本日、とあるメディアの方が政務活動費について取材に来られました。
政務活動について、詳しくはこちら↓
月々60万円、「政務活動費」の実態を追え!
http://otokitashun.com/blog/togikai/1440/
議員一人あたり月々60万円という全国最高額が支給される東京都ですので、
さぞかし無駄の温床や利ざやの巣窟になっていると思われがちなのですが…
約1年間議員をやってみた結論から言いますと、
東京都の政務活動費、ありえないくらい使用用途が厳格です!
そしてぶっちゃけて言えば、めちゃめちゃ使いづらいです!
とにかく政務活動費の運用については、
「性悪説」に基づき議会局からあらゆるチェックが入ります(苦笑)。
都政に関係ない事項が少しでも入っていれば使用不可、もしくは按分です。
つい先日も、千代田区議会で知人と9泊という長期間
北陸に視察旅行に言っていた議員がすっぱ抜かれていましたが、
「性愛図鑑」も「知人と9泊北陸視察」も、政務調査費で
http://www.asahi.com/articles/ASG3P6SS0G3PUULB005.html
都議会ではまず、こういう事態は起こりません。
視察にかかる交通費・宿泊費は秘書や政調スタッフすら不可で議員本人のみ。
そのスケジュールは1時間単位で証明が必要で、空き時間に一つでも
私的な用事を入れればその瞬間に政務活動費の適用はできなくなります。
(喫茶店での休憩も不可らしい。同僚議員談)
また外部のコンサルタントに政策調査などを依頼する場合は、
契約関係や外注先の素性、成果物は細かくチェックされ、
少しでも都政に関係のない調査があれば政務活動費の適用はこれまた除外。
おそらくかつて、
・秘書と称して愛人を視察に連れて行って私的な旅行をしたり、
・自分のペーパーカンパニーに調査依頼をしてマネーロンダリングしたり、
なんてのが横行していたことが容易に予想されますが、
こうした先人たちの悪行が積み重なっていま議員をやっている我々は、
とーーっても厳しい縛りの中で政務活動費を使用することになっているのですね。
…あ、でも「性愛図鑑」は理由つければ買えそうな気がする。
不健全図書の研究とかなんとかで。←
■
そんな政務調査費は毎年夏になると、議会局の所定の場所で
どなたでも閲覧できるように公開されます。が、そんなところまで
平日昼間に見に来れる普通の人はまずいないと思うので、
私の分の内訳は、勝手にこちらで公開することに致します!
どどん。
私個人には当選から3月末までに420万円の支給がありまして、
約414万円を使用し、6万円弱を東京都に返還いたしました。
収入について補足しますと、通常月は60万円のうち10万円を
会派(みんなの党Tokyo)の共有費として上納していまして、
最後の2ヶ月は会派の財政に余裕があったので全額いただいています。
で、支出は議会局フォーマットに則って
項目分けしておりますが、支出のトップ3は
1. 広報紙代(チラシ代)
2. 人件費
3. 事務所費
と相成りました。
新年会などの会合へは、一切支出していません。
冒頭に貼ったリンクの記事で、
「政務活動費は本来の意義である調査研究に使われるべきである!キリッ」
なんて大口をたたいていたのですが、
結果として視察にも調査にもほとんど使えませんでした…。
その大きな理由は前述の「あまりの制限の厳しさ」です。
政務活動費を充てられる範囲で視察や調査研究をしようとすると、
どうしても求めるものが出てこなかったり、つまらない結果になってしまうので、
結局ほぼすべての視察と調査研究は自腹を切りました。
政務活動費を充てるために視察先や調査手段を
変えるんじゃ、文字通り本末転倒ですしね…。
■
蛇足ですが、東京都の政務活動費の性質を示すために、
例としてある月の政務活動費の内訳をご覧ください。
(スタッフの個人名のみ黒塗り)
矢印をつけた「按分」というところを見ていただくと、
ほとんどすべての項目で半分か4分の1の適用になっていると思います。
もちろん、残りの分はすべて議員報酬から払う自腹です。
つまり、月々50万円の政務活動費をいただいて、
それをフルにつかって政治活動をしようとすると、
ほぼそれと同額を自分のポケットから支出することになるのですね。
うーん、月収手取り80万でも、そりゃ裕福にならないわけだ。苦笑
もっと「うまい使い方」をしている議員さんは
たくさんいると思いますけど、あくまで
「按分せず(自分の懐を傷めず)に使い切ること」
が目的ではなくて、都政・政界に対して有意義な
成果をもたらす活動に対して使用することが目的なので、
貧乏になりそうですが今後も有効に使っていきたいと思います。
とはいえ、今年はちょっと考えて、やはりチラシばかりではなく、
視察や調査活動に活用したいなーと。具体案はあるので、また近々ご報告しますね。
長くなりました。
良い週末をお過ごしください。それでは、また明日!
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
twitter @otokita
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Tags: 政務活動費