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民主党と合流しようとする新興政党が分裂する運命にある理由

日々のこと,

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
日本から離れているわずか2日間の間に、政界の模様が一変してしまいました…

橋下氏、10月に新党結成 政界復帰含み、維新大阪系12人中心
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150830-00000048-san-pol

ついに「最後の第三極政党」維新の党の分裂が決定的になり、
私の元にも多くのご意見や問い合わせが相次いでおります。

他党のことではありますが、元みんなの党議員として分裂・解散を
経験した立場から、現在の状況についてコメントを書いておきます。

旧みんなの党が最後に空中分解した引き金を引いたのは、
一部の議員たちが「民主党との連携・合流」を模索したことにありました。

「まず受からなければ、何もできない」魔法の言葉に堕ちた政党と政治家たち
http://otokitashun.com/blog/daily/5063/

…いま読み返しても悔し涙を禁じえませんが、上記の記事の通り、
民主党との協力は端的に言って「選挙での再選」が目的と言えます。

今回の維新の党分裂についても、様々な細かい思惑はありましょうが、
基本的にはこれと同じ構図で説明することができます。

今回、民主党との連携を強力に推し進め、
代表・幹事長というポジションに党を割ってでも固執した
元民主党の松野氏・柿沢氏の選挙区事情を見てみましょう。

【東京15区 柿沢未途氏】

スクリーンショット 2015-08-30 20.01.04

【熊本1区 松野頼久氏】

スクリーンショット 2015-08-30 20.01.41

ご覧のとおりこの選挙区は自民党VS維新の党の構図となっており、
「野党統一候補」として民主党候補が出馬しておりません
結果、柿沢氏は小選挙区で当選、松野氏も危なげなく比例復活を遂げています。

しかしながらこの票差を見ればお分かりの通り、
ここに民主党候補が立てば途端に彼らの当選には黄信号が点滅します。
彼らとしてはなんとしても、民主党と協力・あるいは合流するしかないのです。

維新・松野氏、民主との合流協議加速 「強い野党必要」:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASH8Z5J68H8ZUTFK001.html

ちなみにこれは、元みんなの党最後の代表である
浅尾慶一郎氏(元民主党)の選挙区もまったく同じ事情なんですね。
おやおや。

【神奈川4区 浅尾慶一郎氏】

スクリーンショット 2015-08-30 20.08.19
(以上、画像は読売新聞特設サイトより)

一方のいわゆる「大阪組」たちは、大阪での未だ高い支持率に加えて、
多数の地方議員を選挙区に抱え込んだ、

「民主党なんかと(選挙)協力する必要はない」

という力のある議員たちが中心です。
自民・民主・維新という激戦選挙区を闘ってきた現職もいます。

さらに、大阪市議会において民主党の議席は現在ゼロなので、
民主党と協力したりおもねる必要はまったくないどころか、
既得権益に支えられた彼らは障壁となるので、政策協力は百害あって一利なしと言えます。

こうした利害の異なる政治勢力が党内に分立しては、
今回の離党騒動・党分裂は不可避のものだったと言えるでしょう。
元みんなの党の時と同様、

「まず受からなければ、何もできない」

そう考えて民主党に近づいた議員が公に発生した時点で、
残念ながら維新の党分裂は秒読み状態に入っていたのです。

擁護をすれば、彼らは現実主義だったとも言えます。
三期・四期と当選を重ねなければ、力は持てない。
理念や政策は異なっても、まずはまとまとまることが重要だ、と。

ただ、やはり私個人としては、こうなっては政治家として終わりだと思います。
本当に政治家としての信念をしっかりと保っているのであれば、間違っても

「労働組合とも意外と政策的共通点が多い」

などという言葉は出せないはずです。
こうやって、既得権益に政治家は取り込まれて行くのですね…。
(政策的共通点以前に、構造的に彼らと改革が共にできる可能性は皆無です)

そしてこうした「現実主義」の政治家たちとは当然、
改革派を標榜して信念を貫く政治家とはまさに水と油の関係になるわけで、
心情的には原点回帰を目指す大阪維新組にシンパシーを感じます。

まあだったら、どうして2012年の夏に
当時既得権益の塊のような存在だった太陽の党(石原さんたち)と
合流したのかという話に戻るわけですが…ゴニョゴニョ。。

しかしつくづく恐ろしいのは、民主党の依然とした影響力です。
労働組合・日教組などの集票力・動員力などというよりも、

「ここに民主党候補を出されたら、新興政党の候補は終わり」

という構図を生み出せる力を持っているという点で、
やはり野党のパワーバランスの頂点にいると言わざる得ません。

みんなの党、維新の党の崩壊・分裂から証明されたことは、
民主党という「第二極」が存在する限り、残念なことにその引力によって、
「第三極」という政党は存続することができないということではないでしょうか。

そういった意味で、政界再編の核はいまだに民主党なのかもしれません。
彼らが存在し続け変わらない限り、日本の政治はアレということですね…oh。。

自党でも他党でも、一度は志を同じくした仲間たちが
袂を分かつ姿を見るのは忍びないものです。地方議員は蚊帳の外ですから、なおさらに。

一週間後にはどうなるかわからない政界ですが、
国政政党所属のはしくれとして、政治の透明性や理解が高まるような
情報発信を続けていければと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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