もっと、新しい日本をつくろう

舛添前知事がトーンダウンした児童相談所の特別区(23区)移管を実施し、社会的養護の充実を!

日々のこと, ,

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

「そろそろ政局ばかりではなく、政策の話を…」ということで、きちんとそちらの情報発信もしていきますよー。正確に言うと常にしているんですけど、拡散して皆さまの目に触れやすい記事にスキャンダルや政局の話題が多いだけなんですがね…。

新しい都知事が誕生したタイミングは言うまでもなく、大きく政策を転換し新しい施策を実施する最大のチャンスです。これまでやってこなかった理由は「前知事の意思」ということで片付けて、前例踏襲主義の官僚機構を新知事の意思で動かすことができます。

小池知事に期待することは多々あるのですが、その中の一つが社会的養護の分野、とりわけ児童相談所の機能強化・特別区(23区)への移管です。

96958A9E93819695E2E19A91978DE2E6E2EAE0E2E3E49180E2E2E2E2-DSXMZO0565797004082016CR0001-PN1-2
児童虐待、初の10万件超え 15年度:日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG03HCE_U6A800C1CR0000/

児童虐待の件数は右肩上がりに増え続け、ついに2015年度の対応件数は10万件を突破しました。これに一義的に対応するのは都道府県が所管する児童相談所ですが、1300万都民を抱える東京都にわずか11箇所しかありません。

そこに勤務するソーシャルワーカーは、虐待などの案件を1人で100件近くも抱え込むケースがあり、キャパオーバーは明らかです。なお、児童養護の分野で先進的な欧州諸国では、ソーシャルワーカーが抱える案件は多くても10~20件程度。海外視察に行った際に日本の現状を伝えると、みな一様に衝撃を受けておりました。

また先進諸国では、こうした児童相談所機能は基礎自治体が所管することが多く、「より市民に近い行政が、きめ細かく」行うことが基本となっています。詳しくはこちらの過去記事をご覧くださいませ。

参考:ドイツ・オランダ・イギリスに共通していた、社会的養護・児童養護の見習うべき点まとめ
http://otokitashun.com/blog/daily/9133/

そんな中、今年はついに児童福祉法が改正され、法律にも児童相談所の特別区への移管が可能と明記されました。このタイミングでの新知事誕生とくれば、移管検討をスタートする機は今をおいて他にありません!

参考:舛添知事にきた大チャンスボール!東京都は速やかに23区に児童相談所を移管し、里親委託(家庭養護)の促進を
http://otokitashun.com/blog/daily/11534/

上記の記事にも名前が出てきている舛添前知事ですが、実は就任当初は児童相談所の特別区移管に前向きな姿勢を見せていました。しかし都庁官僚に丸め込まれたのか、日を追うごとにその発言はトーンダウン。

「区長会からの要望といっても、すべての区が児童相談所の移管を望んでいるわけではない
「専門知識をもった人材の確保などの問題もあり、慎重な検討が必要」

と、まんまこれまでの「できない言い訳」を繰り返すようになり、結局彼が司っていた都政の中で、児童養護政策が前に進むことはほとんどありませんでした。

前者については、何も23区全てに一斉に児童相談所を移管する必要はありません。妙な横並び意識に囚われず、意欲のある・できる特別区からやっていき、成功実績を作っていく方が遥かに合理的です。

また、対応力を理由に「特別区には無理!」とする点については、特別区はすでに保健所機能を有するなど福祉行政の最前線を担っており、充分な対応実績とポテンシャルを持っていることを、元家庭支援センター課長であり児童養護分野の先駆者である鈴木秀洋教授も指摘しています(平成28年6月28日都政新報)。

先行実施区などを定めて児童相談所の機能強化・移管を進めていくことは、今後特別区だけではなく、すべての基礎自治体に児童相談所機能を移管・分化していくモデルケースにもなりえます。

誰もが問題意識を持ちながら、大幅なリソースや大胆な施策が向けられることがなかったこの分野に、今こそ大きなスポットライトが当たることが期待されているのです。

虐待対応以外にも、同じくキャパオーバーしている一時保護所の環境改善、施設保護への偏重状態の抜本的見直し、里親委託・特別養子縁組の促進など、子どもたち(要保護児童)を巡る問題は文字通り「待ったなし」です。

この分野は私が議員生活の中で、とりわけ力を入れてきたライフワークの一つです。練り上げてきた政策の一つ一つをしっかりと新知事に提言し、一日も早くすべての子どもたちに温かい生育環境が提供されるよう尽力して参ります。

舛添問題や都知事選から私を知っていただいた皆さまは、ぜひ社会的養護・児童養護に関わる過去ログなどもご覧いただけますと幸いです。(「論文を書く参考文献にしました!」などのご連絡も福祉系の学生から多数いただいており、嬉しい限り!)

社会的養護・児童養護政策についての過去ログ集

それでは、また明日。

個人献金のお願い
ボランティアスタッフご登録のお願い
音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

友だち追加
twitter @otokita
Facebook おときた駿
Instagram @otokitashun

Tags: , ,

ページトップへ