人生の転機になる“記念日”を素敵に演出することを目的とした有限会社Anipla(アニプラ)で社長兼アニバーサリープランナーを務める田中彩子さんにお話を伺いました。感動を大切にする女性起業家は、いまの東京についてどう思ってらっしゃるのでしょうか。

田中 彩子
(たなか あやこ)
1984年生まれ。大学3年生の時にビジネスコンテストで優勝し、その際の賞金をもとに大学4年生の春に記念日や誕生日の演出をサポートする事業を営む有限会社Aniplaを設立。豪華なリムジンや外国人シンガーを使ったアニバーサリープランニングには、若いカップル以外に外国人旅行客からのオファーも多い。これまで数多くのカップルのプロポーズをプランニングしてきたが、ついに自分も今年中にゴールインの予定。
音喜多(以下、音):今日は都庁までご足労いただきありがとうございます。
田中(以下、田):よろしくお願いします!そのバッチかわいいですね~!
音:えっ?これですか??議員になってはじめて“みんなの党バッチ”をほめられました。ありがとうございます。田中さんは、東京家政大学のご出身ですよね?最寄駅は十条駅かと思いますが、学生時代に使ってました?
田:使ってました~!駅前の十条銀座商店街によく行きましたよ!色々リーズナブルな物が多くて素敵なところですよね~。
音:僕、北区が地元なんですけど、その商店街出たところに事務所があるんですよ。
田:え~!今度行きます~!北区っていいところ多いですよね~!
東京は融通が利かない街?
音:田中さんは、起業家、アニバーサリープランナー、さらには働く女性と結婚準備中の女性という4つの視点をお持ちですが、現在の東京についてどう思いますか?
田:そうですね~。まず最初に思うのがアニプラとしてなんですが、東京は道路使用許可が下りにくいですよね。これは路上でのサプライズプロポーズの障壁になっていると思います。例えば、アルタ前でアルタビジョンを使ってサプライズの映像を流すとしても、それを見るアルタ前広場で立ち止まって何かをするのであれば、許可がいります。そんな風に、街中で何かをすることに対して、すごく厳しいイメージがあります。
音:確かに、道路使用許可の問題は検討の余地がありますね。警察側の事情はもちろんわかりますが・・・。
田:個人的には、誰かの人生が変わる瞬間ぐらい寛容になってもいいんじゃないのかとは思います。以前、東京都が大道芸人に許可証を発行したことがありましたよね?
音:ヘブンアーティスト(※1)ですね。許可証を発行されたパフォーマーは都の指定施設でパフォーマンスを披露できるっていう。
田:プロポーズ許可証みたいなのがあればいいんですけどね。そういうはできませんか?夢見がちですかね~(>_<)
音:いや、あながち冗談じゃなくて、そういう施策があってもいい気がします。ちょっと宿題にさせてください。
東京を“おもてなし”の街にするためには?
音:東京といえば、2020年にオリンピックがありますが、普段からアニプラとして“おもてなし”をされている田中さんならではの“おもてなし”論ってありますか?
田:難しい質問ですね。国としてのおもてなしは壮大すぎてよく分かりませんが、わたしはよく、観光の方が写真撮影をされているとき必ず「撮りましょうか?」っと声をかけています。』仕事柄、思い出の写真をDVDに加工させていただくことが多く、そのときに、全員写っていなかったりすると寂しい気持ちになるので、できるだけ、みんなに写ってほしいという想いがあるからです。小さなことかもしれませんが、積極的に声をかけていくことがおもてなしに繋がっていくのではないでしょうか?
東京都って自治体として何かおもてなし施策をしているんですか?
音:おっしゃる通り、東京都として目立ったおもてなし施策をやっているわけではないですね。2020年に向けて観光ボランティアの養成などは積極的にやっていくようですが、個人的には観光客向けに1枚あれば色々行けるユーレイルパスみたいなものを導入するべきだと思っています。
田:ぜひ、自治体として取り組んで欲しいですね。私のところに来る問い合わせのうち1~2割ぐらいは、実は外国人の方なんです。「日本旅行中にサプライズで誕生日をお祝いしたい」という方や「恋人が日本人なので、日本でプロポーズをしたい」という方がいるんです。例えば、先ほどの話じゃないですけど、そういう方に“プロポーズバッチ”のような物を発行して、それを見た日本人は積極的に協力する、みたいなカルチャーがあったら、それって“おもてなし”ですよね?
音:そうですね。そういう“心のおもてなし”を恥ずかしがり屋な日本人がしやすくする風土作りは、政治家としてできることのひとつだと思います。
田:例えば、会社の公式な有給休暇のひとつに「記念日休暇」のようなものを設けることって難しいんでしょうか?
音:都として制度化することは一朝一夕じゃできませんが、文化としては可能だと思います。例えば、「結婚記念日は休む」という試みを都庁の職員からはじめれば、民間にも普及していく可能性はあると思います。新都知事の外添さんは、ワークライフバランスの向上を目的に定時退社を推奨していますし、タイムリーな話題ですね。
田:その流れで、「記念日半休」がOKになれば、平日の夜に結婚式ができるようになるんですけどね。現状は土日がほとんどなので、式場のスケジュールの都合で演出が限られてしまうことも多いんですよ。
音:それいいですね!仕事柄、披露宴をハシゴすることもあるので、分散すると助かります(笑)
育児のモデルケースが欲しい
音:最後の質問になりますが、どうしたら、僕は結婚できると思いますか?
田:そのままでいいんじゃないですか。不思議な雰囲気があるし、モテると思うので、いつか必ず結婚できますよ!
音:でも、僕もロマンチックなプロポーズを早くしたいんです!例えば、告白にサプライズは効果的ですか!?
田:サプライズ告白ですか・・・。それは相手の気持ちはある程度確認したうえで?
音:いえ、サプライズ効果で相手の気持ちを惹き付けるパターンです。
田:それはオススメできませんね・・・。気持ちが確認できたうえでのサプライズならまだしも、両思いかどうか分からない状況でのそれは・・・。好きでもない人にサプライズをされる女性の気持ちを考えると・・・。
音:そうですか・・・。早くお仕事をご依頼できるように頑張ります!
おときたの感想
若くして起業され斬新な事業を打ち出している彼女ですが、「東京は規制が多い街」という指摘はグサリときました。政治の仕事とは、必要な支援は行いつつも、不要な規制は撤廃していくことです。2020年の東京に向けて、これからは民間の「おもてなし」のアイディアを採用していくことが重要です。新しい事業に挑戦する人たちが活動しやすい東京をつくれるよう、努力していきたいと思います。
- ※1ヘブンアーティスト事業
- 都が実施する審査会に合格したアーティストに公共施設や民間施設などを活動場所として開放し、都民が気軽に芸術文化に触れる機会を提供していくことを目指した事業で2002年にスタート。現在、50施設65カ所が活動場所として開放され、パフォーマンス部門302組、音楽部門83組が登録されている。
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/heavenartist/
音喜多駿/おときたしゅん
参議院議員(東京都選挙区) 39歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
twitter @otokita
Facebook 音喜多駿
東京維新の会公式Instagram @tokyo_ishin
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