数が考慮されるなんて話は、聞いたことがありません。
そんなことが考慮されるなら、今の選挙区割はすべて抜本的な見直しが必要になります。
住んでいないのに働いている人のことまで考えるくらいなら、
実際に住んでいる永住外国人のことを先に考えやがれって感じです。
(私は外国人参政権には反対ですけど、一例として)
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というわけで次回の選挙区から、私の選挙区(北区)は議員定数が4から3になります。
徹底した「政党選挙の中選挙区制」である都議会議員選挙において、
これは自・公・共で確定の無風区になったことを意味します。
ちなみに舛添問題の渦中にわざわざ言いませんでしたが、
舛添さんが解散してたら同様に、定数3で選挙に突入したんですよね…。
文字通り、北区で一番有名な無職になることがほぼ確定してたという(苦笑)。
それでも私の、不信任案提出の意思は少しもブレることはなかったですけど。
ただ、6増6減にしても北区はこの結果になっていたわけですから、
文句や泣きごとを言っていても仕方ありません。ちょっとネットで有名になったくらいでは、
とうてい勝ち抜けない厳しい条件ですが、目にものを見せてやりたいと思っています。
私の任期まで、残りちょうど1年となりました。
「北区なら減らしても、俺たちの地位は安泰だろう」
「これで目障りなオトキタは落選確定だ、ざまあみろ」
そのように思っている方々に、
2増2減で北区に「白羽の矢」を立てたことを後悔させてやりますよ!
皆さまからも、なお一層のご支援を賜われれば幸いです。
なお来週の都政報告会も残席わずかです。お早めにお申し込みをば。
舛添問題、その舞台の裏側は?次なる知事は、都政の争点は?6月25日(土)10:00~都政報告会を行います!
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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