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敬老パス(シルバーパス)という歪んだ制度の行方に、日本政治の未来がある -大阪ダブル選挙の応援を終えて-

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

私が所属している国政政党「日本を元気にする会」が、
大阪ダブル選挙において「おおさか維新の会」へ支持を表明したこともあり、
本日は都構想住民投票の応援以来となる半年ぶりの大阪入りを果たしました。

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商店街の練り歩き(桃太郎)にポスティング、
最後は夕暮れの駅前で街頭活動と、微力ながら全力で
お手伝いをさせていただきました。

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私がなぜ橋下維新による大阪改革を支持しているかは、
以前に3回に渡ってシリーズで解説させていただき、大きな反響がありました。
もし未読の方がいらっしゃれば、ご一読いただけると幸いです。

第1話:
大阪府「ビルつくります!」大阪市「じゃあ、俺もつくるわ!」市民「」-大阪都構想、二重行政を読み解く-
第2話:
東京都の「区」と「市」の違い、言えますか? -大阪都構想、特別区の正体-
第3話:
与えられた環境か、自ら選んだ自由か -大阪都構想が問いかける、もう一つの大事なこと-

その他の大阪都構想関連の記事はコチラから。

うーん我ながら、とても良いことを書いているじゃないか…!←
政局や政党事情がどう変化しようとも、日本を変える最大の可能性を秘めている
橋下維新による大阪改革を、私は変わらず強く支持をしています。

それが本当に「政策・理念で行動する」ということなのだと思います。
手前味噌ながら。

そして今回はせっかくなので、別の論点について考察を述べたいと思います。
住民投票の時には争点になかった、大阪市の「敬老パス」についてです。
高齢者が公共バスなどの交通機関に乗るときに、運賃優遇される例のアレ。

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どうなる?敬老パス制度
http://oneosaka.jp/welection2015/pass/

これは東京都でも類似の制度が「シルバーパス」という名前で存在し、
私はこの制度の合理性・妥当性について繰り返し疑念を表明してきました。
たぶんココについては、日本でも屈指に詳しい地方議員だと思います(苦笑)。

※私の過去記事はコチラから。

高齢者に交通費補助を出す制度は、端的に行って非常にタチの悪いバラマキ政策です。
当初は人数の限られた高齢者に文字通り「敬老」的に行う人気取り政策からスタートし、
高齢化が進んだ大阪では毎年80億円の経費がかかるまでになりました(東京は160億円以上)。

これを正当化してきたのが、

高齢者の交通を優遇することで、外出を促せる

街を出歩くようになって、健康状態が改善する

お買い物などもついでにして、経済まで活性化!

というまったくの妄想理論です。
なんとなくそれっぽいので、それなりの政治家ですら騙されている人が多いのですが、
これらの理屈には一切数値や科学に基づくエビデンスがありません

医師でもある大阪市会議員の井戸まさし氏は、
以下のように指摘しています。

敬老パスで高齢者の健康に寄与しているはずの大阪市ですが、
医療費の抑制などにはまったく反映されていません。それどころか、
バスを使わず適度な歩行の方が望ましいことも指摘されています。

私も東京都で議会質問をする際に相当調べましたが、
シルバーパス・敬老パスが高齢者の健康に寄与するとか
経済が活性化するという調査研究結果は、ついぞ発見することができませんでした。

この敬老パス、橋下市長率いる大阪維新が抵抗勢力と闘い、なんとか完全無料から
1回あたり50円の負担という改革を勝ち取り、年間30億円の財源を生み出しました。
今回の反維新候補は、この一部負担の撤回(無料化)を再び公約しています。

見る人が見れば、小さな争点の一つかもしれません。
しかしあえて、橋下氏がこれを重要争点としたのは理由があると思いますし、
私もその意図を強く支持します。

その理由とは、この敬老パスという制度が、
今の日本政治の歪みを最も体現しているような政策であることでしょう。

上記で述べてきたように、我が国ではなんら数字や科学的な根拠がなく、
「なんとなく雰囲気で」有権者ウケしそうな政策が決まることがままあります。
特に効果測定が難しい、教育や福祉分野で非常によく見られる傾向です。

「私の経験からいうと~」
「市民の要望から考えれば~」

など、有識者や政治家たちがもっともらしいことを審議会で提言し、
ポピュリズムに傾く首長や議会がそれを採用してしまう。
こうして日本には、数えきれないバラマキ政策が蓄積されてきました。

さらに始末に負えないのは、こうした政策は既得権益化し、
一度スタートしてしまったらやめることが極めて難しい点です。
敬老パスの制度も、廃止や一部負担を言い出せば

「お年寄りがかわいそう」
「弱者切り捨てだ」

の大合唱と闘うことを余儀なくされます。
しかし、本当に日本社会を変えようと思うのであれば、
こうした根深い政策に切り込み、財源を生み出して行かなければならないのです。

ポピュリズムに陥りがちな民意や高齢者の抵抗を考えれば、
この敬老パス制度は大きく争点化をしなかった方が良かったかもしれません。

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※生み出した財源で、将来世代への投資を訴える橋下さんです

しかし、それでもあえて橋下維新がこれを争点化した(あるいは挑発を受けて立った)のは、
日本の政治構造を本気で変えていくという意思表示のように思えます。

少子高齢化が進み、財政破綻が確実視される我が国の未来を変えるためには、
根拠なきバラマキ政策を一つ一つ、是正していかなければなりません。

そしてそれは、私たち一人ひとりが少しずつ痛みを取ることを意味します。
残念ながら、政治家や公務員の給料を減らせと叫んで済む時代は終わりました。
でもそれはすべて、未来の子どもたちと社会のため。

私たちはその現実を、受け止めることができるか。
そしてそのような決定を行う政治家・政党を、支持することができるか。

今回の大阪ダブル選挙は、そんなことも問いかけている一つの分水嶺です。
どうか大阪の皆さま、明後日の投票日は選挙に足を運んでください。
それ以外の方々にも、政治を考える大きなきっかけになることを願います。

過去に戻すか、前に進めるか。
もちろん、前でしょ!

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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