こんにちは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
ここ3日間くらいで、三宅洋平候補(無所属)を応援する書き込みがSNS上で増えてきました。
知らない人のために少しだけ説明すると、山本太郎氏と一緒に熱心に活動し、
脱原発などを強く主張している所謂リベラル系の候補者です。
ミュージシャンという経歴を活かして、
選挙フェス
http://miyake-yohei.com/2016/06/21/senkyofes2016/
という音楽と街頭演説をミックスしたイベントを渋谷などで開催し、
3年前の参院選では全国比例で17万票という得票を叩き出しました。
今回も当時と同様、
「三宅洋平さんで初めて、政治というものに興味を持ちました!」
「みんな、このままじゃヤバイよ!投票に行こう、三宅洋平さんに一票入れよう!」
という声が上がっておりまして、
そこに少し物申したいと思いまして筆を取った次第です。
なお私は中道右派に位置する政治家であり、
三宅洋平氏とはほとんど真逆の政治思想や政策を持つ人間です。
そこら辺を差っ引いて読み進めて下さい。
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まず前段、現場を見ないでアレコレ意見をするというのもなんなので、
昨日、地元赤羽で行われた「選挙フェス」を見に行ってきました。
地元という地の利を活かして、裏側から撮影してくるとこんな感じ。
1000人とは行きませんが、300名程度は足を止めて見ていたのではないでしょうか。
壇上にいるのは山本太郎氏。
長時間、音響機材などを置いて公道を占拠してしまうイベントではありますが、
動線の確保などしっかりと配慮をしながらスタッフがキビキビと動いていました。
そして候補者本人も含めて登壇した方々の、
「今までの政治はダメだ、既存の政党に任せっぱなしではダメだ!」
「自分事として、政治に興味関心を持とう!」
というスピーチ内容は、まったくもって正しいと思います。
こうしたキャッチーなイベントや型破りな候補者をきっかけに、
これまで政治に興味のなかった方々が関心をもつのは喜ばしいことです。
ですがっ!
だからといって、その後に続く政治的主張や政策内容まで、
そのまま正しいと鵜呑みにしてしまうことは非常に危険だと思うのです。
直感的にそのまま投票所に行かれる前に、ぜひとも立ち止まって考えていただきたい。
もう自分の政治信条がしっかりと固まっている方は、良いですよ。
でも注意してもらいたいのは、まさにこうした「ビギナー」の方々。
率直に申し上げて、選挙フェスや三宅洋平候補の主張には懐疑的な部分が沢山あります。
政策的なものには個別に触れませんが、例えば安易に「陰謀論」に走る姿勢。
「これだけのイベントが行われているのに、メディアはどこも取り上げない」
「泡沫候補扱いなんて、明らかにおかしい。自分たちを潰そうとする陰謀だ!」
応援弁士の山本太郎氏も候補者本人も、口を酸っぱくしてこう叫んでいました。
ですが、これは明確に誤りです。メディアが取り上げないのは、実際に当落に絡んでないからです。
ただ単純に、世論調査で数字が出てないからです。
百歩譲って、山本太郎氏が言っていたように、
電話による世論調査がおかしいのだとしましょう(統計学涙目…)。
では、今日あった候補者本人からの次の発言。
三宅「今までここ赤羽に、これだけの人が集まったことがあるんでしょうか?!」
聴衆「ウオオオ!!(同調の叫び)」
(=これだけの盛り上がりなのに、取り上げられないのがおかしい!)
…はい、ありますよ。何回も。
例えば、同時間帯にちょうど反対側の赤羽駅西口で行われていた公明党の演説会。
選挙フェスの軽く2倍は人数が集まってましたよね。
これをいちいちテレビで取り上げてたら、放送枠がどれだけあっても足りません。
同じ場所(赤羽駅東口)で過去に行われた自民党や公明党の演説会でも、
首相クラスがくるときは選挙フェスの3倍くらいの人数が集まって盛り上がってました。
もちろん、だからといってテレビやメディアには取り上げられていません。
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この一例から何を言いたいかというと、特に政治初心者を自負する方々はぜひ、
まずは鵜呑みにせずに視野を広く持っていただきたいということです。
(特にオカルトチックな主張には、論理的な検証が超必要)
「これまでは政治にまったく興味がなかったけど…」
「三宅洋平さんの演説を聞いて、初めて色々とわかりました!」
三宅洋平候補を応援する書き込みに、よく散見されるフレーズです。
つまりこうした皆さまは、まだまだ政治や選挙を「知らない」わけです。
でもね、街頭演説の集客や盛り上がり一つとっても、選挙の世界は広いんです。
「こんなに盛り上がっている街頭演説会なんて、見たことない!」
ってそりゃあ、これまで興味がなかったら見たことないのは当然ですよね?
でも世の中には、それくらいの熱気がある演説会なんて沢山あるわけですよ。
他の方の言うことに耳を傾けてみれば、もっと感動することだってあるかもしれません。
もちろん、初心者であることや無知が悪いわけではありません。
投票を放棄するより、行かないよりは行くほうがよっぽどいい。
でも本当に政治を変えたい、社会を良くしたいと思うなら、
面倒でも少しだけ「勉強」が必要なんです。
選挙フェスは、例えて言うなら学習マンガや映画です。
とっつきやすいけれど、ところどころ不正確な表現やデフォルメがあるし、
そればっかり読んだり見たりしていても成績は上がりません。
結果を出したいなら、嫌でもそこから小難しい参考書を買って読み込んだり、
ちゃんとした先生に教わって勉強をすることが必要になります。
政治や選挙もこれと一緒なんです。
一時期の熱狂や感情だけで投票することはポピュリズムを招き、
誤った道に政治や社会を導きかねません。
彼のアジテーションやイベントで政治に関心を持った。
一つの素晴らしいきっかけだと思います。そこから色々と見聞きして、
それでも彼らのいうことが正しいと思うなら、一票を投じるのが良いでしょう。
ですが、自分が政治初心者だと思うなら。
投票の意思を固める前に、友人知人に呼びかけを始める前に、
少しだけ立ち止まって知識や考え方を「相対化」してみてください。
そこから本当の「政治参加」というものが始まるのかもしれません。
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なお、政治初心者の方が政治の勉強をするには、
拙著「ギャル男でもわかる政治の話」がオススメですよ!笑
そして今夜は若年層向けの東京FMラジオ番組、
SCHOOL OF LOCK!
http://www.tfm.co.jp/lock/index.html
に22時頃から生出演する予定です。
まさに選挙や政治について解説するポジションでの登場になりますので、
こちらも合わせて宜しくお願いいたします。
参院選投票日まであと4日。
引き続き、選挙の行方にご注目いただければ幸いです。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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