こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
候補者擁立が注目される東京都知事選挙ですが、本日は自民党・小池百合子代議士が
いち早い仕掛けをしてきたことが大きな話題を呼んでいます。
小池氏出馬、自民動揺…与野党ともに混迷(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160630/k00/00m/010/085000c
これに対して自民党の東京支部である自民党都連が、
「そんなことは聞いてない!」と反発している旨が記事になっていますが、
ぶっちゃけ一般の方々からすれば、
「え、なんで自民党内が揉めてるの?自民党は一つじゃないの??」
という疑問を激しく覚えている状態なのではないかと思います。
なので、今日はこの辺りのパワーバランスについて説明してみたいと思います。
…なんて、他所様のことに首を突っ込むとまた怒られそうなので、
これはあくまでいち都議会議員から見た光景であることをお断りしておきます。
(まあ、毎日の情報発信はすべてその前提ですけどね)
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最近は舛添問題などでもよくニュースで目にすることになった「自民党都連」ですが、
自民党の党内においてはこれが非常に大きな力を持っています(持っているようです)。
一説には、国会議員の権力をも上回ると言われているほどで、実際にそうなんだと思います。
その権力の温床とも言える人が、
これまた最近メディアでよく目にする内田茂都議という「都議会のドン」でして、
有権者にビール券を配っても捕まらないという唯一無二の人材です。
“ビール券配布”内田茂都議を不起訴処分
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000043066.html
こんなことを私がやったら一発で失職間違いないですが、
法治国家の日本でも不思議なことってあるんですね!
ほんとうにおそろしいせかいだなあ。
…閑話休題。
で、小池百合子氏はこの東京都連の内田茂氏とも、
そこと蜜月関係にある五輪組織委員会の森会長とも距離がある人物と言われています。
そんな小池百合子氏ですから、この東京都連に話を通さずに本日の記者会見を行ったようです。
国会議員とて、東京都に関わることであれば東京都連=内田茂に話を通すことは当然。
なのにそれをやらなかった、ケシカラン!!
…ということで、自民党都連が騒ぎ立てているのが現在、というわけですね。
鉄の組織かに見える自民党ですが、その内情は非常に複雑怪奇なものと言えます。
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自民党都連としては、嵐の櫻井パパの擁立に動いているのは間違いなく、
二代続けてアクが強い政治家を擁立してコントロールに失敗した経験から、
「自分たちの言うことを聞く、官僚出身の実務家が望ましい」
と考えていることは間違いありません。
現在の副知事4名も自民党都連と関係性が深い人選であり、
この上に実務家肌のトップが立てば傀儡政権となる可能性は非常に高いと言えます。
ここに、「政治家」小池百合子が待ったをかけた。
この事象だけ切り取れば、率直になかなか良いことではないかと思っています。
特に、今後4年間の最大の争点となる東京オリンピック・パラリンピックに関しては、
その利権を貪る自民党都連=都議会自民党はひたすらに予算金額の膨張を歓迎しています。
流れるお金が大きくなれば、その分だけ自分たちの権力の源泉となるからです。
「東京五輪全力派」「東京五輪断念派」より「東京五輪コストダウン派」が断然多いのに、全力派が桜井俊さん担いで、断念派が宇都宮さん推して、多数派のはずの「五輪やるのはいいけど金遣い減らせよ」を代弁してくれる候補者が出ないのは何でだ?
— やまもといちろう (@kirik) 2016年6月25日
ですがやまもといちろう氏が指摘するように、
都民がもっとも望んでいるのは「節制された東京五輪」です。
これができるのは、自民党都連や森会長と距離がある人物以外にはありえません。
※追記
オリンピック否定派・返上派に宇都宮氏の支援者が多いことは事実かと思いますが、
「宇都宮氏本人は、少なくとも前回の公約でオリンピック実施を掲げている」
との指摘がありましたので、その旨は念のため記載させていただきます。
とはいえこれから、小池百合子氏が東京都連の推薦を得るために、
どのような政策協定を交わすかわかりません。それ次第では、
これまでと同じ都政の繰り返しになる可能性もあるでしょう。
舛添問題に付随して何度も言及してきた通り、
東京都政の最大のガンは旧態依然とした東京都議会の体質です。
参考:
「都知事が変われば東京は変わる」は幻想。本命は、日本一旧態依然とした東京都議会だ
石原慎太郎でも完全に突破できなかったこの構造に対して、
少しでも一石が投じられる東京都知事候補が誕生することを期待し、
私も打てる手を模索していきたいと思います。
また動きがあればご報告・解説いたします。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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