こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
本日行われた豊洲市場問題特別委員会で、石原慎太郎元知事などの参考人招致が決定したことが大きなニュースになっています。
<豊洲市場>石原氏、参考人招致に応じるか(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170207-00000123-mai-soci
東京都議会の豊洲市場移転問題特別委員会が7日開かれ、石原慎太郎・元東京都知事らを参考人招致し、意見聴取することを全会一致で決めた。豊洲市場(江東区)の地下水モニタリングで国の環境基準値を大幅に超える有害物質が検出されたことなどを受け、市場用地取得の詳しい経緯などを調べる。
招致時期や聴取内容は今後調整するが、参考人招致には法的な強制力はなく、石原氏らが応じるかどうか注目される。
(上記記事より抜粋、強調筆者)
ようやくと言ったところですが、いまだに真相が明らかになっていない所謂「盛土」問題も含めて、当時の責任者たちにようやく議会が意見聴取を行うことになりました。
これを参考人たちが出席拒否すれば百条委員会という流れは不可避になりますし、現段階でも偽証の許されない百条委員会設置を求める声も上がっており、いずれにせよようやく都議会でも調査・追及が行える場が整いそうです。
…がっ!
ここで我々(都民ファーストの会東京都議団)的には、非常に大きな問題が。。これまで豊洲市場問題特別委員会(23名で構成)に持っていた委員枠が、2月15日をもって失われる見込みなのです。
せっかくの機会なので、ここで少し都議会の仕組みの話をしたいと思います。
基本的に議会活動というのはすべて、「会派」と呼ばれるグループ単位で決定し、その人数が大きな影響力を持ちます。各委員会に何人の委員を出せるか、委員長や理事などのポストを獲得できるかどうかは、すべて会派の人数で決定されるのです。
参考:都議会のお話しVol.1 ~会派ってなに?
http://otokitashun.com/blog/togikai/1277/
今回、豊洲市場問題特別委員会の設置にあたっては、「できるだけ多くの会派の意見が集約できるように」ということで、最小ロットである3人会派まで委員を出せる人数が設定されました。
もちろん、理想を言えばすべての議員=一人会派まで参加できれば良いのですが、それでは物理的に議論を進めることが困難になりますから、この線引はおおむね妥当なものだと思います。
それで設定されたのが「23名」という数字で、これをドント方式(選挙でも得票数に応じて使われる議席配分方式)で大会派順に割り振っていくと、3人会派も1名ずつ委員が出せたわけですね。
ところが1月に、都議会自民党から離脱された都議3名が「新風自民党」という新会派を立ち上げました。これも最小ロットである3人会派です。よって現在、東京都議会には
・新風自民党
・都議会生活者ネットワーク
・都民ファーストの会東京都議団
という、3つの3人会派が存在することになります。すると、どうなるか?
豊洲市場問題特別委員会で、ドント方式によって3人会派に向けて確保される議席は2つ。どこか一つの会派が、委員枠を得られないことになってしまうのです。
他にも似たような状態になってしまう(3人会派で2枠しかない)委員会として、議会運営委員会と五輪対策推進特別委員会があり、これらも含めて総合的な調整が行われました。
調整は難航し、最終的には豊洲市場問題特別委員会枠を手放したくない生活者ネットワーク・都民ファーストの会東京都議団による厳正なるくじ引きの結果…
負けました。
これによって次回15日の議会運営委員会で議席の変更が行われ、仮に3月に参考人招致が実現したとしても、我々の会派は質疑に参加できないという状態なのです。。
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もちろん、この状態を良しとしているわけではなく、当初の「3人会派まで参加させる」というコンセプトの維持や、議論の継続性という観点から、豊洲市場問題特別委員会の委員増員を議会運営委員長宛に申し入れる予定です。23名→25名にすれば、3つの3人会派がすべて参加できるようですから。
事程左様に、議会活動というのは「数」で大きく左右されます。大会派が分裂して数が減ったみたいだなーなんて思っていると、他人事ではなくこのように委員会ポストが削られたりするわけです。
だからこそ大会派は少人数であっても数を減らさないように神経質になりますし、逆に言えば少数会派でも重要な委員会ポストを得られるチャンスが巡ってきたりします。
こうした議会での水面下の争いも知識として知っていただくと、また議会内での攻防の違った一面が見えてくるかもしれません。
いずれにせよ、特別委員会の増員や、百条委員会設置の際は25名以上の委員数となるよう、議会内で働きかけを強めていく所存です。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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