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ドワンゴ川上量生氏の独白で、小池知事・東京都のずさんな公金管理意識が発覚か

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

先日、ドワンゴの川上氏が2020年東京五輪大会前後に行う都の文化事業「Tokyo Tokyo FESTIVAL(TTF)」の統括プロデューサーを辞任したことが突如として報じられました。

ドワンゴ川上氏がプロデューサー辞任 都の五輪文化事業
https://www.asahi.com/articles/ASL7L5GZFL7LUTIL042.html

この川上氏とTTFを巡る事業については、先の予算特別委員会で川松都議らから疑義が示されており、私も過去ブログで何度か取り上げてきました。

●示された2つの重大な疑惑。小池知事の「癒着体質」、そして「ヤラセ質問」【追記・修正あり】
●なぜ行政事業に「透明性・公平性」と「意思決定の厳格化」が求められるのか

辞任そのものは6月下旬になされ、予算特別委員会で取り上げられるなど注目度の高い案件であったにもかかわらず、報道が先んじるまで小池知事および東京都からの説明・発表は一切なく、その消極的な対応には私を含む多くの方が疑問の声を上げていたところです。

そんな中、当事者であるドワンゴ・川上量生氏が自身の公式ブログにて、辞任に関する声明文を発表しました。

TTF 統括プロデューサーの辞任について
http://ch.nicovideo.jp/kawango/blomaga/ar1631440

このブログの中で川上氏は、自らの辞任のきっかけとなった川松都議に公開討論会を要求。川松都議も受ける意向をTwitterで表明しており、ぜひ情報公開の観点から早期の実現を望むものです。

一方でその討論が行われる前ではありますが、このブログで川上氏が告白していることが事実だとすると、東京都側の対応にすでに重大な疑念が生じています

最大の問題点は、この部分です。

統括プロデューサーを引き受けるにあたっては、この事務局スタッフの一部を使わせて欲しいということを条件にいたしました。これは当然の要求であると思っています。私一人がプロデューサーになったところで、使えるスタッフがいなければ、なんの役にも立たないからです。(中略) 

超会議のスタッフを使いたいという私の出した条件に対して、私が統括プロデューサーでドワンゴに発注があるのは利益相反の問題を指摘される可能性があるので、東京都から発注を行う先はあくまで公募で選定した代理店にしたいということを言われました。ただし、その代理店からドワンゴに発注が行われるのは問題は発生しないだろうという説明でした

(上記の川上氏公式ブログより抜粋、強調筆者)

統括するイベントの実働部隊として、ニコニコ超会議(ドワンゴ)のスタッフを使うつもりであった川上氏に対して、

「それでは利益相反(都民の公金を恣意的に川上氏の会社に投資する事態)になるので、公募する代理店を通して発注したい」

と東京都が持ちかけたという事実が、赤裸々に語られています。

この書き方や情報公開に対する川上氏の考え方からして、川上氏にはまったく他意はないのかもしれませんが、私は一読して目を疑いました。

公募する広告代理店が発注する先を事前に決めておくなど、悪質な迂回発注でもはや「裏取引」とも言えるレベルのものであり、事実であれば重大なコンプライアンス違反です。

なんのために税金を用いる事業では「公募」という制度を用いて、透明性・公平性を担保しているのか、まったく理解していないやり方としか言いようがありません。

少なくとも行政側(東京都)はそんなことは百も承知だったはずであり、川上氏の発言が事実だとすると、こうした「やり口」が都庁内で横行していたことが推察されます

公募選定にあたってこのような事前約束があったのかどうか、都側の言い分だけでなく、当該の広告代理店側にも聞き取り調査をすることが必要でしょう。

小池知事や東京都が、川上氏およびニコニコ超会議スタッフの力を全面的に使って事業を展開するつもりであれば、最初からプロポーザル方式なり特命随意契約なりで、川上氏およびドワンゴを事業者として選定するべきでした。

勿論そうすれば、その時点でなぜ彼らを選んだのかという説明責任は問われることになります。恐らく、小池知事も東京都もそれを避けたかったのでしょう。

そこで外形的な公平性だけは整えて、見えないところで好き放題して突き進もうとした結果、その裏側を議会側から指摘されて崩壊したというわけですね。

また、川上氏は「利益目的ではない」「利益は出てない」ということを繰り返し主張されていますが、残念ながらそれを裏付けるものは現時点ではありません

都側に情報公開請求をしても、個別の企業に払っている金額がすべて出てくるとは思えませんから(それでも請求してみますけど)、これを検証するためにはドワンゴサイドから公表していただくほかないでしょう。

現時点で出されている情報から判断するに、川松都議らが予算特別委員会で指摘した疑問は的を射ており、小池知事・東京都のずさんな対応があらわになりつつあると感じています。

川上氏と川松都議の公開討論で、どのような事実が明らかになるのか。

また、川上氏の公式発表に対して、東京都と小池知事はどのような説明を返すのか。

多額の都民の税金が投資される事業です。引き続き、私も注視するとともに、皆さまにご報告していきたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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