こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
昨日のTBS「ニュース23」を見て下さった皆さま、ありがとうございました!
ちなみに今朝は娘と、
「パパ、昨日ニュースに出たんだよ!録画みる?」
「見なーい(めざましテレビに夢中)」
という会話が行われました。
おや、目から謎の液体が…(号泣)。
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「保育園落ちた日本死ね!!!」って言われたけど、むしろ東京都は保育園をつくるべきではない理由
http://otokitashun.com/blog/daily/10445/
取材の元になったこちらの記事には、
いま現在に至るまで賛否両論、たくさんのご意見をいただいています。
すべてにお答えすることはできませんけど、いくつかだけ。
「少子化を前提としているのがおかしい!」
というご意見を多くいただきましたが、
人口学は未来予測をする上で最も正確な学問の一つです。
現在の出産可能年齢人口や出生率の推移から、
かなり正確な人口予測をはじき出すことができますし、
それが急激に変化することはなかなか考えづらいのが実情です。
私とて少子化を良しとしているわけでは勿論ありませんが、
限りある財源を配分する政治・行政の意思決定にはどうしたって
直近のこうした「事実」「数字」に配慮せざるを得ません。
こうした背景により、自治体が保育所設置に消極的になるという現実から、
まずは政策立案をスタートしなければならないと私は考えます。
あるいは、
「潜在需要が顕在化することの何が悪いのか?」
「需要がすべて満たされるまで、保育所を増やせば良い!」
という提案もありました。
どちらも私は、否定するものではありません。
ですがその解決策は、本当に保育所だけなのでしょうか?
現在の「待機児童数」を指標にして、漸次的に保育所を増やしていくスキームでは当然、
この問題解決には長い時間がかかりますし、その負担を一手に負う基礎自治体の動きは
鈍くなります。これでは潜在需要が消化される前に、人口がピークアウトするでしょう。
加えて、大きなハコモノである保育所を急激に増やしていくには、
土地取得から事業者選定、着工建設まで物理的な時間も要します。
であれば、財源組み換えである程度は実現できる「保育バウチャー」に舵を切るほうが、
時間軸でも実現可能性においても現実的な回答ではないか考え、
政策提言をしている次第です。
もちろんバウチャー導入にも多くの課題はありますし、
社会起業家の駒崎弘樹さんのようなご意見もあります。
社会的養護については、ほとんど意見を同じくする音喜多さんだけど、この案は意見を異にする。バウチャー化は病児保育や一時保育等には効果的だけど、既にかっちり制度化された通年の保育所で導入するのは非現実的。 https://t.co/p65ryJjypC
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2016, 2月 16
「保育園落ちた日本死ね」と叫んだ人に伝えたい、保育園が増えない理由
http://buff.ly/1olvEIm
世論の突き上げで政治・行政が劇的に動かされ、
保育園が義務教育化にされるレベルで一気に財源が担保されれば、
このアプローチでの解決もそれは素晴らしいものだと思います。
共通しているのは、
・現状の待機児童対策ではまったくダメ
・危機感と、いっそうの財源をもって解決に取り組むべし!
という点で、手法の違いは「実現可能性」「時間軸」を
それぞれの立場からどこに置いているかに因るのではないでしょうか。
保育所増設にバウチャー案を併用していく方法も、技術的には考えられますし。
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ただいずれにせよ、私が政治家の端くれとして伝えたいことは、
「待機児童問題は、まだ政治家を突き動かすほどの脅威になっていない」
ということです。本当に。
確かに今回、匿名ブログがネット界隈で大きな反響を巻き起こし、
テレビで取り上げられるまでになりました。素晴らしいことで、TBSさんに感謝します。
しかし裏を返せば、
「たかだかテレビ一社」
なんです。残念ながら。
私が経験した「世論が議会・政治家を動かした」例を挙げますと、
わかりやすいところではあの「セクハラやじ問題」があります。
あの時はわずかな新聞取材から始まり、一社のテレビカメラが来たと思ったら、
後追い取材が次から次へと入ってあっという間に世論が燃え上がり、
まったく動く気配のなかった議会を劇的に動かしました。
比べて、待機児童問題はどうでしょうか。
実際に私たち政治家が駅前に立ってこの問題を訴えても、
反応はほとんどありません。チラシを受け取る若い世代は、本当にごくわずか。
高齢者対策の福祉問題をマイクで演説して、
その内容をチラシにした方が比べ物にならないくらい反応が良いし、
それは投票率にも如実に現れています。杉並待機児童問題の時に
「子どもは本来家庭で面倒を見るもので、社会に押し付けるべきではない」
「待機児童親は『お願いです。私達の子育てをどうか手伝って下さい』というのがマナー」
という発言で大炎上した保守系の議員が、
次の選挙でも盤石の得票数で当選するのが実態なのです。
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「偉そうに高説を述べてるヒマがあったら、実現しろ」
「しょせん政治家は、当事者の気持ちがわからない」
「実際に子育てをしたことない議員なんてダメだ」
たくさんの厳しい声をいただきました。
政治家ですから、その批判は甘んじて受けたいと思います。
ぜひその思いを、ネットに現れない議員たちにもぶつけていただきたいのです。
こうした問題を上手くかわして、
積極的な発言や対話を避けながら過ごす議員たちが沢山います。
それどころか、議会の過半数を占めているのはそうした議員たちでしょう。
「子育て支援に取り組みます!」
「今年は保育所を、なんとか1つ増やして公約実現しました!」
などというごまかしだけで、
選挙を乗りきれると考えているのが政界の実情なんです。
私も子育て支援を主要政策の一つに掲げて当選した議員の一人です。
しつこいくらい、保育環境の改善を提言しています。その財源確保のため、
高齢者福祉の削減(シルバーパス廃止等)にまで突っ込んでいます。
普通に考えればおそらく、次の選挙は厳しいでしょう。
若年層は票にならない。「そういうこと」です。
今回の問題に関心を持ち、ネットで拡散して下さった方々。
皆さまが一票を投じた議員たちは、どれだけ議会で真剣に子育て支援に取り組んでいますか?
ぜひ選挙の時以外にも、厳しい目を向けてみてください。
私はこの問題から目を背けるつもりはありません。
乳児の子育て経験はなくても、政治生命をかけて取り組みます。
引き続き、ご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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