こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
本日は久しぶりにTBS系「ゴゴスマ」のテーマが都政ということで、私も中継にて出演をさせていただきました。
大きくテーマは
・東京都の婚活動画、婚活施策
・市場移転問題
でして、後者については明日以降の代表質問・一般質問でまた動きがありそうなので本日は前者を取り上げたいと思います。
「結婚機運醸成のため」として、2月1日に公開されたこちらの官製動画に対しては、公開直後から賛否の議論が巻き起こっておりました。
この動画作成にかかった費用は、関係費用を含めておよそ3,000万円。
昨年には東京都が主催した初めての婚活イベント「縁結日」が盛大に行なわれるなど、婚活支援は小池都政で新たにスタートした施策の1つです。
結婚応援イベント「TOKYO縁結日2017」を開催しました
http://www.seisakukikaku.metro.tokyo.jp/enmusubi/enmusubi2017.html
婚活支援に東京都が乗り出すことについては、かねてより一部議員から求める声もあり、議会サイドが後押しをした側面もあります。
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私の意見を結論から申し上げますと、行政が直接的に婚活支援に乗り出すことは望ましくありませんし、費用対効果としても疑問が残ると思います。
婚外子が極めて少ない日本においては、結婚≒出産となっており、少子化改善のために行政サイドが結婚の旗を振りたいという気持ちは理解できます。
また、
「政治や行政が単一の価値観を押し付けるのはいかがなものか」
というそもそもの論点はありつつも、結婚した家庭に対する税額控除など、様々なインセンティブがすでに実行されているのも事実です。
しかしながら、いまや社会情勢や人々の価値観は大きく変わりつつあり、政治や行政も「ダイバーシティ(多様性)」を打ち出している最中です。
未婚の母やセクシャルマイノリティなど、既存の「結婚」という枠組みに囚われない人たちが多く存在し、またそれを受け入れようとする方向性の中で、政治・行政が「結婚」の旗を直接的に振ることはいかにも逆行しているように見えます。
あくまで政治・行政の役割は、子育て支援の充実などで「選択肢を増やすこと」であって、結婚という単一メッセージを打ち出すために公費を投資することは望ましいとは言えません。
また、官製婚活パーティーを行うべきとの意見もありますが、すでに街コンや結婚マッチングサイトなど、婚活市場には民間のプレイヤーが数多く存在します。
そこに公費を使って行政が乗り出すことは、民業圧迫にもつながりかねませんし、そもそも必要性が薄いでしょう。
もっと根源的なことを言えば、婚活施策に使う予算を若年層に減税という形で還元した方が、よっぽど結婚や出産に対するインセンティブになるのではないかと思います。
■
社会問題について「どこまで政府(行政)が介入するか」というのは、極めて難しい永遠のテーマです。
極端に「大きな政府」であり、公的機関に対する信頼度もある程度高いわが国においては、なんでもかんでも「官製」を求める傾向があります。
しかしながら、それでは支出の拡大が進み続け、人々からは自立心や自由意志が奪われる一方です。
政治や行政の守備範囲はあくまで最小限に留める視点から、私は今後も政策提言を続けていきたいと思います。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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