こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
4局にわたって続いてきた決算特別委員会も今日で一段落。都立病院や公社病院を運営している病院経営本部への質疑を行われ、私からは主に、都立病院等がいまだにネット予約に対応していない件を再び取り上げました。
過去記事:「自分一人では生きていけない気分になる」都立・公社病院における、言語聴覚障害者への対応改善を!
http://otokitashun.com/blog/togikai/5058/
この質問をしたのはちょうど2年前ですが、都立病院の対応は基本的に変わっていません。原則はどこの都立病院も電話による電話受付のみ。
こちらの大塚病院のように、メールアドレスを掲載しているところもありますが、あくまで「ご意見」の受付で患者対応には至ってません。
そしていま気づいたけれど、多摩総合医療センターに至っては、「お問い合わせ」をクリックすると404に飛ぶんですけど?!これは論外なので、直してもらいましょう…。
民間の医療機関では初診時も含めてネット予約が普及しており、そのためのシステムなども複数開発されています。原則的に紹介制の都立病院とはいえ、こうした事態を無視して良いのでしょうか。
これらの疑問に対する2年前の厚生委員会の答弁は、誠に残念なものでした。
「言語や聴覚に障害のある方については、家族や友人などの代理の方が電話で受診予約をされていることが多く、これまで特に支障は生じていない」
…これはまさに、健常者視点でしかない考え方と言わざる得ません。
障害者の自立したい、自分の身の回りのことはできる限り自分でやりたいという切なる願いを無視するものであり、障害者差別解消法で規定された「合理的配慮」がなされているとはとても言えないのではないでしょうか。
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2年の時を経て、また前述の障害者差別解消法の施行や、2020年東京パラリンピックを控えて、障害者対応を取り巻く環境は大きく変化をしました。
そこで今一度この都立病院の受付時における障害者対応について疑義を投げかけたところ、答弁に明確な変化が現れました。
前回:
「患者ごとに異なる状況をきめ細かく酌み取り、患者が安心して納得できる医療を提供していくことが大切であると認識しており、メールやインターネットの利用は、多くの課題を有していると考えている」
↓
今回:
「メール等の導入については、様々な制約に応じた実現可能性や、事業への影響の程度などの視点を踏まえ、総合的に判断して対応する必要があると考えている」
回りくどい表現を比較して恐縮ですが、「多くの課題を有している」は行政用語でゼロ回答、つまりまったく対応する気なしです。
それに比べると今回の答弁は「総合的に判断して対応」ということで、変化に対して含みを残しています。つまり、検討段階の一歩手前までは踏み込んできたということです。
もちろん人員確保などのコスト面や、詳細な病状を聞き取るなどの実際の運営面での課題はあると思います。しかしながら、できる方法は複数あるはずです。
例えば以前に私がブログでもご紹介した、日本財団が運営する「電話リレーサービス」というものがあります。テレビ電話で手話通訳者などのオペレーターを介して、健常者と言語聴覚障害者が電話でやり取りできる仕組みです。
「耳が聴こえない人は、電話が使えない」日本の常識は、世界の非常識?
http://otokitashun.com/blog/daily/10644/
あくまで一例ですが、メールやネットシステムでの予約を受け付けて、詳細の聞き取りが必要であればこのリレーサービスを用いて病院側から患者さんに連絡を取るなど、こうしたやり方も検討に値するのではないでしょうか。
公的機関が「合理的配慮」を行うことは、今年4月から法的に義務付けられています。障害者対応のモデルケースとなる取り組みが都立病院などから一刻も早くスタートするよう、引き続き働きかけを強めていきます。
決算委員会も山場を超えましたが、11月はオリパラ特別委員会が活発になりそうです。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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