ひらけ、東京!!

待機児童っていつまで待機しているの?

政治コラム

子ども手当の来春廃止、民・自・公が正式合意

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110804-00000538-yom-pol

悪名が高かった民主党の目玉施策「子ども手当」が廃止されることがほぼ確定し、民主党の存在意義がますます疑われる今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

以前、この子ども手当でも記事を書かせていただきましたが、

「子ども手当」の何が問題だったのか?

http://www.junkstage.com/syun/?p=37

制度設計に問題はありまくったとはいえ、「子どもは社会で育てるもの」という崇高な理念や、少子化対策の起爆剤として期待された政策が無に帰ってしまったことは、子育て現役世代(私は独身だがな!)として非常に悲しいことでもあります。

というわけで、今日はそんな子ども手当へのレクイエム(追悼記事)として、子育て支援問題に直結する「待機児童」について書きたいと思います。

職を探す「就活」、結婚相手を探す「婚活」と並んで、保育所を探す活動が「保活」という言葉で定着していることをご存知でしょうか?少子化が進み子どもの絶対数が減っているにも関わらず、保育所に入れない待機児童の数は増加の一途を辿り、2009年には過去最高の4万6000人に達しました。

しかしこの数はあくまで国に承認された「認可保育園」に入れず待っている子どもたちの人数です。やむなく無認可の保育所に通う子どもの数や、潜在的な希望者は一節によると80万人にものぼると言われています(厚労省アンケート調べ)。保活という言葉が誕生する理由も頷けます。

こうした状況の中、政府は「待機児童0!」と勇ましい目標を掲げ、選挙になれば多くの候補者たちが「子育て支援」「保育所の充実」を訴えるにも関わらず、保育所が増える気配は一向に感じられません。

なぜなのでしょう??
ここでもまた、悲しい「既得権益」というキーワードが立ちはだかります。

目先の理由としては大きく、次の2つに集約されると言って良いでしょう。

・公立認可保育所の異常なる高コスト

公立認可幼稚園に通う児童一人あたりのコストをご存知でしょうか??東京都内であれば、平均して40万~50万円です。…年間ではありません。なんと月間です。つまり児童一人あたりにつき、年間で約500万もの育児コストが発生しています。

これに対して、運良く公立認可幼稚園に通えた保護者が払うのは平均して2万円程度。つまり、月々38万円以上は税金で賄われている、補助金漬けジャブジャブの事業が保育所なのです。こんな高コストな事業が、財政が火の車である日本において拡大するはずがありません。

なお、この高コストを支える最たるものが保育士の人件費です。保育士というとハードな職務に安い賃金、というイメージが定着していますが、公立保育所の保育士は立派な「公務員」。その平均年収は800万を超えています。

補助金漬けになった事業は採算を取る必要はありませんから、一般企業であれば常識的に改善されるはずの賃金体系も、ほぼ手付かずのまま放置されているのが現状といえるでしょう。

※あまりに高いとの批判から2000年に賃金体系が一部見直され、以降保育士になった若手の給与は常識的な金額になっているが、すでに高所得を得ていた保育士の賃金にはほぼ手が加えられていない。もはや。

・事業認可への参入障壁

こうした事業を効率化していく最も簡単は方法は、自由競争です。株式会社やNPOなどの民間組織に保育所事業を認可し、サービスとコストの両面で競争をさせる。これにより保育所のコストは下がり、すぐに補助金を撤廃することが難しくても、いずれは常識的な金額に落ち着くことが予想されます。

ところが現在、株式会社やNPOが保育所事業に参入するには果てしなく高いハードルがあります。施設に求められる一定以上(これが厳しい!)の面積や設備、規定されている保育士の人数、そしてそれを養う多大な人件費。

仮にこれらを乗り越えたとしても、新規参入団体には補助金を獲得するのにまた厳しい規定があります。事実上、民間団体が利益を出すのはとても難しい状態になっており、新規参入を締め出しているに等しいのが現状です。

このような明白な問題点があるにも関わらず、一向に改善しない理由はなにか?簡単です。既存の保育所を筆頭とした既得権益者の強行な反対です。彼らは保育士の給与改定や事業の自由競争に、ことあるごとに反対してきました。

前述の通り、補助金漬けになった事業はサービス向上も効率化もコスト削減も必要ありません。お客様(待機児童)はうなるほどいるのだから、待っていれば高い利益を手にすることができます。

自由競争ということになれば、こうは行きません。すぐには補助金がなくならないにしても、サービス・コストの両面から様々な団体と競争をすることになります。そうなれば今のような放蕩な賃金体系を維持したり、だまっていてもお客様が獲得でき、またせっかく入所できたお客様たちはサービスに一言も文句を言わない、などという夢のような状況にはならないでしょう。

もちろん彼ら(既得権益者)は、「賃金が下がるから嫌だ!」「ほっといてもお客さんがくる状況を手放せるか!」などとは言いません。改革反対の旗印には常に「保育の質」なる美辞麗句が持ち出されてきました。

政権奪取後は威勢よく子育て支援を訴え、「こども園」の導入に積極的だった民主党政権も、この「保育の質」を掲げる既得権益者たちの強行な反対に骨抜きにされたのは記憶に新しいところです。

しかし、一人あたり月50万もの税金を導入し続ける保育が、果たして「質の良い保育」などと言えるのでしょうか?
よしんばそれが無認可や営利団体がなんとか経営する保育施設より「質が高い」としても、80万人ものぼる待機児童を放置する理由になりえるのでしょうか?

自由主義経済である日本で「質」を選ぶのは、提供する側ではなく我々サービスの受け手側であるべきです。その当たり前の形を作る「規制緩和」「自由競争の導入」こそが、待機児童解消のために一刻も早く望まれる政策です。

なお、公務員の労働組合を最大の支持基盤とする民主党政権には、一生かかってもこの既得権益を突き崩すことはできないでしょう。

業界、政界のしがらみの少ない、若手政治家を国政に送り込み続けること。それが結局のところ問題解決の近道なのです(というわけで結論はいつもと同じ。笑)

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おときた駿

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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